IPO時価総額2兆5700億円!注目の中国版Amazon「JD」とは

WRITER : 野田 勝

  小売業界トレンド

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インターネットが普及し、わたしたちは当たり前のようにオンラインで購買行動をするようになってきている。EC(eコマース、電子商取引)と呼ばれるこうした形態は、今や全世界的なものであり、我々の隣国、中国でも、今年5月にECサイト「JD.com」を運営するベンチャー企業JDが米国で株式を公開し、世界にその名を轟かせた。”中国版Amazon”との呼び声も高い「JD」とは一体どのような企業なのか。その全貌に迫る。

IPO時価総額2兆5700億円、中国版Amazon「JD」とは

1410171_china_o2o①引用:京东更新IPO文件

JD.com(京东商城)は、中国のEC市場で圧倒的な地位を占めるアリババに次ぐシェアを誇るオンラインモールである。アリババが日本のZOZOTOWNのように自社サイトを小売店に提供するビジネスモデルであるのに対して、JD.comは自社で物販も行い、かつ小売店への自社サイトの提供もしている点から、”中国版Amazon”の異名を持つ。

alibaba_JD_2当編集部作

当初はコンピュター及び関連商品をオンラインで売る小規模再販業者だったが、ここ10年で急成長を遂げ、今年5月、米国でのIPO(新規株式公開)では時価総額257億ドル(約2兆5700億円)をつけ、世界に衝撃を与えた。日本最大のECサイトである楽天の時価総額が約1兆6000億円であることからもその衝撃の大きさが伺える。

▼参照
京东“超额”完成IPO

WeChatとの連携でアリババの牙城に挑む

weimob18引用:100jd微信

中国で6億人のユーザーを抱えるメッセージアプリ「微信(英語名:WeChat)」を提供するテンセントは、今年3月、JDの株式約15%を取得し資本業務提携を結んだことで、同サービスにEC機能が本格的に備わることとなった。WeChatで”发现(発見)”のタブを開くと,“购物(買い物)”のボタンが現れ、ここから直接JDのオンラインモールへつなぐことができるのだ。この連携によって、WeChat経由での新たな顧客接点が生まれるため、大幅な新規顧客流入が期待できる。アリババはこれまで中国のEC市場で80%を超える圧倒的なシェアを築いてきたが、6億人が使うWeChatからJDへと莫大な量のトラフィック(情報)が流入してくるとあっては、その地位ももはや圧倒的ではなくなってしまうのかもしれない。今後もこの2社の動向は要注目である。

▼参照
腾讯与京东建立战略合作关系 将获京东15%股份

日本でも注目!LINEが手掛けるオムニチャネル戦略

141017_chinao2o②引用:LINE@

メッセージアプリが顧客接点となりつつあるのは、実は中国に限った事ではない。日本でも「LINE@」というサービスが流行しつつあるのをご存知だろうか。言わずと知れたメッセージアプリ「LINE」を手がけるLINE株式会社が、アプリ上のビジネスアカウントを提供するサービスである。このサービスを導入した企業や店舗の中には、既に高い効果を実感しているところも多く、その登録数は2014年9月18日に10万件を突破した。顧客をメッセージアプリ経由で獲得するというトレンドは、今まさに国境を超えて全世界に広がりつつある。メッセージアプリが販売チャネルとなりうる時代が到来しているのである。

広大な未発達地域を抱える中国でECが秘める可能性

141017_chinao2o③引用:中国农村网络生活的18个特色处

中国は、北京や上海に代表される大都市とは対照的な、広大な未発達地域を抱えているのも事実である。そうした地域では交通網すら満足に発達しておらず、企業にとっては出店する魅力のない地域であるかもしれない。しかし裏を返せば、こうした地域こそ、インターネットさえあれば欲しいものが手に入るECサイトが大きな価値を発揮するといっても過言ではない。現在、地方のネット普及率は3割にとどまっており、かつ物流網が未発達であるなどの課題は残るが、これらの課題が克服されれば、爆発的にEC市場が拡大する可能性は高い

また、参照先の調査によると、中国の新興富裕層のうち、大都市で生活している割合は全体の25%にとどまる。この調査結果から、地方に高い購買能力を持った消費者が多数存在することが分かる。さらに、中国富裕層の80%が、買い物をするためにわざわざ小さな店舗に赴くのを嫌がる傾向にあるとのことで、都市に住んでいなくても、自宅でPCやスマートフォンさえあれば欲しいものが手に入るECサイトが果たす役割は極めて大きいと言えるだろう。

▼参照
中国新兴富裕阶层的规模分布及特征

オムニチャネルは進化し続け

”あらゆる”販路を統合するという意味を持つオムニチャネルであるが、そのチャネルのバリエーションは拡大し続けている。本記事で挙げた例のように、本来ならばチャネルとはなり得なかったメッセージアプリから、ECサイトへとトラフィックが流入するなど、販売チャネルは確実に増え続けている。そして、こうしたチャネルの拡大が顧客獲得にどう影響するのか。JDとWeChatの連携は果たしてどのような効果を生むのか。今後もこのフィールドから目が離せない。

 

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