引用元:ZOZOTOWN
4/15(火)、株式会社宣伝会議のアドタイ・デイズに参加してきた。数々のセミナー、展示会の中でも、今回は株式会社ユナイテッドアローズ 上席執行役員 事業支援本部長 佐川 八洋 氏と、株式会社東急ハンズ オムニチャネル推進部 オムニチャネルコマース課 緒方 恵 氏による「OtoOはクーポンばらまき?流通小売りとデジタルメディアの良い関係」について聴くことができた。
パネラー紹介
株式会社ユナイテッドアローズ 佐川 八洋 氏
1987年4月 株式会社ワールドへ入社。1996年3月 ㈱ユナイテッドアローズに入社。情報管理部、営業推進部、人事部などの部門長を経て、2008年6月より現職。現在は上席執行役員 事業支援本部長として、物流、情報システム、店舗開発、お客様相談室、CRM、EC、WEBなど、事業支援部門を管掌。
出典:アドタイ・デイズ セミナーの案内
また、お店に来てもらうには?
いち早くO2Oを手がけ、注目を集め続けるUNITED ARROWS(以下UA)。さて、小売業界には「再来店を促す」という課題がある。その解決策の代表例はクーポンだが、クーポンの配り過ぎはブランドに傷がつく原因となりかねない。講演の中では、「安易にクーポンに手を出すのではなく、そもそも、クーポンが必要な店なのかどうか、一度立ち止まってほしい」という話もでていた。では、UAによる再来店促進の取り組みとは、どのようなものだろうか。
オンラインとオフラインの垣根をなくすUAの取り組み
何度も再来店するお客様、とはどのようなお客様だろうか。それは、2回目の来店に至ったお客様だ、と佐川氏は言う。そこでUAでは、店舗で「ハウスカード(百貨店などが顧客サービスのために発行している、割引などの特典付き自社専用カード)」を活用し、再来店を促す施策を立てた。
またここ数年は、オンラインに力を入れている。ネット上での売上はなんと全体利益の11%を占め、その額は総額1,500 億円にのぼる。
元々、ZOZOTOWNを通じて伸ばしてきたオンライン事業だが、2009年、「UNITED ARROWS LTD. ONLINE STORE」を開店。独自アプリもリリースし、更にオンライン事業に拍車をかけた。
オンライン事業の中でも、「UNITED ARROWS LTD. ONLINE STORE」は、UAの24時間365日開いている店舗として捉えられている。一方ZOZOTOWNはルミネ、パルコに代表されるような、チャネルとしての存在だそうだ。今回は、「UNITED ARROWS LTD. ONLINE STORE」について触れよう。
UAは、可能な限りの実店舗サービスを再現をすることが、オンラインでの商品購入に繋がると考えた。したがって、「UNITED ARROWS LTD. ONLINE STORE」の特徴は、以下のとおりである。
・店舗で買う時に余計な手数料はかからないため、送料無料。
・返品は7日間までOK。
・UAのほぼ全商品を取り揃えている。
・「最寄り店舗の在庫状況が1時間おきに更新され、その状況が確認できる」システムを導入することで、オンラインで商品を見た後で実店舗へ行き、手触りやサイズ感を確かめることが容易になる。
・UNITED ARROWS green label relaxing5店舗で、店舗への商品取寄せ機能のテストを開始。(2014年3月31日〜)
特徴的なのは、UNITED ARROWS green label relaxing5店舗での、商品取寄せ機能だろう。このシステムがあれば、オンラインの盛り上がりに合わせ、オフラインも活性化する。店頭では、「この前届いた商品をお願いします」という新しいコミュニケーションが生まれることだろう。
感想
オンラインとオフラインを”つなぐ”O2Oだが、成功の秘訣は、全てにおいてオンラインとオフラインの”垣根を取り払う”ことにあると感じた。この意識は、アパレル業界に限らず、あらゆる業界に当てはまることだろう。オフラインを活性化させるためにオフラインが、またオフラインを活性化させるためにオンラインがある。この相互作用を生み出すO2Oが今後沢山生まれることを期待したい。
次回、UAの目指す今後について「【講演】ユナイテッド・アローズ×東急ハンズ「OtoOはクーポンばらまき?流通小売りとデジタルメディアの良い関係」~UA編その2~」 に続く(5/13配信予定)。