タクシー配車アプリをメイン事業として、世界にイノベーションを起こした「Uber」。創業5年で世界38カ国へ事業展開し、総額1.8兆円超の時価総額を叩き出したモンスター企業である。同社はこれまでタクシーの配車だけに留まらず、アイスクリームを届けるキャンペーン「Uber Ice Cream」を行うなど、様々な取り組みを行ってきた。
今回は新しく日用品をデリバリーするサービス「CORNER STORE」をワシントンDCのみ一部地域限定でテストリリースをした。最近も地域のランチ・デリバリー向けサービス「Uber FRESH」をテストリリースするなど、新たな取り組みに積極的なUberを追ってみよう。
引用元:CORNER STORE
▼参照
Tech crunch/Uber Corner Store Turns The Transit App Into A Delivery Service For Daily Staples
その日のうちに配達!O2Oサービス「CORNER STORE」
「CORNER STORE」とは、様々な日用品をクルマを配車するのと同じように、アプリをタップして注文し、その日のうちに配達してくれるサービスである。ハンバーガーやアイスクリームなど、Uberで販売される製品は世界的に増え続けているが、今回はショッピングページとして、お菓子、薬、サプリ、ベビー用品、バス用品など現時点でも100以上の製品を並べてテストリリースした。対応時間は、月曜から金曜日の午前9時から午後9時まで。現時点では、まだワシントンDCの一部での運用だが、本格的なお店と変わらない品揃えになりつつある。更に現在は、販売して欲しい製品の受付も行っているそうで、今後のその製品群の広がりも気になるところである。
引用:CORNER STORE
こちらがUberのサイト。赤ちゃん向け用品や石けんなど数種類の日曜品がリストアップされている。
▼参照
Corner Store Inventory List/Uber
タクシー配車アプリだけに留まらないUberの狙いとは!?
Amazonが、グローバルマーケットの再構築を進めてきたとすると、今Uberが狙っているのは、世界中のローカルマーケットを手中に納めようとしている。今回の一連の動きについて推測できるのは、世界中にUberのユーザを拡げた後、ユーザを囲い込む戦略を打ち出し始めているということではないだろうか。各国、各都市、各地域のお店の商品をスマホのアプリを使って、ユーザがタクシーの配車アプリと同じく現金を使わず簡単に購入できる仕組みを世界中に拡大しようとしている。また、その製品を仕入れる物流においても最適化を図り、今後どのようなシステムを導入し、広げていくかは非常に注目すべき点である。
引用:Uber
ローカルマーケットを狙うUberの動きに今後も注目
タクシーの配車アプリから、次なる戦略を実行に移し始めたUber。このサービスが拡大すれば、決済情報から地域の人々の購買履歴を逐次把握し、それに応じて、スマホのプッシュ機能で特売などキャンペーンの販促を仕掛けていき、ユーザの需要に沿った販売体制を取りながらシェアを伸ばしていくだろう。顧客データを得ることで、その属性に応じた展開も期待できる。例えば、地域によってよく売れる商品があれば、商品管理の最適化を図ることも可能になる。ユーザー側とUberはもとより、その周辺の日用品の提供企業側にとってもメリットのあるサービスである。次なる展開を見据えて新しいサービスを繰り広げるUberに今後も注目だ。
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