今月の国内小売O2O事例5選

WRITER : Editorial department

  オムニチャネル

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

2014年4月2日には、広告代理店のオプトがオムニチャネル専門の子会社の設立を発表するなどO2O・オムニチャネル関連のニュースが増加している。今回は4月初旬に発表された小売企業が提供するO2O・オムニチャネル事例と、小売業向けのO2O・オムニチャネルソリューションをまとめて紹介する。

オートバックスがO2Oを強化。全国500店舗でネットからの来店者増加狙う

1_O2Oまとめ_000

出展:株式会社オートバックスセブン ホームページより引用

カー用品最大手チェーンの「オートバックス」を運営する株式会社オートバックスセブン(以下オートバックス)は、ネット通販と実店舗との連携を強化しO2Oに力を入れる。オートバックスは実店舗に加えて、自社サイトでも商品販売を行っている。ネットショップでは通常店舗の約4倍にあたる97,000商品を取り揃え、ニッチな商品も扱っている。販売機会が少ない商品であっても、多く取り揃えることで合計としての売上を大きくする「ロングテール」施策だ。ネットで取り扱う商品数は、2013年3月末には約58,000商品であったが、2014年3月までに約97,000商品と約1.7倍になった。またネットで購入した商品を店舗で受け取る場合は送料を無料とし、店舗への送客も行う。カー用品は車への取り付けが難しいことから、ネット購入者の7割が店頭で受け取るといった集客効果が現れている。リアル店舗の強みを活かしたネットショップとの連携で、ネット専業企業に劣るネット部門の売上を伸ばしたい考えだ。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ100G4_R10C14A4000000/

開始5ヶ月で200万ダウンロードの「WEAR」。バーコードスキャン機能中止

1_O2Oまとめ_003

出展:株式会社スタートトゥデイ プレスリリースより引用

株式会社スタートトゥデイ(以下スタートトゥデイ)が提供する、アパレル店舗で商品のバーコードをスキャンすることで、商品情報やコーディネートを確認できるスマートフォンアプリ「WEAR」。サービス開始から5ヶ月で200万ダウンロードを達成し、「PARCO」で導入されるなどの実績がある。しかし、2014年4月30日をもってバーコードスキャン機能を終了し、店頭でスタッフとの接客ツールとしてのみ活用されることが発表された。背景には、店舗で商品を確認した後で、ネットで安い商品を購入する「ショールーミング」を懸念する店舗があり、「PARCO」以外で導入が進まなかったことも要因と見られる。店舗従業員や店舗が入る商業施設の理解を得ることの重要性が証明された形だ。ところで、アパレル業界の大手「ユナイテッドアローズ」を運営する株式会社ユナイテッドアローズ(以下ユナイテッドアローズ)も、実店舗と自社ネット通販「UAオンラインストア」の間で送客を強化して来た。例えば連携強化にあたり、在庫管理と売上責任を同じ事業部に持たせた。そして両者の利害を一致させることに注力することで、ネット通販を軌道に乗せた。一方今回紹介した「WEAR」を提供するスタートトゥデイと「PARCO」を運営する株式会社パルコ(以下、パルコ)は異なる企業である。そのため、ユナイテッドアローズの自社内O2O施策に比べ、実店舗のO2Oに対する理解が必要であった。ネットとリアルの利害を一致させるという観点から見ると、今回のバーコードスキャン機能中止は妥当な決断ではないだろうか。

http://www.starttoday.jp/wp-content/uploads/2014/04/Release_WEAR_scan_20140408.pdf

NTTデータの「BizXaaSオムニチャネル」が「popinfo」と連携。複数チャネルへ最適な情報配信が可能に

1_O2Oまとめ_002

出典:株式会社アイリッジ ホームページより引用

2014年4月15日、NTTデータが有す複数チャネルの顧客情報を一元管理できるクラウドサービス「BizXaaSオムニチャネル」が、株式会社アイリッジが運営するB2Bサービス「popinfo」との連携を発表した。「popinfo」は、スマートフォンアプリに組み込むことで、場所・時間・人の属性を指定し、アプリ利用者へプッシュ通知を発信することができるASPサービスだ。例えば、 あるスーパーが30代主婦に対してPRを行うとする。その場合、10時から12時にスーパーの周囲1kmにいる30代の女性を指定して、ポップアップで告知を行うこともできる。既存のスマートフォンアプリに組み込むだけで利用できることから、0からアプリ開発をする場合に比べて、開発コストが削減できる。また、最短2週間と短期間で導入が可能だ。今回の連携で、「BizXaaSオムニチャネル」は、その顧客情報を活かした販売促進や集客が可能となる。既に「GU」や「ぐるなび」のスマートフォンアプリへの導入実績がある「popinfo」。中国でも代理店を通じた販売が開始されるなど、O2Oサービスの普及に伴いさらなる導入が予想される。

http://markezine.jp/article/detail/19715

ヤマダ電機「顔パス決済」はじめる。「ショールーミング」の流れを巻き返すか

1_O2Oまとめ_004

出典:PayPal サービス紹介サイトより引用

2014年4月3日から30日にかけて、顔パス決済ができる「ペイパルチェックイン支払い」をヤマダ電機LABI渋谷店にて、テスト導入するとヤマダ電機が発表した。初期導入にかかる費用は専用カードリーダーの購入費のみで、価格は1個あたり1,300 円。顧客はPayPalのスマートフォンアプリを事前にダウンロードし、顔写真とカード情報を登録する。顧客が位置情報を元に店舗へチェックインすると、店舗に来店が通知される。商品を購入する場合は顔写真と名前を確認するだけで決済が完了する。今回の試験を経て、1年ほどで全国の店舗に「顔パス決済」が導入される予定だ。顧客にはレジで待たされずに買物できるメリットがある。店舗には、レジ人員を減らし、接客人数を増やせるメリットがある。加えて、将来的にPOSデータとの連携が進めば、購買データを元に的確な接客を行い、より満足度の高い店舗体験を提供することも可能となるだろう。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20140402/547884/

オプトがオムニチャネル専門の子会社「コネクトム」を設立

1_O2Oまとめ_001

出典:株式会社コネクトムのホームページより引用

2014年4月2日、オプトがオムニチャネルを専門とする子会社「コネクトム」設立を発表した。2013年には、オプトは米国のO2Oソリューション「Retailigence」の日本総代理店となり、社内にO2O専門の組織を作るなど、O2Oソリューションの提供に力を入れてきた。「Retailigence」とは、実店舗への集客を促進するO2Oソリューションだが、実店舗の商品や在庫データが格納されたデータベースとスマートフォンの位置情報から、ターゲットとする消費者へコンテンツの自動配信を行うもので、米国では10万店舗以上への導入実績がある。今回のコネクトム設立は、O2O事業強化を目的として、社内のO2O組織を独立させた形だ。今後は、スマートフォンの位置情報・店舗の商品・在庫情報から、リアル店舗の商圏内にいるスマートフォンユーザーに向けて自動広告配信などを行う「オムニチャネルマーケティング支援サービス」や、最も現在地に近い実店舗を一括検索できるスマートフォンアプリ「ショッピッ!」などを中核に、マーケティング支援から集客までのサービスを流通小売店へ提供する。

http://www.opt.ne.jp/news/pr/detail/id=2258

まとめ

・傾向として、O2Oの集客効果に注目が集まっている。
・O2Oで集客を強化する施策を強化する企業が2社(オートバックスセブン、ヤマダ電機)
・小売企業が対象のO2Oソリューションを強化する企業が2社(NTTデータ、オプト)
・「WEAR」のバーコードスキャン機能中止を考慮すると、今後は、O2Oで集めた顧客を購買まで繋げることが重要になると予想。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

各種お問い合わせはこちらから

  • マーケティング資料請求
  • お問い合わせ
  • 会社資料請求

あなたにオススメの記事

  • 人工知能の全貌に迫る!人工知能の活用事例10選

  • 今、数々のファッションブランドが飲食業界への参入を急ぐ理由

  • シリコンバレーの大企業が注目するグラフデータベースとは?その魅力に迫る!

  • どうなる3Dプリント業界? "幻滅期"を抜け出すカギはどこにあるのか

  • 【連載企画】今世界で注目を集める「ディープラーニング(Deep Learning)」とはなにか

  • 【連載企画】いま、ファッション業界でIT革命が起きている

  • シリコンバレーの天才達が土日も休まず働く理由

  • もし桃太郎が現代のWebマーケティングで鬼退治をしたら