【連載企画】国境を越えて拡大するデジタル教育海外事例3選

WRITER : 楠富 智太

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本編集部では、「教育×テクノロジー」の連載企画ということで、主に日本の国内事例を紹介してきた。

▼連載企画記事

第1回:子供の才能をテクノロジーで開花させる、注目のEdTechベンチャー代表が語る教育の未来

第2回:未来の教育を先駆ける!品川女子学院のEdTech事例

第3回:日本のITリテラシーは世界の底辺? ITの教育を変える 「Life is Tech!」とは

連載企画第4回目となる今回は、日本国外に目を向けてアメリカ、ヨーロッパ、中東の最新のデジタル教育への具体的な取り組みを紹介する。

日本国内に限らず、世界各地の教育の現場ではどのような取り組みがなされているのだろうか。

世界的に盛り上がりを見せるMOOC市場やモバイルラーニング市場

MOOC

市場調査を行うアメリカのReportstack社の調べによると、国際的な大規模オンライン公開講座(MOOC:Massive Open Online Course)市場は、2013年から2018年の複合年間成長率が56.6%になると言われている。

また、アメリカのAmbient Insight社が、7つの地域93カ国を対象に行ったモバイルラーニングの市場規模は2012年で53億ドルだったのが、2017年までには2倍以上の122億ドルになる試算だ。

無料で質の良い高等教育を受けられるMOOCや地域にあまり依存しないモバイルラーニングは、今までの教育を補完するものとして今後ますます拡大していくだろう。

世界各地でインターネットが繋がり、これらのテクノロジーがもらたす恩恵が途上国での課題である教育格差の解消の一助を担うかもしれない。

▼参照

2012-2017世界モバイルラーニング市場

アメリカ

N2N

引用:N2N Service

アメリカのN2N Service社は、教育機関および学習者を対象に、統合サーチエンジンを搭載した個別学習用プラットフォーム「edhubs」を開発した。

edhubsは、個人の能力に合わせた個人授業とオンライン教育の利点を合わせた、ハイブリットな教育を利用できるプラットフォームだ。YouTubeやモバイルのApp Storeを含むインライン情報にアクセスし、学習内容に関連する情報を効率よく検索できることが特徴で、日々発信される多くの情報の中から、必要な情報を簡単に見つけ出すことが可能となる。

さらにこのプラットフォームには、保護者用、教師用、生徒用がある。例えば、教師用プラットフォームを使用すると、検索した情報を利用して、対話式レッスンの作成や公開が可能だ。生徒の学習状況を把握し、評価することで、個々人に適した学習を提供できる。なお、現在は試用期間中であり、無料で使用することが可能である。

ヨーロッパ

EdTech

引用:Houghton Mifflin Harccourt

教育分野で国際的トップ企業のHoughton Mifflin Harccourt(HMH)社が、最先端のデータ分析ツール「EdFusion」を提供している

EdFusionはリアルタイムでのデータ分析やスタンダード・ベースのアプリケーションの統合、レポートの最適化を促進するシステムだ。生徒、教育者、管理者、親などがこれまで提供しているサービスに安全にアクセスできるようになっている。また、国際的なマーケットでHMH社が提供している質の高い教材を入手できるようになり、教室での授業も個人の能力に合わせたものが可能となる。

Houghton Mifflin Harccourt(HMH)社の技術と教材は150カ国以上で5千万人以上の生徒に利用されている。生徒や教育者がよりよい学習環境の下で、今まで以上に深い学習体験を実現することが期待される。

中東諸国

Something Fishy About Arabic - http___www.somethingfishyaboutarabic.com_

引用:Something Fishy About Arabic

アメリカのリサーチ会社Ambient Insightのレポートによると、2011年には3.7億ドル規模だった中東諸国のeラーニングなどの自己学習を行う商品やサービスの市場は、年間約8.2%の成長率で伸び続け、2016年には5.6億ドル規模になるとされている。

中東におけるeラーニングが盛んである主な原因は、国をあげての教育コンテンツのデジタル化、大学における教師と生徒のタブレット導入の促進、そして高等教育における急速なeラーニングの採用があるという。

アラブ首長国連邦のアプリ開発者Maria Menezes氏は、3歳から7歳の子ども向けにアラビア語が学べるアプリ「Something Fishy About Arabic」をiPhone/iPadで開発し、提供している。

Something Fishy About Arabicは、アラビア語圏出身で自国を離れて暮らす親子を主な対象としたアラビア語学習アプリである。自国を離れて暮らす人の多くは、英語だけで十分にコミュニケーションが取れる。そのためアラビア語を学ぶ必要を感じず、自分の子どもにアラビア語を教える段階でつまずくことが多く、アラビア語の習得が多くの学校で問題になっているのだ。

本アプリの特徴は、小学校の授業で使う言葉を網羅しているところにある。色彩が鮮やかで親しみやすいキャラクターや、面白い音声で学習できるところも特徴になっている。ゲームの達成度によってプレゼントがもらえ子どもが楽しく学べる工夫が凝らされている。

まとめ

今回紹介した海外事例からわかるように、教育の現場にテクノロジーが浸透することによって、開発途上国で大学に通えないような環境であっても、無料で高等教育を受けて専門的なスキル・知識を身につけられるチャンスが格段に大きくなった。まだまだ世界各地でインターネットが繋がるわけではないが、教育者不足での教育の格差は解消されていくだろう。

先進国でも同様に、地域に依存することなく、今まで以上に深い学習体験を実現できるだろう。

世界各地に「教育×テクノロジー」の取り組みが広がることで、皆が質の高い教育を受け、より人として幸せな社会が実現できるかもしれない。

▼連載企画記事

第1回:【インタビュー】子供の才能をテクノロジーで開花させる、注目のEdTechベンチャー代表が語る教育の未来

第2回:未来の教育を先駆ける!品川女子学院のEdTech事例

第3回:日本のITリテラシーは世界の底辺? ITの教育を変える 「Life is Tech!」とは

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