O2O業界を牽引するアイリッジ!創業から上場まで、成長の裏側に迫る

WRITER : 柏倉 明郎

  オムニチャネル

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株式会社アイリッジ(以下、アイリッジ)をご存知だろうか。

O2Oの2015年の市場規模はNRI Knowledge Insightによれば43.8兆円と推測されている。企業のO2Oに対する関心が高まる中、O2Oやオムニチャネルのトレンドを先取る国内先進企業がアイリッジである。アイリッジは「インターネットを活用して世の中に新しい価値を創り出していきたい」という思いから、代表取締役 小田健太郎氏(以下、小田氏)によって創業された企業である。現在はインターネットの活用により継続的に世の中へ価値を提供していくため、スマートフォンアプリケーションサービスやO2O、位置情報プッシュ通知などのネットサービスを開発提供している。そして2015年7月16日には、東証マザーズへの上場を果たした。

今回は、他社とは一線を画したO2Oサービスを展開する、アイリッジ小田氏へのインタビューを行った。O2O市場の今後の展望や、ここでしか聞くことのできない創業時の逸話をご紹介したい。

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入店時の個人認証が当たり前に?小田氏の描くO2Oの未来像とは?

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O2Oの未来に関して小田氏は次のように語る。「O2Oは企業と消費者のコミュニケーションです。今後デバイスはスマホから、時計やGoogle Glassのような媒体に変化していきます。デバイスが変化しながらも快適なコミュニケーションを消費者が受け取れるように、常に新しいデバイスを使いながら改良していくべきだと思います。またアパレルなどの小売店では、まるで”マイノリティ・リポート”で描かれる世界観のように、入店時に個人を認証するのが一般的になってくるでしょう。」

さらに小田氏は、今後のO2O分野の技術やサービスにおいて、スマホ決済やDMP(データマネジメントプラットフォーム:インターネット上に蓄積されるビッグデータを一元的に管理・分析し、広告配信などのアクションプランの最適化を実現するためのプラットフォームのこと)に注目している。アイリッジは、スマホ決済の分野で「シーレス(C-less)」というスマートフォン決済サービスを提供している。またDMPに関しては、デジタルマーケティング分野でのスマートフォン向け位置情報連動型サービスの提供に向け、京セラコミュニケーションシステム株式会社と業務提携した。両社が得意とするオンラインやオフライン向けサービスをハブとして統合することで、消費者一人ひとりの「今の」状況に応じた適切なメッセージを適切なチャネルから配信することを目指している。

▼参照

京セラコミュニケーションシステムと業務提携し、新サービスの提供を開始

 

O2O業界の課題はスマホ対応!アイリッジの先進的な取り組みとは?

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引用:株式会社アイリッジ

O2O業界の課題について、小田氏はどのように考えるのだろうか。「企業・店舗と顧客とのコミュニケーションを、スマホを活用して快適に行えるような世界をつくりたいと考えています。そのためには、スマホによるコミュニケーションのサポートを通じて、売上向上につながるサービスをつくる必要があります。O2Oの取り組みへの注目度は高まっておりますが、スマホを活用した集客・販促・接客への対応がこれからの追いついていない企業がまだ多くあります」このように、小田氏はスマホ対応の必要性と、まだスマホ対応が追いついていない企業が多い現状について話してくれた。

アイリッジは、もともとジオフェンシングのサービス(特定ユーザーがスマートフォンを持って特定エリア内に出入りする際に、店舗内のセールス情報を届けるO2O販促情報サービス)からスタートしており、O2Oにおけるスマホ活用には実績がある。

アイリッジが手がけたGUのO2O戦略を例に挙げて紹介したい。GUのキャンペーンでは、スマホを5回振ると1000名に「990円ジーンズ」が当たるサービスや、GUのロゴや看板をスマホアプリのカメラにかざすと100円クーポンが当たるサービスを展開し、効果を上げている。また、GUのチラシをアプリで配信することで、チラシの配信数を増やすと同時に、ユーザーのリアル店舗への誘導に成功した。これがアイリッジの「スマホによるコミュニケーションサポートを通じて、売上向上」を実現させるためのサービス例である。

▼参照

チラシのないGUのO2O戦略とは

 

基本に基づいた枠組みで考える、小田氏の課題解決戦略とは?

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引用:【iBeacon】メジャーリーグのスタジアムで採用された顧客の利便性を高めるサービス2013

小田氏はアイリッジの提供するサービスについて、何を大事にしているのだろうか。「顧客やユーザーの声を直接聞くことで、サービスを進化させたいという想いがあります。面白いソリューションを提供することではなく、徹底して顧客とユーザーの立場に立ち、顧客企業の売上につながり、ユーザーの快適さを向上させるソリューションを提供することに努めてきました。顧客とユーザーの立場に立って考えてきたからこそ、アイリッジのサービスのみを利用した販促提案を行うだけではなく、O2Oコンサルティングやスマートフォン以外でのデジタルマーケティングソリューションとも関連付けたサービスも行ってきました」小田氏は顧客とユーザーの立場に立って、サービスの提供を行う大事さを語ってくれた。

このように、顧客とユーザーに寄り添い、効果につながるソリューションを追求する小田氏だが、困難なときでも基本的な枠組みに基づいて考えることを大切にしている。効果を出すまでの最大の困難について、小田氏は次のように語る。「例えば、アプリユーザーが少なければ、どんなに施策の効果が高くても、絶対値としてのインパクトが薄くなってしまいます。O2Oを通じて効果を出すために必要な課題を一つ一つ潰しながら、サービスを成長させてきました。」

また小田氏は、事業を成長させるための戦略を練る際、共通した考え方を持っている。その点について次のように話してくれた。「基本に基づいて、ヒト・モノ・カネの枠組みで事業の課題をとらえることです。そして、ヒト・モノ・カネのバランスを維持しながら規模を拡大することが大事です。創業当初は会社の規模も小さかったのですが、優秀な仲間を集め、顧客に寄り添ったプロダクトをつくってきました。その後、成長の過程で資金がなくなれば資金を集めて、また仲間を集めてプロダクトを強化するというサイクルを繰り返してきました。」

▼参照

ICTがもたらす世界規模でのパラダイムシフト

 

チームマネジメントと若手登用、小田氏が考える組織づくりとは?

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引用:ipo-win.com

先日上場したアイリッジだが、上場を決意した背景には何があったのだろうか。小田氏は上場決意への心境を話してくれた。「O2O市場が伸びていることを考慮に入れ、上場すれば知名度や信頼度の観点から、会社の成長は断然早くなります。会社を成長させて世の中に価値を創り続けることがアイリッジの使命であると考えているので、上場を決意しました。」

上場まで果たしたアイリッジであるが、小田氏がたった一人で経営していた時期もあるという。組織が大きくなる中で、小田氏は意識している組織像について次のように語っている。「事業の急成長していく中で、人材は常に不足している状態となります。そのため、できるだけ早いタイミングで各メンバー、各チームに仕事を任せられるような体制を整えました。そして、積極的に若い人材も抜粋しながら、急成長する会社を担う組織を整えてきました」 スタートアップ企業は創業当時には資金的な余裕もなく、即戦力の人材を採用することができないという課題を抱えている。そのような中で、小田氏は積極的に若い人材を抜粋して、会社の中核を担うまで成長させることができたことが、今のアイリッジを支えているのだという。

 

「ちゃんとやれば勝てる」、創業から続く小田氏の想い

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引用:value-press.com

「コンサルティング時代の経験から、会社を成長させるために何が必要かを理解するように努めていました。5倍、10倍といった速度で会社を成長させるためには、タイミングを含めて様々な要素が必要となりますが、やるべきことをちゃんとやることで、着実なペースで会社を成長させることが出来ると考えています」と小田氏は語る。

着実なスピードで会社を成長させる小田氏からは、「やるべきことをちゃんとやれば勝てる」といった様子を見て取ることができる。会社の戦略を考える際においても、常に共通した考え方から着実に進めていく姿勢や、徹底的に顧客とユーザーの立場に立ったサービスを一つ一つ確実に提供していく姿勢からは、「ちゃんとやれば勝てる」といった信念を読み取ることができる。

「コンサル時にモバイルインターネットの領域に可能性を感じて、モバイル×マーケティングの領域で勝負することを決心しました。創業時には約半年間一人きりで会社を経営していたこともありました。創業時はコンサル事業で資金を稼ぎながら、開始するサービスの事業性検証の試行錯誤を繰り返し、事業を拡大させてきました」と創業当初のアイリッジについて小田氏は話してくれた。「ちゃんとやれば勝てる」という信念を抱き、上場後も着実なペースで堅実に成長していく、アイリッジの今後に目が離せない。

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