2019.5.29 (水)

「AI人財、社内育成の秘訣とは」キカガク×ABEJA共催セミナーレポート前編

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AIは昨今、そのポテンシャルの高さが認識され、経営戦略の主軸にたてられるフェーズまで浸透しました。しかし一方で、社内でAIプロジェクトを立ち上げようにも任せられる人財がいないと嘆く企業は少なくないのではないでしょうか。
また、AIプロジェクトを牽引できる人材は社会的に限られているため新規採用は難航しがちです。

そこでABEJAは、AI人材育成についてのスペシャリストである株式会社キカガクと「AI人財、社内育成の秘訣とは」をテーマにしたセミナーを5月29日に共催いたしました。
キカガクは、”ビジネス現場にAlを正しく導入できる人材の育成”を目指し、述べ13,000名以上の受講者を持つこの分野の最先端企業です。
当日は100名以上の方にお申込みいただき、会場は満員となりました。

セミナー前半は、キカガクより機械学習講師の花本 瞬氏と、同社のAI教育講座を受講し「アートディレクターAI」をAI知識ほぼゼロの状態から開発した株式会社ジーアングルの森 宏晃氏が登壇し、ビジネス層からみるAI活用の勘所について語られました。

◾️登壇者プロフィール
花本 瞬(はなもと しゅん)
株式会社キカガク 事業開発 兼 機械学習講師
法務事務所(行政書士)の経営、中堅Slerの社長室/法務部を経て、株式会社キカガクのAI教育事業に参画。現在、外部企業との協業統括のほか、セミナー登壇やメディアを通してAI活用時の方法論の探求・普及に邁進している。

森 宏晃(もり ひろあき)
株式会社ジーアングル 執行役員
2002年、株式会社ジーアングルに入社。同社では音楽制作、イラスト制作、アニメーション制作、Webサイト、Webシステムの開発、ロボットアプリ開発、海外支社の設立など、複数事業の立ち上げ・運営を行う。直近ではAIを活用したイラスト評価システムを開発。業界内やSNSで大きな反響を集める。

AI活用を遠ざけるのは、
「ビジネスパーソン」のAIリテラシーの欠落

セミナー最初のテーマはAI人材の役割。
現在、AIは研究のフェーズを超えて、ツールを簡単に使い活用できる時代になりました。しかし、実際にAIを導入している企業は全体の3%にも満たない(図1)のが現状です。

図1: 全体の3%以下の企業がAIを導入

その原因は、ビジネスパーソンにAIリテラシーが備わっていないからである、と花本氏は言います。

花本氏 : AI活用時に必要なスキルセット(図2)はいくつかありますが、青色の技術的な領域は主に作る人であるエンジニアが担います。しかし、ドメイン知識にもとづいて適切に課題設定を行いビジネス実装につなげていくために、ビジネス側の人間にもAIリテラシーが必要なのです。

図2:赤い部分がビジネスサイドに必要なスキルセットの領域

ビジネスパーソンにAIリテラシーが備わっていないとどういうことが起こるのか。
日本企業の慣習として、技術系のスキルが必要な際に外部委託に頼る傾向があると思います。例えば、AI開発を外部委託した際に、開発の上流工程(図3)においてAIに全く馴染まない構想をしてしまうことによって、構想~PoCの費用が上ぶれてしまうということが非常に多く起こっています。
つまり、本来はドメイン知識にもとづいて事業主側でディレクションしなければいけない部分を委託会社に丸投げしてしまうことによって、結果的に莫大な費用がかかりプロジェクトそのものが立ち行かなくなってしまうのです。

図3: AIの開発工程

しかし、これは裏返せば、AIリテラシーをビジネスパーソンの必須スキルに入れることにより大きな失敗を減らせるということである、と花本氏は言います。

花本氏:AIリテラシーのひとつであるAIの技術特性について、AIの分類やデータを教えこませる手法など、関連する技術を深く理解することはもちろん大切です。しかし、AI活用を目的に置くのであれば、最も重要な点は「結局、AIで何ができて何ができないのか」という本質を理解し、その後すぐに、これできるかな?と考えたものを「何はともあれ、はじめてみること」です。日々、AIを学ばれる多くのご受講生を目にする立場からいうと、何らかの形でAIの活用に成功されている方は、弊社研修受講後、何らかの構想を実現するために、技術的な学習はほどほどに「何はともあれ、取り組み始めた方」です。一方、AI活用になかなか至らない方というのも特徴があって、弊社研修受講後もAIの理論や技術的な素養を深く網羅的に学ぼうと取り組んでいらっしゃる方です。一般的に、何らかの技術をビジネスに活用するにあたり(技術職以外は)知識量と成果は比例しませんので、ある程度構想実現のあたりがついたのであれば「何はともあれ、はじめてみる」、これに尽きます。
それを皆さんにお伝えしたくて、本日は、ビジネスサイドながら弊社のAI研修を受講し、すぐにAI技術を実装したシステムを作り上げた「森 宏晃さん」にお越し頂き、その実装経験を踏まえてAI活用の勘所を様々に語っていただこうと考えた訳です。

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