売上20%アップ!テクノロジーで変わるビジネスと海外飲食店のO2O最前線に迫る

WRITER : 朴 泳虎

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0916_Ziosk_630x420引用:ビジネスウィーク

スーパーやショッピングモールを始めとした小売店舗では既に一般的になりつつあるO2O(オーツーオー)だが、レストランを始めとした飲食店でも徐々に活用が始まっている。日本でも食べログ等のグルメアプリを使ったり、各社のモバイルアプリを通してクーポンを入手したりするのが日常となってきている。以前に当編集部でも、飲み物を入れるとタンブラーに画像が浮かび上がるカフェ業界のO2O事例などを紹介した。

▼関連記事
飲み物を入れると文字と絵が現れる?!カフェ業界のオムニチャネル事例 | O2O イノベーションラボ

現在、海外では店舗内にタブレットを配置して注文から決済まで自動で出来るようにするサービスなどが徐々に注目を集めてきている。今回は、そんな飲食店でのO2O活用に関して、海外事例と最新サービスを交えて紹介したい。

注文からお会計まで全て自動に、レストラン専用タブレット「E la Carte」

presto-on-table引用:Techcrunch

E la Carteは、MITを中退したRajat Suri氏が2008年に創業したパロアルトに本拠地を持つ会社。チェーンレストラン向けに注文とお会計を自動化できるタブレットを提供している。Suri氏は2009年にMITからドロップアウトしてケンブリッジのレストランでウェイターとしての経験を積み、外食産業の業務知識を深めた後にE la Carteを創業した。

具体的な使い方としては、まず専用のタブレットを各テーブルに設置する。
顧客はそのタブレットを使って店員を待つ事なく、料理を注文したり、ビルトインされたカードリーダーで会計を済ませることができる。また、タブレットを通して視覚的な情報を発信できるので、より詳しい料理の情報を伝えたり、ゲームなどを通して顧客とインタラクティブなコミュニケーションを取ることもできる。また、日次での人気商品や回転率を計算するなど、アナリティクス機能も備えている。

顧客の待ち時間を短縮することで、レストラン側には回転率と顧客満足度が上がるといったメリットがある。さらに、画像や映像などの視覚的イメージを駆使して、より詳細な料理の情報を伝えることで、顧客の食欲を高めて購入品数が増えることが期待できる。

実際に、E la Carteのタブレットを導入した店舗では、平均的にテーブルの回転率が7分短縮され、5%売上が向上したという報告があがっている。また、導入プランは非常に柔軟になっており、初期費用0円から導入することも可能になっている。

日本でも飲食店向けにタブレットソリューションを提供している会社は多々あるが、E la Carte社の一番の特徴は、初期費用が0円であるにもかかわらず、画像や動画などのリッチコンテンツに対応し、アナリティクス機能付きという点で、このようなサービスは中々見られない。

同社はY Combinatorの卒業生でもあり、先月Intel CapitalやY ComibinatorのトップであるSam Altmanを始めとしたVCからラウンドCにあたる$35M(約38億円)の資金調達を完了させている。

▼参照
レストラン専用タブレットのE la Carteが全国チェーン店を続々制覇のため$35Mを調達 – TechCrunch

タブレットを活用する事で売上が20%上昇!?

el-la-carte.top引用:CNN

アメリカで家族向けレストランを展開するチリーズ・グリル&バーは6ヶ月に渡ってタブレットを180店舗に試験導入したところ、非常に良い結果を得られたため、2014年までに国内1266箇所全店舗においてタブレットを設置することを決定したとビジネスウィークが発表した。
同社のシニア・マーケティングディレクターNicole Cocharn氏によると、タブレット導入による利点は店員を減らすことによる人件費削減ではなく、顧客平均単価が上昇することにあるという。

タブレット導入で顧客平均単価が増える要因は3つある。

1つ目は、顧客がウェイターに支払うチップの額が増えること。ウェイターが接客する時間が短くなるにも関わらずチップの額が増えるのは、タブレットに設定されているデフォルトのチップ額が20%と相場より少し高めになっているからだ(相場は10~15%)。サービスに特に問題がなければ、わざわざチップの額を下げようとする人は少なく、結果的にチップ額の上昇につながっているという。

2つ目は、すぐに注文できるため、空腹時の衝動的な注文が増えること。席についてすぐに注文できる上に美味しそうな料理の画像や動画がタブレットに表示されているため、ついついいつもより多く注文してしまう人が多いのだという。ある店舗では前菜の売上が20%増加したという報告が上がっている。

3つ目は、親が食事をしている間に子供に$1で遊び放題のゲームを提供するといった、親子両方の消費を刺激する仕組みがあること。タブレット提供会社によると、10組に1組はゲームをするといい、小さいこどもを持つ親御さんにうけているという。

▼参照
That Tablet on the Restaurant Table Will Make You Spend More – Businessweek

テクノロジーにより変革するアナログビジネス

小売業界や飲食業界は従来、他の業界に比べてテクノロジーの活用率が低いことから、アナログなビジネスと考えられていた。しかし、ウォルマートやスターバックスといったリーディングカンパニーを筆頭に、アナログと思われていたビジネス領域でのテクノロジー活用は少しずつに進み始めている。

アナログ市場をデジタルで置き換えて破壊的イノベーションを起こした事例でいえば、Uberが真っ先に思い浮かぶ。同社はスマートフォンアプリを使ったタクシー配車サービスを世界45カ国で展開している。アプリを起動してボタンを押すだけでタクシーを呼ぶことができて、支払いはカードから自動的に引き落されるなど、従来のタクシーの面倒だった部分を省略することにより大変な人気を博している。その便利さから、1週間に7万9000人のユーザーが新規登録しており、1週間で平均1.1億回の配車があるという。

小売業界の場合、顧客の年齢・性別といった属性を推定するインストアアナリティクスサービスが徐々に導入され始めている。これは飲食店にとっても非常に有益な施策となりえる。テクノロジーの力を使い、いかにより顧客のことを深く理解し、良い商品・サービスを提供できるかが、今後のアナログビジネスの成功に欠かせない要因となる。

▼参照
レストラン、タブレットで増収に成功 〜 客単価も回転率もチップも上昇 | US FrontLine News Inc

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飲み物を入れると文字と絵が現れる?!カフェ業界のオムニチャネル事例 | O2O イノベーションラボ

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