少し先の未来を見せてくれるアパレルテクノロジー企業「Hointer」

WRITER : Editorial department

  小売業界トレンド

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Arch for Startupより寄稿

私達の生活にモバイルデバイスが普及し、様々な業界にIT化の波が訪れている昨今。

アパレル業界も決して例外ではなく、多くのアパレル企業が差別化や効率化を図るべくテクノロジーの導入を進めている。またECの普及率が高まっている中で、アパレル企業は如何に実店舗での顧客満足度を向上させるかに腐心している。

今回は、アパレル小売店における販売体験を素晴らしいものにしてくれる、シアトル発のアパレルテクノロジー企業「Hointer」が生み出した技術を紹介したい。

買い物をシンプルに楽しく

シアトルに本社を置くHointerは、Amazonのサプライチェーンの技術部門のトップであったNadia Shouraboura氏によって2012年に設立されたスタートアップだ。 Hointerは「人々の買い物をシンプルに楽しく」を目標にして様々なサービスを開発している。

小売店はHointerの提供するサービスを用いることによって、ECの効率性、実店舗での試着、これら2つのメリットを組み合わせた心地よい販売体験を顧客に提供することが可能となる。 Hointerのサービスは以下のビデオを見ると分かりやすいだろう。

 

シアトルにあるHointerの小売店は、ジーンズなどの服が山のように積み上がっているといった私達がよく知っている形態ではなく、天井から吊るされた鉄の棒に様々な服、ジーンズが一種類一つぶら下がっている。そしてこれらの商品にはQRコードが付いているのだ。 アパレル00

引用:http://www.geekwire.com/2012/hointer-robot-jeans-clothing-apparel-store-startup/

私達は前もってダウンロードしておいたHointerアプリを用いることで、気に入った服に付いたQRコードを読み取り、オンラインカートに入れる事ができる。更に、詳しい商品情報やカスタマーレビューを調べたり、気になった商品にTwitterやInstagramなでで言及するといった事をHointerのアプリで行うことができる。

一番驚くのは、試着室とHointerアプリの連携だ。私達が気になった商品を試着してみたくなった時、アプリ画面にある「Try on」というボタンを押すことで、その商品が自動的に試着室へ送られるのだ。

もし、サイズが合わなかったとしても、試着室を出て違ったサイズを取りに行く必要がなく、手元のスマホもしくは試着室に付いている画面を操作することで欲しいサイズの商品が送られてくる。 アパレル01

引用: https://www.youtube.com/watch?v=_i9348H-mw4

購入も簡単である。欲しい商品を読み取ったスマホを店にある機械にかざし、クレジットカードなどをスワイプするだけで購入することができる。列に並ぶ必要がないのだ。 アパレル02

引用:http://www.hointer.com/main_aboutus.html

小売店はHointerのサービスを用いることで店のスペースを従来の5分の1に、店員を半分にカットすることができ、大幅なコストカットが可能となる。

それだけでなく、従来の顧客は今まで3〜5種類ほど試着していたが、これらの効率の良いサービスを用いることで、顧客は10~12種類ほどの服を試着することになる。こういった顧客の販売体験の向上によって売上額も30%から50%まで上昇するとHointerは宣言するのだ。

小売店の未来

アパレル03

引用:http://www.chainstoreage.com/article/specs-2015-reinventing-brick-and-mortar)

Nadia氏は3月15日〜17日にラスベガスで行われた「SPECS/2015」で「Reinventing Brick and Mortar Retail」という題でこのように語っている。

店のデザインという観点において、これからの10年は、私達が学んできた過去1000年の変化とは比べ物にならないぐらい大きな変化になるだろう。将来私達が服などの商品を買いに店に入ったとしても、棚を見ることもなく、列に並ぶこともなくなるだろう。

小売店というのは素晴らしい販売体験の場となっていくだろう。小売店は新たにデザインされ、よりクリエイティブな場となっていく。Hointerのサービスはアパレル業界だけでなく、おもちゃ、電化製品など様々な業界の小売店で活用可能なものだ、これからはHointerのサービスのようなものが主流になっていくと私は信じている。」

Hointerは小売店をシアトルだけでなく、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク、シンガポールといった様々な場所に出店している。また、アメリカの有名百貨店Macy’sもカルフォニア州のマンハッタンビーチ店でHointerを用いたサービスの提供を開始している。

Hointerはアプリを用いた顧客の莫大なデータを集め、顧客の販売体験をより良いものに仕上げようと現在も研究を進めている。

今後、小売店と最新テクノロジーが連携したサービスが主流になっていくことは間違いないだろう。アパレル業界がどう進化し、どのようなテクノロジーが普及していくのか、これから目が離せない。

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第2回:ファッション×テクノロジーの最先端を行く専門家が語る未来の姿

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第4回:テクノロジーが叶える現代のファッションショー(海外版)

※「Arch for Startup」より寄稿

Arch for Startup

10904170_709467309173264_1970155646_nクラウドコンピューティング分野で世界一と言われるシアトルを拠点にクラウド関連やスタートアップ情報を発信。

●HPアドレス:

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