成長し続ける米国2大百貨店が切り開くオムニチャネル事例

WRITER : 志積 由香子

  オムニチャネル

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昨今ダイレクトマーケティングが賑わいを見せている。その背景には、情報通信技術の飛躍的な進歩により、リアルタイムで大規模データの高速処理が可能になったことや、デジタルデバイスの普及がある。MMD研究所によれば、2014年4月の国内スマートフォン保有率は56.5%に及んでいる。

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企業はダイレクトマーケティングの進展により、顧客層に応じて最適化された情報を届けたい時に届けることができるようになった。

今回はそのダイレクトマーケティング立国であるアメリカに焦点を絞り、それらを活用したオムニチャネル施策に取り組む2大百貨店の事例を紹介する。

ダイレクトマーケティングの変遷

今話題のダイレクトマーケティングの起源は、1960年代のアメリカに遡る。ダイレクトマーケティングの父と呼ばれる、レスターワンダーマンにより提唱されたマーケティング手法である。

具体的には、企業が想定消費者を選定して、個別に具体的なアプローチをする。その結果生じる消費者のリアクションに応じて、関係構築を進めていくのだ。

黎明期には、主に訪問販売の場面で取り入れられていたダイレクトマーケティングも、今日ではテクノロジーの飛躍的な進歩によって、新しい意味を持つようになった。そして、オムニチャネルへと発展してきているのだ。

 

米国百貨店メイシーズにおけるオムニチャネル事例

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米国百貨店におけるダイレクトマーケティング施策の先駆者といえば、安価に高品質の商品を提供するメイシーズである。広大なアメリカ国内において、エリアごとに多種多様な消費者ニーズを汲み取り、最新テクノロジーを活用した独自の施策を打ち出して、創業150年を超える今も成長をし続けている。

例えば2008年には、実店舗とECサイト、モバイルサイトとの連携や統合を進め、更に2012年にはオムニチャネルの担当を専任する役員を設けて、ERPの抜本的改革に乗り出した。Facebookの活用にも注力し、現在では1400万人のファンが日々の更新を楽しみにしている。(2014年10月10日現在)

メイシーズが取り組む具体的な3つの施策

①「My Macy’s」の打ち出し

・北米全土を消費者のニーズに合わせて、顧客層ごとに8エリア69区画に区分

・各区画の消費者のニーズを取得して、それらを分析することによりサービスの最適化を図る

②店員がタブレットで来店者に代わって商品の在庫確認

・店員が消費者から離れることなく、店舗での在庫を確認することが可能

・ECサイトからの取り寄せの可否や、競合店舗での価格を検索することも可能

③スマホアプリで来店時にクーポンを配信

・来店時に自動的にクーポンを付与

・時間制限クーポンで消費者の気持ちを掴む

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米国百貨店ノードストロームにおけるオムニチャネル事例

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18年連続で「働きたい会社100選」にランクインしているノードストローム社は、2013年1月期に、前期比12.1%増の117億ドルと過去最高の売上高を記録した。

創業100年を超えて成長を遂げる老舗百貨店は、絶対に「NO」と言わない接客が有名だ。

例えば、丁度合うサイズの服が近隣の店舗を含めて品切れだった時に、店員の自己判断で競合店から同様の服を購入し、困っていたお客様へ値引き価格で販売をするなど、語り継がれる接客レベルの高さには枚挙に暇がない。

そんなノードストローム社で実施されるオムニチャネル施策は、試着室にタブレットを設置するという試みだ。このことにより、消費者は試着後にわざわざ店員を呼ぶ煩雑さや恥ずかしさがなくなったり、服のサイズ、色の種類毎の在庫状況を手元のタブレットで検索できるようになった。さらには消費者が今いる店舗を含む近隣店舗の商品状況を検索することもでき、顧客体験の最大化を追求している。

企業の流儀や哲学が反映されたオムニチャネル施策を目指す

これらの成功しているオムニチャネル施策には、その企業の流儀や哲学が存在している。

今回紹介したメイシーズは、アメリカ全土におけるエリア別消費者ニーズを分析することで、個々の消費者に適したサービス提供に努めている。

一方、ノードストロームは、お客様にとって快適な購買体験を提供できるように、スマートデバイスの置き場所に拘った施策を進めている。

日本国内の小売企業各社もオムニチャネル施策に取り組んでいる。各企業が大切にしてる哲学が施策として落とし込まれると、企業間同士の差別化に繋がるだろう。私たち消費者は、一律にクーポンを配信するという施策ではなく、これからは各社各店舗ごとのユーザーの属性にカスタマイズされたサービスに期待したい。

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