Forbes誌により、2015年のデジタルマーケティングに関する予測が発表された。
Forbes誌が20人のデジタルマーケティングのエキスパートにヒアリングし、その結果から導かれた2015年のデジタルマーケティングに関する6つの予測を紹介している。今回はその予測を紹介するとともに、2015年のデジタルマーケティングトレンドに迫りたい。
▼参照
1. コンテンツマーケティングの全盛期が到来する
引用:CONTENT MARKETING AND THE NEW MAINSTREAM
2015年はデジタルマーケティングにおいて、コンテンツの価値が最も大事な要素になる。
多様なマス広告やインターネット広告に触れてきたユーザーは、広告やマーケティング対して目が肥えてきている。そのため、デジタルマーケティングを考える際、いかにコンテンツがユーザーとのコミュニケーションを生むことができるかが焦点になる。これがコンテンツマーケテイングの基本的な考え方である。
見込み客となり得るターゲットを明確にし、ターゲットにあわせた適切で価値のあるコンテンツを提供していくことが重要である。
コンテンツマーケティングという概念自体は、10年ほど前から提唱されているものであるため、専門の記事やサイトが多数存在しているので参考にしていただきたい。
▼参考
http://dentsu-ho.com/articles/1532
2. マーケティング・チャネルのオムニチャネル化が進む
引用:Three reasons consumers will cross channels for content
2015年は、ユーザーが商品に興味を持って、コンバージョンにいたるまでの経路が分析されるようになる。オンラインとオフラインの垣根がなくなり、オムニチャネル化が進むことで、ユーザーが時間や場所を選ばずに購買をするようになる。その結果、チャネルを超えた顧客行動分析を通じ、顧客が商品に興味を持ってから、コンバージョンにいたるまでの動機や関心などを知ることがますます重要になってくる。
2015年はチャネルを超えて顧客データを収集し、ユーザー1人1人にターゲティングしたマーケティングが広がっていく。
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3. モバイルが他のデバイスを凌駕する
モバイル端末を利用するユーザーが増加し、今やモバイルがデジタルマーケティングに与える影響の大きさは無視できないものになってきている。2015年、その影響力は更に加速するとみられている。
今後はデバイスの垣根を超えたコンバージョンの計測、ユーザー行動の分析が重要になってくる。これからの時代は、同一のユーザーであっても、実店舗、PC、モバイルなど、異なるチャネルを使い分けて購買を行う形が主流になっていく。このようにチャネルを跨いだ購買行動を一元的にトラッキングし、ユーザーのことをより深く理解することが求められていく。
4. データに基づいた的確なターゲティングが広まる
モバイル決済の普及により、顧客の購買情報や位置情報など、より多くの顧客データが取得できるようになってきた。
こうした背景の中、インターネット広告やSNSの効果測定も、幅広い側面のデータによって計測されるようになってきている。
これからのマーケティングキャンペーンは、データに基づき、最大の効果が期待できるターゲットを定め、最適なタイミングで実施することが可能になる。
5. ラガードがついにデジタルマーケティングに着手する
引用:6 Key Factors To Improve Your Company’s Digital Marketing
ラガードとは、イノベーター理論における用語で、革新的商品やサービスを最後になって受容する、市場全体で最も保守的な層である。2015年には、最も保守的なラガード層がデジタルマーケティングに着手し始める。この場合のラガードとは、主にB2Bの製造業を指している。
彼らがこれまで取り組んできたQRコードやテキストによるキャンペーン、スパムメールの配信に取って代わり、モバイルやPCといったプラットフォームの垣根を超えたキャンペーン施策や、動画を用いたリッチコンテンツが活用されていくだろうとForbes誌は予測している。
6. Google+が消滅する
2015年、50%の確率でGoogle+がサービスを停止するだろうとForbes誌は予測している。2014年の4月には、Google+を生み出したグーグル上級副社長のヴィック・グンドトラがグーグルを去り、Google+チームに所属していたメンバーの多くは、Androidのチームに移籍した。この異動をみても、グーグルがモバイルに力を注いでいることがわかる。
仮にGoogle+が消滅する場合、それはGoogle+がフロントサービスとしての機能を停止することを意味するため、今後はGoogleのアカウントを、ユーザーが一元管理するためのプラットフォームとなるはずだ。
最終的にはユーザーがコンテンツを選択する
最終的にはオンラインにおいても、ユーザーのエンゲージメントと、データにもとづいた効果検証が重要になってくる。取得できるデータが増えれば増えるほど、それを効果的に活用することは困難になるが、その困難を克服し、適切なユーザーへターゲティングし、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを配信できるかどうかが、2015年のデジタルマーケティングを制する鍵を握る。
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