2つのキーワードから読み解く小売業界の変化

WRITER : 朴 泳虎

  小売業界トレンド

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引用:aled

 

小売業界の大きな転換期を理解する上で二つのキーワードが鍵となる。「デジタリゼーション」と「グローバリゼーション」である。

昨今バズワードとなっている「オムニチャネル」という言葉を推進しているのは「デジタリゼーション」である。デジタリゼーションとは、ビジネスなど、さまざまな事象のデジタル化を指し、これらは消費者の購買行動に変化をもたらし、業態を超えた競争を激化させている。

また、このデジタリゼーションと同じくらいインパクトをもたらしているのが、「グローバリゼーション」である。世界中の多くの小売企業は自国市場での成長が飽和状態になり、新興国への進出が求められてきている。

本稿は、この2つの観点から小売業界の現在とこれからに迫る。

 

頭を悩ます原因となっているグローバリゼーション

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引用:Zdnet

World Bank Groupの調べによると、2025年には世界の小売業界での消費金額の50%以上をインド、中国、ブラジルのような新興国が占めるようになると言われている。

新興市場の登場は大きな収益機会であるが、同時にグローバリゼーションは多くの小売業にとって頭を悩ます原因となっている。そして、小売業界の中でも特に苦戦をしいられているのが食料・日用品雑貨などを取り扱う企業である。

というのも、食料・日用品雑貨小売ビジネスにおいては現地における供給元の開拓であったり、流通網の確保をエリア単位で行い、効率的なオペレーションを確立することが重要であるが、門外漢である海外企業にとっては現地の情報を収集することも簡単ではない。

またコスト競争力という観点から考えた際に、地元小売企業は安価な労働力や地元に保有する生産基盤を背景に、低価格な商品を提供している場合が多い。彼らとの差別化を図りながら、ローカルニーズを踏まえて顧客に価値を提供することは簡単なことではない。

 

デジタリゼーションによる小売業界の変化

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引用:Markezine

前述したグローバリゼーションで成功できなくても、企業は生き残ることはできる。しかしながら、デジタリゼーションの激化は多くの小売業を淘汰するかもしれない。最も大きな要因は、いうまでもなくECの台頭である。AmazonやBaiduといった巨大なEC企業がその規模や高度なシステムによって支えられた効率的な物流を背景に、「いつでも・どこでも・好きなものが買える」という圧倒的な強みを構築している。更に、スマートフォンの普及も相まって、顧客は生活時間の多くをデジタルと接しながら過ごす様になって生きている。商品自体や価格で差別化できなくなった企業の衰退は顕著であり、新たなビジネス環境に適応できない企業は淘汰され始めているのだ。

 

必要となる顧客体験の再定義

4

引用:Rakunew

これまでの消費者との接点は実店舗での販売が中心であり、小売業がその役割をになっていた。前述したデジタリゼーションにより、消費者へのリーチ方法が多様化しているのは否めない。

さらに、販売チャネルの多様化だけではなく、より顧客を知るためにソーシャルメディア上の膨大な消費者の声を分析する「ソーシャルリスニング」を活用する企業が増えている。それらソーシャルメディアの顧客の声をマーケティングに応用しているのだ。

また、消費財メーカーも消費者と新たな接点を持つことで、消費者ニーズを詳しく把握する取り組みを始めている。先進的な企業は、デジタリゼーションに軸を置いた顧客体験の再定義をし始めており、新たな顧客体験を創出すべく、サービスモデルや事業モデルの変革により、ターゲット層のロイヤリティーを高め、他社との差別化を図っているのだ。

 

消費者行動モデルの変化

3

引用:Zdnet

デジタリゼーションは消費者行動の変化も推進している。消費者は、自らより便利で魅力的な商品や体験が提供されるチャネルを自由に選択できるようになっている。消費者の小売企業への期待値はこれまで以上に高まってくるだろう。消費者の購買活動・意思決定プロセスは、「発見→検討→評価→購入→消費」といった線形的なものではなくなってきているのだ。

デジタリゼーションにより、消費者の購買活動・意思決定プロセスは、これまで以上にダイナミックなプロセスを踏むようになり、いつでもどこでも好きなチャネルから購入することが可能になった。さらに消費して終わるのではなく、それが次の評価や購入、周囲の人々への購入喚起など、次のアクションにつながる場合が多くなっている。

 

これからの時代で求められるもの

デジタリゼーションに伴って、小売業界と消費者行動は着実に変化しつつある。ここで、実店舗の存在が薄れているわけではなく、小売業界で重要なのは、消費者が実店舗とオンラインのチャネルを自由に行き来して購買の意思決定ができるサービスの実現である。

大きな転換期を迎えている小売業界の今後の動向から目が離せない。

 

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