4月始めの日本向けサイトがオープンしてから、既に各種メディアで話題になっているYelp。一体どの様なサービスなのだろうか。Yelpは米国を中心に25カ国でサービスを展開している世界最大級の総合カスタマーレビューサイトである。レビュー数は2014年4月時点で約5300万件、月間ユーザーはなんと1億2000万人を超える。食べログと比較してみるとレビュー数は10倍、月間ユーザー数は2倍となっている。日本では現在、東京と大阪を中心にサービスを展開している。この記事では、押さえておきたいYelpの3つの特徴と今後の予想を紹介する。
① 世界水準のユーザビリティ
YelpのUI/UXは、ページを見た瞬間に自分の求める情報が直ぐに分かる作りとなっており、世界的にも高い評価を受けている。これは、ユーザーにとって使いやすいコンテンツの配置、情報に辿り着くまでのフローを何度も試行錯誤しながら改善してきた結果だと言える。下記の例では、既存のiOS向けアプリ画面(左)と改善案(右)を比較してユーザーにどちらが良いか投票してもらう事で、より顧客視点に立ったUI/UX改善を試みている。
(出典:http://www.touchytalk.com/refining-yelp-for-ios-7/:「Refining Yelp for iOS」)
② 飲食店のみではない多様なジャンルの口コミ閲覧を実現
日本では大手グルメ口コミサイトの「食べログ」などが有名だが、Yelpはレストランに限らず、小売店、ホテル、ガソリンスタンド、屋台まで、店舗を持つ所ならどこでもレビューを投稿する事が出来る。レビューの割合は小売店23%、レストラン20%、地域施設11%、美容・運動9%、アート&エンタメ7%、その他30%、となっている。
株式会社TheStartup代表取締役の梅木氏は、Yelpの訴求ポイントを「食べログの様にジャンルに特化した大量のレビューで訴求するのではなく、ユーザーの身の回りの情報を幅広く網羅的に提供する事の方が重要」と分析している。
③ 独自のシステムにより厳選した質の高いレビュー
口コミサイトにおいては、レビューの信頼度が生命線になるのは言うまでもない。Yelpは信頼度の高いレビューのみを厳選する為に、様々な取り組みを行っている。具体的には、独自のアルゴリズムを採用して文の長さや内容から投稿の信頼性を判断したり、同じIPから連続で投稿されたレビューを自動で排除するなどしている。更に、投稿ユーザーには実名と顔写真の登録を推奨する事で、コンテンツの信頼性を高めている。
Yelpに関する導入効果
出典:(引用元:MerchantWarehouse『HOW YELP CAN HELP』)
米国の決済会社Merchant Warehouse Inc.は、以下のデータを提供している。
・一般消費者の72%が口コミサイトを信用している
・Yelpユーザーの90%が好意的な口コミを根拠に購買を決定している
・口コミサイトユーザーの93%がサイト内で見た店で購入している
・Yelpで高い評価スコアを持つ店は平均よりも売上が$8000以上高い
・Yelpに広告を出すと平均で230万円の年間売上増加が見込める
Yelpの今後に展開について
Yelpはモバイルへの取り組み強化と、プラットフォーム領域の拡大をして行くものと予想される。
Yelpが提供しているアプリには、スマフォなどを通して現実の空間に店舗情報を表示できる機能や、店舗内でチェックインする事によりクーポンを受け取れる機能などが搭載されている。この事から、同社としてモバイル機器の活用法を模索している事が伺える。
Yelpの競合である中国の「Dianping」は今年の3月に、ローカル店舗の検索、予約、決済をアプリ上で行うことができるサービスを発表している。Yelpもこうした動きを見て、自社のサービス領域を拡大して行くのではないかと予想される。
まとめ
・Yelpは世界に1億2000万人のUUを持つ人気口コミサイトである
・Yelpの特徴は①使いやすさ ②豊富なジャンル ③質の高いレビューである
・Yelpを活用する事で、年間売上を平均して230万円向上させる事が可能である
・Yelpはモバイルを活用して決済・予約機能などのサービスを展開する可能性がある
参考URL:
http://toyokeizai.net/articles/-/35821?utm_source=granks&utm_medium=http&utm_campaign=link_back
http://merchantwarehouse.com/how-yelp-can-help-your-busines
http://www.touchytalk.com/refining-yelp-for-ios-7/