引用元:ソシャマノートブログ「東急ハンズのソーシャルメディア活用!「ユーザーも楽しめるキャンペーン」3つの事例【勝手にプロモ予習編】」
4/15(火)、株式会社宣伝会議のアドタイ・デイズに参加してきた。数々のセミナー、展示会のなかでも、今回は株式会社ユナイテッドアローズ 上席執行役員 事業支援本部長 佐川 八洋 氏と、株式会社東急ハンズ オムニチャネル推進部 オムニチャネルコマース課 緒方 恵 氏による「OtoOはクーポンばらまき?流通小売りとデジタルメディアの良い関係」について聴くことができた。
パネラー紹介
株式会社東急ハンズ 緒方 恵 氏
東急ハンズのウェブディレクター兼ソーシャルメディアストラテジスト。ネットストアの運営管理・マーケティング及びtwitter・facebookなどのSNS運営管理、戦略設計、アプリ開発を担当。直近では店舗連動システムを備えたネットストアのリニューアル開発を担当。現在はその店舗連動を更に促進させるための新システムの開発に携わっている。
出典:アドタイ・デイズ セミナーの案内
前回のおさらい
【講演】ユナイテッド・アローズ×東急ハンズ「OtoOはクーポンばらまき?流通小売りとデジタルメディアの良い関係」~東急ハンズ編東急ハンズ編(1/2)~
品揃えと接客の良さから、絶大な信頼を得ている東急ハンズ。しかし、だからこそ、求めている商品が手に入らなかったときのお客様の“がっかり”も大きい。そこで、東急ハンズでは、ネットストアで各店舗の在庫状況を確認できるシステムを構築した。在庫がない場合は、他店から取り寄せることもできる。
さらに、オンラインでも東急ハンズらしい“おもしろいもので溢れている”感覚を再現するため、購入されたものをリアルタイムに表示するレコメンドを作った。
オンライン事業を促進するうちに、徐々にネットチームの社内でのあり方に変化があり、課題が見えてきた。「店舗との強固な関係(デベロッパー含む)構築」「データ整理」「物流整理」の3つが挙げられる。
これから予想される実店舗の様子
大量に購入されるお客様の中には、まとめて郵送を希望される方もいる。その時、「店舗との強固な関係(デベロッパー含む)構築」が築けていれば、「まとめてオンラインから注文しておきますね」という台詞が生まれるかもしれない。
一部のスタッフは、ITコマースからオムニチャネルに部署名が変わったことで、ネットに興味を持ち、「オムニチャネル」を調べてくれたそうだ。緒方氏は、お客様の「ネットで見たんですけどー」という会話こそが、実店舗においてネットへの理解を深めると語った。ネットマーケティングチームが、どれだけ会話を増やせるかに課題解決のヒントがあるのかもしれない。
オフからオンへの送客
ネットストアを中心に紹介してきたが、実は、最も注力しているオンラインサービスは、3つのtwiterアカウントだ。①人アカウント(@TokyuHands)はお問い合わせ用、②物アカウント(@HintMarket)は広報用、③事アカウント(@HandsNet)は商品情報と、それぞれに特化した特徴がある。この他にも、池袋店(@Hands_Ikebukuro)や新宿店(@Hands_Shinjuku)など、全国の一部店舗別のアカウントも存在する。
twitterでやっていることも、リアル店舗同様、”接客”につきる。リプライに対して、まめな返信を返すことで、お客様との信頼関係を強くしている。
課題について話す前に、現在のオムニチャネルにおける消費者の購買行動を、ASPRA(アスプラ)※1というフレームワークにあてはめてみる。
Recieve、Afterにはかなり力を入れているが、Attention、Selection、Purchaseはまだまだだ。特に今後は、twitter以外のソーシャルでの接点を増やすことでAttentionを強化することが今一番の課題だ。
オンラインでも、接客が第一
オンライン事業に注力している東急ハンズには、もちろんソーシャルガイドラインがある。しかし、困ったときは接客マニュアルを参考に、と言い切るほど、”接客”であることにこだわっている。
オンライン・オフライン毎の接客では、充実したものを作り上げてきている。次なる課題は、オフラインからオンラインにどうやって人を送るかである。現在では、店頭で接客したお客様をネットに誘導し、その結果お買い上げに繋がった時の、店員の評価方法が存在しないため、オフラインからオンラインへの方向に苦労している。店舗ではなく、ハンズ全体の売上として考えてもらう認識の整理が必要だと感じているそうだ。そのためにも「データ整理」「物流整理」は必須だろう。
今後の試み
オンラインの強化にあたり、コンペティターとしているのは、「ヨドバシカメラ」「良品計画」そして勿論、「ユナイテッド・アローズ」。ヨドバシカメラの24時間店頭受け取りに負けないサービスを作り出すことを期待したい。
次に挑戦してみたいことは、快適なお買い物を提供していくために、レジに並ばない決済をつくりだすことだ。スマーとフォンでの決済は、時短になるものの、気持ち悪いと思う人もまだ多い。
更に、店舗版googleアナリティクスのような機能を導入して、よりお客様に届きやすいサービスを提供してみたいそうだ。店外でも、スマートフォンからの位置情報をもとに検索、すぐに地図+在庫状況を確認できる機能など、店舗の強みを活かせる施策を実現させたいとのことである。
次回は、これまで4回にわたってお送りしてきた「【講演】ユナイテッド・アローズ×東急ハンズ「OtoOはクーポンばらまき?流通小売りとデジタルメディアの良い関係」」を通して、ユナイテッド・アローズと 東急ハンズの総まとめを配信!(5/16配信予定)
参考:OtoO MarketingLab 『ネットとリアルをシームレスに~東急ハンズのO2O戦略とは~』
※1株式会社Leonis & Co.の作成したフレームワーク