引用:salon.com
これまで人々の音楽の楽しみ方は、時代によって変化してきた。レコードからCD・MDへと変化し、ウォークマンが主流となった。その後iPodが登場し、それまでの音楽の楽しみ方は一変し、人々はCDを購入するのではなく、データをネット上で購入したり、YouTubeの視聴を楽しむようになった。同時に違法ダウンロード問題が騒がれるようになり、現在に至っては音楽の楽しみ方のさらなる変化が見られる。
今日では、毎月一定の料金を払うことで、音楽を自由に楽しむことができるサービスが相次いで始まっている。定額制音楽配信サービスは、新たな音楽の楽しみ方として浸透している一方で、熾烈な業界争いが予想される。
今回は利用者にとって、どのサービスが最も適しているのか、定額制音楽配信サービスの事例5つを徹底的に比較したい。
高度なデザイン性と多様なプレイリストが魅力的な「AWA」
引用:AWA
■運営会社:株式会社サイバーエージェントエイベックス・デジタル株式会社
■月額:サービス開始日からの3カ月間は、登録不要で無料でAWAが利用可能
・Liteプラン(月額360円):プレイリストごとの再生とラジオ配信が利用可能
・Premiumプラン(月額1080円):上記の機能+オンデマンド視聴、プレイリストの作成と公開が可能
■楽曲数:約100万曲(2015年末までに500万曲に増加予定)
■キャッチコピー:「いつでもどこでも好きなだけ。」
■オフラインでの使用:あり
■プレイリスト:Liteプランではプレイリストの使用のみ、Premiumプランでは作成も可能
■Station機能:あり
■歌詞表示:あり
■他サービスとの比較:
インターフェースのデザイン性が高く、スワイプでのページ切り替えが特徴的となっている。AWAでは基本的に音楽をプレイリストで聞くこととなり、AWAでしか聞くことのできないアーティストやディレクターの曲が多数あることが特徴的。再生履歴や行動履歴から、自分にマッチしたプレイリストを見つける「DISCOVERY」という機能や、ジャンル別に人気(リアルタイム)の曲を再生する「TRENDING」機能も魅力的だ。
▼参照記事
アジア圏の曲を幅広く取り揃える「KKBOX」
引用:kkbox.com
■運営会社:KKBOX Inc.
■月額:Facebookアカウントでの登録で7日間無料で使用できる。利用料金は月額で税込980円。
■楽曲数:1000万曲以上
■キャッチコピー:「音楽を愛するあなたに、最高の音楽体験を。」
■オフラインでの使用:キャッシュでオフラインでの使用が可能。またキャッシュ数も自分で調整できる。
■プレイリスト:あり
■Station機能:あり
■歌詞表示:あり
■他サービスとの比較:
アジア圏の曲を聴くなら「KKBOX」と言われており、K-POPやC-POPなど、アジア系の曲を中心に音楽を楽しむことができる。一方で、日本のマイナーな曲は聞けない場合がある。
▼参照記事
自分の音楽をいつでも仲間と共有出来る「LINE Music」
■運営会社:LINE MUSIC株式会社
■月額:2ヵ月間(8月9日まで)、音楽を無料視聴できるトライアルキャンペーンを実施中。学割もあり、ベーシックプランが300円、プレミアムプランが600円で利用できる。
・ベーシックプラン(500円):30日の有効期限内で全ての機能利用と20時間の楽曲聴き放題
・プレミアムプラン(1,000円):時間も無制限
■楽曲数:150万曲以上(年内に500万曲以上を予定)
■キャッチコピー:「音楽をLINEしよう」
■オフラインでの使用:キャッシュ機能で利用できる
■プレイリスト:作成・利用が可能。また、テーマ・ジャンルなどのカテゴリーごとに曲を探すことができる。
■Station機能:なし
■歌詞表示:あり
■他サービスとの比較:
LINE MUSICは、特定のアーティストやジャンルから曲を探して再生する。アプリのトップには新曲がならんでいるので、手軽に最新の楽曲をチェックすることができる。また、音楽を友だちと共有できる点が他のサービスと大きく異なる部分。プラットフォームとしてのLINEの利点を生かしており、視聴中に、シェアボタンを押すことで、トークに共有したり、LINEのタイムライン上に送信したりすることができる。
▼参照記事
「LINE MUSIC」オープン記念無料トライアルキャンペーン!今なら誰でも無料で聴き放題!
邦楽の曲数で差別化を図る「レコチョクBest」
引用:recochoku.jp
■運営会社:株式会社レコチョク
■月額:初回ログイン時より3日間無料で使用できる。利用料金は月額で税込980円、月額料金も324円で1アーティストのみ聴き放題という「アーティストプラン」もある
■楽曲数:60年代以降のJ-POPを150万曲以上収録
■キャッチコピー:「思い出が再生する。」「音楽は、記憶だ。」
■オフラインでの使用:2,000曲までキャッシュでき、オフラインでも使用可能となっている
■プレイリスト:あり
■Station機能:なし
■歌詞表示:あり
■他サービスとの比較:
邦楽に強く、邦楽を聞きたいならレコチョクBestがおすすめとなるだろう。インターフェースが扱いやすく、アーティスト情報やタイアップ情報を簡単に表示できる。アーティスト一覧やアーティストBestといった、1000を超える邦楽のプレイリストが魅力的だ。
▼参照記事
24時間視聴可能なラジオや、アーティストとの交流で差別化を図る「Apple Music」
引用:creive.me
■運営会社:Apple
■月額:3カ月間フル機能を利用できる無料トライアルを実施する。
・月額利用料金は980円、ファミリープランは月額1480円
■楽曲数:6月のApple Musicサービス発表時は「3,000万曲以上」と案内していたが、日本では7/1現在、数百万曲とされている。
■キャッチコピー:「音楽の楽しみ方のすべてを一つに。」
■オフラインでの使用:可能
■プレイリスト:Appleのキュレーションによるプレイリスト「For You」を用意。好みのジャンル、アーティストを選択してプレイリスト再生できるだけでなく、再生した楽曲を学習し、ユーザーがプレイリストを聴きこむほど、よりパーソナライズされた選曲を行なってくれる。
■Station機能:なし
■歌詞表示:なし
■他サービスとの比較:
ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドンのスタジオから世界100か国以上に向けて、毎日24時間オンエアされる「Beat 1」というラジオが利用できる。また、アーティストと交流できる「Connect」や、さらに専門家による楽曲リコメンド機能が他のサービスにはない魅力だと言える。
▼参照記事
熾烈な業界争いが予想される中、どこのサービスを選ぶべきか?
いかがだっただろうか。音楽配信サービスは多様に存在しているが、これまで紹介してきたように、それぞれのサービスは独自の特徴を持ち、他のサービスとの差別化を図っている。
一概にどのサービスが最も優れているとは言うことは難しいだろう。自分の聞きたい音楽の種類や、インターフェースなどのデザイン性、月額料金などを吟味して、自分に最適なサービスを選択する必要がある。
筆者個人としては、AWAを利用することが多い。Apple MusicやLINE Musicに比べて、邦楽の楽曲数が多く、洋楽についても幅広く聴くことができるからだ。ジャンルや気分によってプレイリストを選ぶことができ、アーティストやディレクターが作ったプレイリストを聴くことができるのも大きな魅力だろう。
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