進化を続けるNordstromのオムニチャネル戦略

WRITER : Editorial department

  オムニチャネル

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Arch for Startupより寄稿

 

3引用:Want To See The Future Of Retailing? Check Out Nordstrom.

みなさんはNordstrom(ノードストローム)を知っているであろうか?

Nordstromは、アメリカ全土に292店舗(カナダ1店舗)のストアを展開するアメリカを代表するリテーラーの1つである。約120の総合デパートメントストアと約170のアウトレットストアを持つ。2013年度は約1兆4000億円のセールスを達成した。

Nordstromは、時代の流れを敏感にキャッチし、“テクノロジー”を積極的に活用することに注力する企業としても知られている。2014年初旬、同社はテクノロジー分野への投資を全資本的投資費用の割合で約10%昨年よりアップさせるとした。

テクノロジー分野への投資とは、Eコマース、モバイルアプリ等の向上、そしてその他顧客エクスピリエンスを向上させるあらゆるチャネルを開拓することへの投資である。現在に至るまでも、Eコマースをはじめとして数多くの戦略を実行し、着実に売上を伸ばしてきた。

最近の戦略・実績の特徴として、若年層へのフォーカス、Nordstrom innovation labの活躍などがあるが、今回は特に注目すべきNordstromのオムニチャネル戦略を取り上げる。

オムニチャネル戦略の一環として同社が取り入れた2つの“テクノロジー”を紹介する。

Instagramを活用した新たなリテール技術

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引用:http://www.businessweek.com/articles/2014-08-26/nordstrom-leverages-instagram-user

Nordstromは、Instagram上で53万人近いフォロワーを持っており、リテール業界の中では最も高い顧客からのレスポンス度、二番目のポスト数と、SNSを上手く活用してアドバタイズメントをしていることで有名である。

そんなリテール業界で最もSNSを上手く活用していると言われているNordstromでも、上手くHPへのトラフィックを獲得できない、直接的な売上に繋がっているのかわからないなどと多くの問題点を抱えている。しかし、2014年8月、このような状況を打破出来る可能性を持ったサービスをNordstromは開始した。

そのサービスとは、スタートアップCURALATEによって運営されるLike2Buyを利用することで、Instagram内の写真をタップするとその商品を購入できるLike2Buyのページに移ることができるというものである。このサービスはLikeボタンを押してリストとして残し、後ほど購入することも可能にしている。

Nordstromにとって、このサービスの利点は2つある。1つ目は、クリックするだけで購入ページへ飛べることからSNSを使用することで直接の売上に繋がるという点。2つ目は、顧客のクリック、購入数をデータベースへの保存を可能にすることで、将来の販売戦略を考えるデータになるという点である。

Nordstromのソーシャルメディア部門のディレクター、Bryan galipeau氏はこのように語る。

「私達はソーシャルプラットフォームを含めた全ての商品の購入場所でスピードと簡便さを求めるために顧客からの意見を聞き続ける。私達は更なる段階へ行きたい。私達が取り上げた商品について知り、購入する顧客に更なる体験を与えるためにも。」

SNSを用いたこのサービスは、Nordstromが初めてであり、今後もEコマースと従来の販売戦略が融合した新たなオムニチャネル戦略が生まれるであろう。

今回のサービスは自社のHPへ行くのではなく、Like2Buyの販売サイトへ行く点に改善の余地がまだある事や、Twitterが2015年前半にもBUYボタンの追加へと本格的な活動を始める噂があるなどと、今後のSNSを用いたオムニチャネル戦略には更なる期待がもてそうだ。

未来のフィッティングルーム

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引用:http://fortune.com/2014/11/25/nordstrom-ebay-fitting-rooms/

2014年11月28日ブラックフライデー、アメリカ中が買い物に熱中した。Nordstromは、未来のフィッティングルームへの第一歩を踏み出した。eBayにより開発された情報交換型ミラーが2か所で試験導入されたのだ。一つはNordstromのホームタウン、シアトルにあるWestfield’s Southcenter Mall、もう一つはサンノゼのWestfield’s Valley Fairである。

フィッティングルームに設置された情報交換型タッチスクリーンミラーは、商品バーコードで商品を認識し、試着を楽しむショッパーは違うサイズやカラーの商品が現在店舗にあるかを確認することができる。また、それらを試着したい場合は、簡単にミラーから店員にリクエスト可能だ。「この商品はこれと組み合わせると良いでしょう」とスタイリストからのおすすめ情報もゲットできる。試着後、店員にミラーを介してチェックアウトを頼み、Emailでレシートを受け取ればスムーズに買い物は終了だ。

この未来型ミラーは、アメリカのファッションブランド「REBECCA MINKOFF(レベッカミンコフ)」の専門店2か所でも導入された。Nordstromで導入されたミラーよりも複雑な機能が備わっている。バーコードではなくRFIDでの商品認識、試着履歴の保存、フィッティングルームの照明変更(day・night・outdoor)等が特徴だ。

 

同ブランドはフィッティングルームのミラーだけでなく、情報交換型Wallも導入した。この高性能な”壁”はタッチスクリーンで、ランウェイの動画の視聴、商品検索等が可能だ。”Send to my room”をタッチすれば、試着したいアイテムを指定し、アイテムが揃った状態のフィッティングルームを楽々使用することができる。自分のフィッティングルームの準備が完了すると、テキストメッセージが送られてくるため、それまでお店の中を見て回ったり、”壁”から注文した飲み物を楽しめ、フィッティングルーム前の長蛇の列で時間を無駄にせずに済む。

これらの高性能ミラーや壁は、お店を訪れたファッショニスタ達を楽しませ、満足させる。彼らにとっての利点は前述の通りだが、店舗側もこれらのテクノロジーを大いに活用できる。オンラインショッピングのおすすめアイテムは当たり前だが、高性能ミラーを使えば実店舗でも同様に情報を提供し、販売促進につなげることが可能だ。試着室専門の人員も削減できるかもしれない。

高性能ミラーや壁が、いきつけのファッションブランドのお店にあると思うと胸がときめく。未来のショップ、そしてフィッティングルームはオンラインが融合した素敵な空間になるだろう。

素晴らしい体験をお客様に

6

引用:Nordstrom, Inc. (JWN) testing eBay Inc (EBAY) Smart Fitting Rooms

「Nordstromの包括的なゴールは、毎日お客様一人ひとりの信頼を勝ち取り、顧客満足度を向上させることだ。我々のストラテジーは誰にも負けない素晴らしい体験をお客様に提供することである。」

とNordstrom会長Enrique Hernandez, Jr.氏は2013年度のAnnual reportで語った。

お客様の習性やトレンドを読み、いち早く実践、顧客満足度を向上させるとともに新しい体験を提供する。そしてあらゆるチャネルを模索し、統合する。同社の戦略が近年の躍進を支えている。さらにHernandez氏は同レポートで

「Eコマースへの投資、アウトレットストア拡張、テクノロジー・イノベーション・将来性への投資。それらは“上等なリテーラーに期待する体験”をお客様に届けることを手助けしてくれる。」

と述べている。Nordstromが今後どのようなテクノロジーや手法を取り入れ、どう使いこなすのか。同社の動向にこれからも目が離せない。

 

▼参照

日本とシアトルのスタートアップのためにプラットフォームを構築し、相互の経済発展に貢献する「Arch for Startup」

●URL(http://www.archforstartup.com/

●Facebook(https://www.facebook.com/arch4startup

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