海外事例紹介!マーケットを変革する行動観察まとめ

WRITER : Editorial department

  小売業界トレンド

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成熟している市場でイノベーションを巻き起こすことは非常に難しい。大量のデータやWebの情報は既に分析しつくされている。そんな中、マーケターがやるべきことは、もっと人に焦点を当てた顧客の行動観察とその分析である。

koudou_img引用:B・Nest

なぜなら、行動観察を行えば、データだけでは分からない顧客のニーズ、顧客がどのような感情を持っているのか、どのような思考を辿って店内を移動しているかが分かるからだ。
データがあふれている今だからこそ、行動観察で数値だけでは見えない情報を集め、それを商品企画や店舗開発などのマーケティングに役立てる。
本記事ではその行動観察の手法と、実際にイノベーションを巻き起こした事例を海外のものを含めて紹介する。

行動観察の手順はFIRE(Fact、Insight、Reframe、Extensive Knowledge)

行動観察の手順は①Fact、②Insight、③Reframe、④Extensive Knowledgeという4つのステップで行われる。

 行動観察②当編集部作

まずFactでは顧客の行動を観察して、どのような潜在ニーズを顧客が持っているかの事実を集める。そして、Insightでは事実を振り返り、顧客が持っているニーズや問題点を特定する。Reframeでどうすればその問題点を解決出来るのか考える。
最初の観察ではターゲットとなる顧客と行動を共にしたり、顧客を陰から観察する。その際に①事前に仮説を洗い出す、②観察者あたりの観察対象や観察行動を決めておく、など準備をしておけばより充実したデータを集めることが出来るだろう。
この一連のステップに必要なのが、Extensive Knowledgeという、事実に基づいた幅広い知見である。

行動観察により主婦のニーズを取り入れて生まれたコンロ

LIXILは、この行動観察の手法をターゲットとなる主婦に使って分析を行い、画期的なコンロを生み出した。
それが「ひろまるコンロ」だ。このコンロは、3口あるバーナーの間隔を広げ、下記の画像のように手前に直径28cmの鍋とフライパン、奥に直径22cmの鍋を置いて使っても、ゆとりをもって料理が出来る。

SITE-img20140204_hiromaru-03引用:大阪ガス

LIXILは最初に、ターゲットとなる主婦のキッチンでの行動で不可解な点や特徴的な行動がないかを観察した。そこで、主婦がコンロが複数あるにも関わらず、作り終わったスープを冷ますため、または料理を鍋で漬け置きするためにコンロが埋まり、結局一つのコンロしか使えていないことが分かった。そこでLIXILは、コンロ間の幅を広くしたり排気口を小さくしたりすることで、鍋やフライパンを置くスペースを確保したのだ。

子供の行動観察により生まれた新しい歯ブラシ

アメリカのIDEOというデザインコンサルティング会社も行動観察により画期的な商品を生み出した。子供は細かな指先の動きが苦手だが、握る力が強いことに着目し、以前では考えられなかった柄の太い歯ブラシを作成した。

oralB_gripper_hero_626px引用:IDEO

この商品は握りやすいので、子供はより安定して歯を磨きやすくなる。大人向けにも同様の柄の太い歯ブラシを販売した結果、18ヶ月間、歯ブラシのカテゴリーの売れ行き第1位の大ヒット商品となった。

IDEOも最初に行ったのはターゲットとなる子供の行動観察だ。そこで普通の歯ブラシでは安定して歯を磨けていないことを発見した。さらに、幼少期の子供は握る力が強いが、細い歯ブラシの柄を細やかな手の動きで安定して握れないという科学データ(Extensive Knowledge)を組み合わせて商品の着想を得たのだ。

ビッグデータだけでなくマーケティングの変革に必要な行動観察の視点

アンケート調査、グループインタビューなど、顧客のニーズを把握する方法はたくさんある。しかし、行動観察のメリットは得られる情報量の多さだ。
アンケート調査やグループインタビューは言葉のデータであるのに対し、行動観察は映像データであり、そもそもの情報量に違いがある。ビッグデータが昨今取りざたされているように、データの量が多い程、そこから有用な知見が見い出せる可能性が広がっていく
また、人は自分の行動をどれだけ認識して行っているかということも重要になる。キッチンや洗面所では行動が習慣化され、不便でもそれを不便だと認識せずに日々を送る。よって、アンケートやインタビューで分かるニーズは非常に限られてしまう。

顧客自身が気づかないニーズを発見し、価値提供を行えることがイノベーションでは非常に重要で、行動観察の一番の魅力でもある。特に、IDEOように大人の商品企画者では分からない部分、子供向け商品の開発などでは、行動観察の視点はこれからより生かされてくるだろう。

 

▼参照

潜在ニーズの抽出を目的とした行動観察方法の研究
行動観察研究所

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