4年で13社買収!リテール業界の覇者ウォルマートの目指す先は?【前編】

WRITER : 楠富 智太

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アメリカの小売チェーン大手ウォルマートといえば、安さで勝負する、売上額で世界最大の企業である。世界15カ国に展開し、日本では西友を小会社化して展開している。そんな実店舗売上メインの印象が強いウォルマートであるが、実はEコマースの売上だけで年間100億ドル(1兆円)超もあり、全米 のEコマース売上でトップ5に入る。

ウォルマート.jpeg

引用元:http://10rank.blog.fc2.com/blog-entry-224.html

ウォルマートは、さらにEコマーストップであるアマゾンの売上700億ドルも視野に入れ、Eコマース関連技術の拡張に余念がない。その拡張方法というが「買収」である。相乗作用のある技術を持ったベンチャー企業を次々に買収して、過去4年弱で13社を@ウォルマートラボに吸収してEコマース技術開発を増強してきた。その買収した13社とは果たしてどのような会社なのだろうか?今回は、ウォルマートが買収した13社の紹介と、その買収の狙いを明らかにする。

1. ビデオストリーミングサービスを提供する「Vudu」

Vudu」は、ストリーミングビデオサービスを提供している企業である。約1万6000タイトルものビデオを所有しており、これらはレンタルまたは購入のいずれの形式で、異なるブランドのテレビや Blu-rayプレーヤーにも、ダウンロードすることが可能だ。さらに「Vudu」は、ウェブ接続テレビの登場に伴い、ストリーミングビデオソフトウェアを直接他のハードウェアメーカーへと提供し始めるようになった。

ウォルマートは「Vudu」を所有することで、ハードウェアの小売よりも利幅の大きい事業を得る上に、競争力も強化することができるだろう。

VUDU.jpg

引用元:http://www.vudu.com/

2. モバイル・コマース技術を持った「Set Direction」

「Set Direction」は、スマートフォン開発製造のパーム社を辞めた者が起業したベンチャー企業であった。創業者のパーム時代の同僚が、ウォルマートに転職していたので意気投合して買収というかたちとなった。ウォルマートは、世界中で最も大きく競争力のある市場アメリカで、どのようなモバイル小売アプリケーションを作成するかが課題であるのは明確であった。そこで、ウォルマートは「Set Direction」の高い技術力により、最高品質のモバイルプラットフォームをつくり、オンラインでも品の高いサービスを提供していくということが狙いだろう。

3. ソーシャル・フィルタリング・サービスを提供する「Kosmix」

「Kosmix」は、Google本社と同じマウンテンビューに拠点を置くスタートアップ企業であった。人々が話題 にするテーマに関して、重要なツイートのみをフィルタリングしてPC上で閲覧できる「TweetBeat」などのソーシャル・フィルタリング・サービスで注目を集めていた。「Kosmix」は、WEB上に存在する多くの情報をテーマごとに整理し、オンライン上での人々の発言から重要なものだけを自動で抽出するツールを着々と開発していた。

一見全く脈絡がなさそうに見えるウォルマートによる「Kosmix」買収だが、「Kosmix」の創業者2人の過去を振り返れば納得できる。 2人はかつて、Jugleeと呼ばれる比較ECサイトを世界に先駆けて開発し、たった2年後の1998年にAmazonへ約2億5千万米ドルとも言われる金額で売却したという経歴の持ち主だ。ウォルマートの一部となった「Kosmix」は@ウォルマートラボとして名称も変更され、最新テクノロジーを駆使した新しい買い物体験を提供するための開発拠点として生まれ変わった。ウォルマートの狙いは、「Kosmix」の創業者2人の力で、Eコマース技術開発を大きく前進させることあった。

Kosmix.jpg

4. FacebookやTwitterの情報を解析する「OneRiot」

「OneRiot」は、ソーシャルウェブのリアルタイム検索サービスを提供する企業であった。ウォルマートは、今後検索市場の20~40% は、リアルタイム検索が占めるとの予測もあり、今後のネットワークの成長や、ソーシャルインフルエンサーとのエンゲージを求める広告主の数を考慮した時、アドネットワーク事業に注力するという結論に達したのだ。

「OneRiot」は、FacebookやTwitter上でリアルタイムに交わされる会話を解析して、いま最も世の中の関心を集めているトピックを分析するトレンディング・トピック・エンジンを有している。ウォルマートの買収に狙いは、この解析技術とリアルタイムなコンテンツマッチング技術を組み合わせることで、適切なオーディエンスに、適切なタイミングで企業のメッセージを届けるいうことであろう。

oneriot.gif

次回も、引き続きウォルマートが買収した企業と、その狙いを紹介する。ウォルマートが仕掛けるフラインとオンラインを繋ぐ新たな取り組みを紐解いていく。

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