4年で13社買収!リテール業界の覇者ウォルマートの目指す先は?【後編】

WRITER : 楠富 智太

  小売業界トレンド

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前回までの記事「4年で13社買収!リテール業界の覇者ウォルマートの目指す先は?」の前偏中編に引き続き、ここ4年間弱で、アメリカの小売チェーン大手であるウォルマートが買収した13社の紹介と、その買収の狙いを明らかにしていく。

今回は、残りの4社とウォルマートの今後の展開について紹介する。

ウォルマート引用元:http://www.dailysunny.com/2013/11/15/nynews1116-8/

10. サイト高速化のための「Torbit」

「Torbit」は、ウェブサイトのパフォーマンスをあげ、高速化させることができるサービスを提供するスタートアップである。主なサービスの内容として、「Torbit」はウェブサイトのパフォーマンスを読み取り、そのパフォーマンスが低いことにより、どれだけの損失を出しているかを明確にする。それから、実際にそれらの問題を解決してウェブサイトのパフォーマンスをあげて最適化することで利益に繋げていくのだ。ウォルマートは「Torbit」の技術により、ウェブサイトのパフォーマンスを向上させ、顧客がより快適なECサイトでのお買い物を楽しむことを可能にした。

torbit

11. 実績ある有名エンジニアが共同創業者の「Tasty Labs」

「Tasty Labs」は、Mozillaのニック·グエン、ソーシャルブックマークサイトdel.icio.usの作成者ジョシュア・シャクターとHousingMaps作成者ポール·ラーデマッヘルといった実績のあるエンジニアによって設立された企業である。「Tasty Labs」の技術は、ウォルマートのEコマース機能を構築するために使用されている。 「Tasty Labs」はソーシャル·ソフトウェアを経由して、様々な人々がストレスなくオンラインに接続できるように、より効果的な方法を開拓している。

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12. サイトのレシピを取りまとめる「Yumprint」

2011年にシアトルで設立された「Yumprint」は、利用者が数千の料理に関するブログから食事のメニューを検索して、さらには栄養情報が計算された、常に目新しいレシピを発見できるサービスを提供する企業である。日本で言うクックパッドのようなサイトだ。「Yumprint」は、ウェブサイトとモバイルアプリを持っており、 ウォルマートはこのサービスにより、顧客が買い物をする前にレシピを決定して、それに合わせた買い物リストの作成をより簡単にしたのだ。ウォルマートは「Yumprint」の買収により、Eコマースの食料雑貨ビジネスを成長させることを目指している。

yumprint

13. 広告技術の「Adchemy」

「Adchemy」は、商品検索やカテゴリ分類の技術などでEコマース領域に強みを持つ企業である。ウォルマートは、「Adchemy」の技術をターゲティングの改善に活用して、既存の店舗利用者をベースにオムニチャネル化で売上を伸ばし、顧客の購買機会を拡大することができれば、競合ECサイトを寄せ付けないだろうと、ウォルマートの規模の優位性を示している。

adchemy

ウォルマートの今後の展開

売上高で47兆円を超え、小売業において圧倒的世界一の規模を誇るウォルマートは、デジタル領域のR&D戦略においても独自の打ち手を見せている。

2014年4月発表したアプリ「Walmart Savings Catcher」は、購入した後にそのレシートのバーコードをスキャンすると、近隣エリアの特売情報を分析する。その結果より、同じ商品を競合店舗がより安い値段で広告していた場合、最安値との差額を「Gadgets to Gift Cards」でバックし、ウォルマートの店舗で支払いに利用することができるサービスである。

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引用元:Walmart Savings Catcher Overview

現在、ウォルマートは1週間に約2.45億人の来店客があり、それらのデータ処理をほぼリアルタイムで集積・管理・分析し、日々の仕入れや在庫管理、マーケティングなどに活かしていく環境を整えている。ウォルマートは、国内外のあらゆる小売企業からそのモデルを参考にされており、オムニチャネル戦略においても完成されつつある企業といえる。リアルも含めた大量のデータから顧客動向を解析し、売場の「棚」で商品を訴求するという手法は、オンラインに閉じる競合サイトには手を出せない領域であり、ウォルマートの独壇場となるだろう。

さらに@WalmartLabsという独立した研究開発組織も運営しており、ソーシャルデータを購買に紐づける研究や、競合サイトに対抗する検索・レコメンデーションエンジンの開発している。さらに今回紹介したように4年弱で13社も買収して、今後も小売業界において圧倒的世界一であるウォルマートは、オフライン・オンライン関係なく「何が顧客を捉えるか」ということを追求する戦略は大きくブレないであろう。圧倒的な規模を武器に、今後も世界の小売業界を牽引するウォルマートの動向から目が離せない。

 

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4年で13社買収!リテール業界の覇者ウォルマートの目指す先は?【前編】

4年で13社買収!リテール業界の覇者ウォルマートの目指す先は?【中編】

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