4ヶ月でEC購入件数1.5倍!トイザらスに学ぶオムニチャネルの本質

WRITER : 野田 勝

  オムニチャネル

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本日から師走である。12月と言えば何と言ってもクリスマスだ。お子さんを抱える家庭では、クリスマスプレゼントにおもちゃをせがまれることも多いだろう。

一昔前は、クリスマスシーズンともなると人気のおもちゃ、ゲームは売り切れ。それでも子供の願いを叶えるべく、店舗をはしごしてなんとか目的の商品を手に入れる、といったことも日常茶飯事だった。

一見微笑ましい光景であるが、これでは例えばある店舗に商品を買いにきた顧客が、品切れの商品を求めて他店舗に流れてしまうということが頻発していた。

日本トイザらスが取り組むシームレスなオムニチャネル戦略

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引用:Times Squareのトイザらス

この需要と供給のギャップを埋めるべく、日本トイザらス株式会社(以下トイザらス)は、今年の7月末に自社ECサイトをリニューアルし、実店舗とのポイント連動や店舗からの在庫切れ商品申し込みなどの機能を追加した。

これらに加えて同社では既にECで注文された商品をユーザの近隣店舗から発送する「シップ・フロム・ストア」や、ECで注文した商品を実店舗で受け取る「イン・ストア・ピックアップ」などの仕組みも取り入れており、店舗での販売機会ロスは最小化され、顧客の利便性は大幅に向上した。

このように、オム二チャネルが目指すべき、オンライン・オフライン問わず、すべてのチャネルで同水準のサービス・情報を提供し、店舗・自宅のどちらでも商品受け取りが可能なシームレスな体験を実際に提供しているのが日本トイザらスなのである。

実店舗の連携で、自社ECサイトの購入件数は約1.5倍に!

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引用:公式 トイザらス・ベビーザらス オンラインストア | おもちゃ・ベビー用品の通販

前述のようなオムニチャネル施策の結果、14年5-10月の6カ月間のサイトへの訪問数は、前年同期比70・1%増、ページビュー数は65・0%増、購入件数は54・3%増を記録した。

この飛躍には、今回のリニューアルで新たに追加された「在庫切れ商品申し込み機能」が大きく貢献していると考えられる。

店頭で目的の商品が品切れだった場合、店舗内に設置されているストア・オーダー・システムの専用カウンターで自社ECサイトにアクセスし、商品を注文できるようになったため、ECサイトへのアクセスは自然と増加する。しかしこれだけでは、一見実店舗での売上げが、ECサイトへと流出しただけのように見える。

しかし、実際はそうではない。冒頭でも述べたように、本来顧客は店頭で目的の商品が品切れだった場合、他店舗に向かうほかなかった。その場合、本来その店舗に計上されるはずだった売上げが、競合へと流出してしまっていた。その販売機会ロスを未然に防いでいるのがトイザらスのオムニチャネル戦略のポイントである。

また、ECサイトへのアクセスが増えるにつれ、SEO(検索エンジン最適化)に強くなり、実際に検索で上位に表示されやすくなってきている。結果としてECへのアクセスが増加する好循環が生まれ、オンラインとオフラインを合わせた全体の売上げのパイが広がることが予想される。これぞまさにオムニチャネルの目指すべきものであり、トイザらスはその成功事例といえるだろう。

トイザらスの実例から学ぶべきオムニチャネルの本質と課題

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引用:これからは「個客」中心のマーケティング、オムニチャネル戦略

トイザらスのオムニチャネル施策は、全ての販売チャネルで情報・サービスを同水準で提供することを目指している。実際、トイザらスの副社長石橋善一郎氏は、「オンラインでもリアルでも同じものが扱っていることが大事。お店に来て初めてできることとはあるが、ECでも同じようにしなければならない」と語っている。

オムニチャネルというワードが世を賑わし出してから久しいが、EC≠オムニチャネルであるということを理解しなくてはいけない。オムニチャネルにおいては、全ての顧客接点で同様の情報・サービスを提供することを目指さなくてはいけない。

上記の図は、顧客が商品を認知してから購買に至までの過程を図式化したパーチェスファネルである。オムニチャネルの理想は、上記の購買に至る全ての過程を、全ての販売チャネルで可能にすることである。

例えば実店舗で商品を目にして、ネット上で商品情報を検索し、同じくネット上で他店舗との商品価格を比較検討し、購入は実店舗で行う、といった具合に、商品の購入に至るまでの過程で、ネットとリアルを行き来するイメージである。

このときに課題となってくるのが、ネットとリアル店舗の間の情報及び在庫のギャップだ。

仮に店舗では3万種類の商品をストックしてあるのに、オンライン店舗では2万点しか対応していなかったとしよう。すると、オンライン店舗とリアル店舗の間に、1万点の商品の情報と在庫のギャップが存在するということになり、シームレスな商品比較検討や購買が行えないということになる。

実はトイザらスでもこの点が課題となっており、現状ではトイザらス・ベビーザらスのECで扱っているのは「実店舗の小型店程度」の商品数にとどまっている。この課題を今後どう克服していくかが、トイザらスのオムニチャネル施策の命運を握っていると言っても過言ではないだろう。トイザらスのオムニチャネル施策は継続して観察していく必要がありそうだ。

 

▼参照

EC・リアル店を融合するオムニチャネル化へ 日本トイザらスの挑戦

〈日本トイザらスのオムニチャネル戦略〉 店舗連動が奏功しECに成果/サイト訪問数は1.7倍に拡大

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