「アノテーションはどこも同じ」と思っていた。
ABEJAでやって気づいたこと。

会社名

株式会社LIFULL

事業内容

不動産ポータルサイト「LIFULL HOME’S」の運営

インタビュイー

取締役執行役員 山田 貴士 様(写真右)
データサイエンティスト 椎橋 怜史 様(写真左)
※以下、敬称略

導入の背景

物件情報を活用した不動産情報の「見える化」

山田)LIFULLではいま、機械学習の技術を使って、物件のスペック情報や画像、間取り図をもとにした新しいシステムを開発しています。

これは創業以来、私たちが取り組んできた不動産情報の「見える化」の一環です。年収の数倍もの費用で家を買うのに、買う側が得られる情報が極めて少ない。こうした「情報の非対称性」解消が、私たちのミッションだと考えています。そのため、物件、価格、性能、不動産会社という4つの観点に基づき、様々なテクノロジーを使って利用者に情報を届けてきました。

例えば「かざして検索」というサービス。スマートフォンのカメラを建物にかざすと、AR(拡張現実)の技術で、建物の賃貸/販売情報が出てきます。不動産価格を予測・可視化する「プライスマップ」も、機械学習の技術を活用して開発されました。 こうした新しいサービスが生み出される一方、課題もまだ残っています。その一つがサイト利用者の最終的な物件の決め方です。どれだけサイトでたくさんの情報を集めても、最終的には現地に出向いて内見したうえで、不動産屋さんで契約するというプロセスは依然残っています。

この慣行を変える解決策として着目したのが、物件のスペック情報や画像、間取り図です。もともと「見える化」に取り組んできたなかで、蓄積してきたこれらのデータ資産でした。広告効果が高いこともあり、現在はLIFULL HOME’Sに掲載されている約700万の物件の大半についています。これらの情報を使い、画像認識を用いた機械学習で新しいサービスを開発できないか、と考えました。

実際の活用方法

アノテーション作業はどこがやっても同じ…?

椎橋)高精度のAIモデルを作るためには、膨大な画像の中から写っているものが何を指すのかを学習させる「教師データ」づくりの工程が不可欠です。この工程をアノテーションといいますが、人間が一つひとつ紐づけていく作業なので非常に手間がかかります。社内でこなすには人手が足りないので、アノテーションだけは外部に委託することにしました。

サービスを選ぶ時点では「どこに発注しても結果は同じ。人間が見て判断するという行為自体は変わらないのだから」と考えていました。

ただ、外部に頼むからには信頼して任せられるところを、と考えていました。この点、ABEJAは機械学習にずっと取り組んできた会社なので、こちらの意図も伝わりやすいだろうと考えました。アノテーションをする場合、あらかじめ作成したマニュアルに沿って作業を進めます。ですが、実際にはどうしても判断に迷うことも出てきます。それを誤った判断で進めると、結果的に学習に影響が出かねません。その点、ABEJAはノウハウが蓄積されているので、丁寧なアノテーションをしてもらえると期待していました。

ABEJAは機械学習に必要となる全てのプロセスを実行する基盤 ABEJA Platform を運用しています。その機能の一つ、ABEJA Platform Annotation と、クラウドを通じてアノテーションを代行する事業者の2社のサービスを同時に使うことにしました。

実はどの程度アノテーション作業を精度高くこなせるのか、アノテーション済みのダミーデータを混ぜて依頼しました(笑)。この点では、2社ともミスなく仕上がっていました。

ただ、ABEJAでアノテーションを進めていくうち、プラットフォーム上での作業は効率がいいことを実感しました。一般的に、アノテーションを外部委託しても管理や対応が必要な部分は残ります。例えば、アノテーションを進めるための基盤づくりやアノテーションの重複やし忘れを防ぐための対応などです。

その点、プラットフォームでは、そうした一連の作業は、すでにサービスや機能として提供されています。このため、プラットフォームからすべての画像をクラウドにアップロードすれば、あとは実質完了を待つだけで済みます。アノテーションされた画像を点検するレビュワーもいたので、こちらが進行管理する手間も不要でした。ここは私たちの負担を減らせた点です。

さらに私たちが求めているAIモデルの精度を達成するには、1万枚の教師データが必要だと事前に予想していたのですが、実際は1,000枚ほどの教師データで十分な学習結果を得られたので、費用的にも時間的もコストが軽減されました。きめ細かなサポートによって、質の高い教師データを作れたからこそ実現できたと考えています。

少ない負担でスピーディーに仕上げるには、すでにできあがっているプラットフォームという環境を利用する意味は大きいと思います。選ぶ時点ではどこでもいいと考えていましたが、結果的にABEJAを選んでよかったと思います。

今後の展望

目指しているのは「グローバルプラットフォーム」構想

山田)機械学習というテクノロジーを活用して、不動産情報の「見える化」を進めた先に、私たちは世界中の不動産情報が検索でき、内見から契約、決済まで、母国語かつオンラインで完結できる「グローバルプラットフォーム」の実現を目標に掲げています。住む場所を探すだけでなく、他国での不動産投資も容易になります。

このプラットフォームを実現するには、現地に行かなくても決められるための情報や機能をさらに充実させていくことが不可欠です。そのためにも、機械学習を活用し、新しいサービスで情報を充実させていく必要があると考えています。

各国ごとに不動産に関する法規制が違うので、実現までには乗り越えるべき課題はたくさんありますが、実現に向けて一歩一歩進んでいきたいと考えています。

写真撮影 = 川しま ゆうこ

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