仕事終わりでも間に合う!渋谷で25時まで本と酒を楽しめる「森の図書室」とは【後編】

WRITER : 塩野入香菜

  小売業界トレンド

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PR戦略としてのクラウドファンディングが想いを変えた

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前編では森の図書室の魅力は誕生秘話をお伝えしたが、後編では森氏に直接語ってもらった実際の反響や今後の展望、出版界への影響をお伝えする。

クラウドファンディングを知ったのは森の図書室設立に踏み切る一年前だったという。スワイプ可能な腕時計「TOUCH TIME」プロジェクトなどで有名な北米最大のクラウドファンディングサイト「kickstarter」を目にしたことがきっかけで森の図書室という夢をクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」へ載せることとなった。資金を得るということよりはたくさんの人に知ってもらうための利用だ。

この着眼点はホットペッパー事業に携わっていたリクルート時代の経験が生きている。Webページへ広告を出すことのコストや手間を経験しているため、情報を載せることは、無料であるクラウドファンディングを利用しようと考えたのだという。

そして結果としては、前編で述べたように1764人というパトロン数で日本記録を立てるほどの成功となったのだ。多くの応援の声は実際の店舗設立に追い風になったことだろう。このクラウドファンディングの利用は、森氏の森の図書室にかける想いをも変えた。これまでは自分のやりたいことをやる、という「for me」に考え方に、多くの人の応援や支持の声を聞くことで周りの声にこたえたい、という「for everyone」の気持ちが加わったのだ。

フォード・モーターの創設者であるヘンリー・フォードの言葉に「人が集まってくることが始まりであり、人がいっしょにいることで進歩があり、人がいっしょに働くことが成功をもたらす。」という言葉がある。まさにこの言葉通り、森の図書室は自分のための夢であったものが、多くの人が集まることで成功がもたらされたのだ。

 

大人たちが密かに集う快適読書空間にリピーター続出

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7月1日のオープンからわずか一か月すでにで大盛況の森の図書室。開始一週間で2、3回来店するリピーターもおり、中でも客層として最も多いのは、社会人だそうだ。やはり仕事帰りに集中して読書ができる空間は近隣のビジネスマンにうけているのだという。しかし学生から高齢の本好きまで客層は広く、気軽に誰でも本を楽しめる場所となっている。

読書というのは本来一人で完結する趣味であるが、同じ本好きと共有できる場の提供で、ここではそれが非常に上手くいっている。初対面の人同士が本の話で意気投合し、話し足らず飲み明かす、ということも珍しくないという。これはKADOKAWAの角川歴彦氏会長が出版業界の課題として挙げていた「読書体験・感動の共有」を解決し、本を手に取る良い連鎖を起こしているのではないだろうか。事実、本に手が伸びやすい空間として、出版業界からも熱い視線が注がれている。

「この感動、誰かに言いたい!」と思った時は森の図書室に来ることをおすすめする。その欲求はきっと満たされ、まだ見ぬ読書仲間が待っていることだろう。

 

森の図書室の未来

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大人気の森の図書室だがまだまだ森氏のやりたいことは尽きない。実際にオープンしてから見えてきたものもあるという。

その一例として好評であったイベントを定期的に開催していく予定だ。読書会や立食パーティーなど、これまでに実施してきたイベントの反響が良く、今後もより良い本好きがつながる場を作っていく。実際の読書会にも参加してきたが、驚くほど本好きの友人ができる。肩肘張らずに参加できるところも嬉しい。またスタッフとの会話や本棚の工夫した文脈づくり、八月中の昼間の営業等もしていくということで、まだまだ楽しみは待っているようだ。

 

初めは自分のためだった夢がクラウドファンディングを通じて人が集まり、実在のものとなった「森の図書室」。あらゆるメディアで取り上げられるなど、ビジネスの可能性は多く秘めてるものの、まずは居心地の良い空間、作りたい空間にすることが第一だという。

今後も森の図書室と森俊介氏から目が離せないだろう。

まとめ

・クラウドファンディングは大規模PRや資金調達を可能にするだけではなく、森氏の図書室に対する想いをも変えた。

・リピーターも多く、KADOKAWAも注目する今後の出版業界の課題である読書体験の共有が実現でき好循環を生み出す空間として成功している。

・やりたいことが尽きないという森氏と渋谷の新名所「森の図書室」の今後も注目が集まるであろう。

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