ショールーミングなんて怖くない?!「プロジェクションマッピング」はリアル店舗の強い味方となるか

WRITER : Editorial department

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出典:autoblog「アウディ ジャパンとチームラボが「 R8」に全長16mの滝をプロジェクション・マッピング!」

近年、小売店で商品を見てECサイトで買い物をする「ショールーミング」が起こっており、野村総合研究所が2013年7月に実施した調査では、なんと家電やパソコンの30%以上がショールームングを通じて購入されているという事実はご存知であっただろうか。直近のGoogleトレンドを見ても興味関心の増大が見て取れる。

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そのため、いかにして実店舗に来た顧客を店舗の売上につなげるかが、小売店の課題となっている。一つの解決策として、リアル店舗の強みを生かして店舗体験を向上させる方法があげられる。

今回は、小売店での体験をより魅力的にする方法として「プロジェクションマッピング」の事例を紹介する。

リアルとバーチャルをつなげる「プロジェクションマッピング」

プロジェクションマッピングとは、映像を立体物、あるいは凹凸のある平面に投影し、現実にある物体とバーチャルな映像とを重ね合わせることで、対象物があたかも変化するような印象を与える空間演出の手法だ。最近では、「さっぽろ雪まつり」などで利用されたことが、各種メディアで紹介された。

通常、大きな建物などをスクリーンとして利用するため、多くの人が鑑賞可能である。観衆に与えるインパクトが非常に大きく、イベントの内容や映像がメディアやソーシャルメディア上で発信されやすいことが特徴となる。

実際に、東京駅を舞台に行われた「TOKYO STATION VISION 」ではTwitterでイベントに関連するツイート数が4000件以上つぶやかれるというソーシャルメディア上の効果が出ている。

プロジェクションマッピングの歴史

プロジェクションマッピングの技術自体は古くから存在し、1969年にアメリカ・ニューオリンズにあるディズニーランドのアトラクション「ホーンテッドマンション」で既に実用化されていた。

その後、機材や映像技術の発達により、小型のプロジェクターであれば3万円~10万円程度で購入可能となるなど、機材を比較的安価に手に入れやすくなったことで近年広く普及したのは、デジタルサイネージの普及と類似している 。2012年から2014年にかけて、プロジェクションマッピングの市場規模は毎年約1.8倍、デジタルサイネージ市場に関しては約1.2倍のスピードで拡大している。

日本では、2010年10月、映画「トロン:レガシー」のジャパンプレミアで、初めてプロジェクションマッピングが利用された。

その後、2012年9月に、復原されたJR東京駅の丸の内駅舎を利用したプロジェクションマッピングが行われた。

このイベントの開催は、プロジェクションマッピングが一般に認知される契機となった 。イベント開催された9月に「プロジェクションマッピング」という言葉がネット検索された回数は、前月比の2.5倍となった。

同年12月にも東京駅を利用したイベントが開催され、会場には収容可能人数の5倍にあたる1万人が押しかけた。その結果、安全面を考慮してイベントは途中で打ち切られるまでになった。

ビジネスにおける活用を海外事例から見る

プロジェクションマッピングを利用シーンは、「アート」から「エンターテイメント」、「ビジネス」、「観光・地域活性化」、「教育・福祉」まで幅広い。

日本では、「東京ディズニーランド」のシンデレラ城で、20億円をかけたプロジェクションマッピングの実施が2014年5月に予定されるなど、特にイベントやアミューズメントパークでの活用が目立つ。

日本でもビジネスで利用される例は増えているが、欧米では日本でプロジェクションマッピングが認知される数年前から活用されて来た。

事例1.「The Official Ralph Lauren 4D Experience」

2010年11月に、ロンドン・ニューボンドストリートに建てられた、ラルフローレンのビルの外壁を使ったプロジェクションマッピング。

このイベントは、ECサイト「ralphlauren.com」ローンチ10周年と、デジタル革新の10年間を祝して開催された。

4階建てビルの壁面に、バーチャルなファッションショーが展開され、コレクションで発表された商品が映し出された 。YouTubeには多数の動画がアップロードされており、最も再生回数が多いものは35万回以上閲覧されている。

事例2.「Lil Wayne & Trukfit create M.A.G.I.C. in Vegas at 1 Oak」

2012年8月、グラミー賞を受賞したアメリカの人気ラッパー、リル・ウェインが立ち上げたアパレルブランド「Trukfit」の展示会で、プロジェクションマッピングを利用したブースが設けられ話題を呼んだ。

ブースには、白い無地のTシャツを着たマネキン設置されており、そのマネキンに対して様々な服の映像が投影される。マネキンの服は秒単位で映し変えることができ、少ないマネキンで多くの服の組み合わせが披露された。

イベントの参加者は服が入れ替わるごとに写真を撮影しようと集まっており、会場の注目を集めていた。

今後、屋内での小規模プロジェクションマッピングが増える?

プロジェクションマッピング市場予測

出所:株式会社シードプランニング 「3Dプロジェクションマッピングの市場動向」

プロジェクションマッピングの2012年の国内市場規模は600億円であった。2015年には3,250億円と、3年で5倍以上になると予想されている。

現在は大規模な屋外プロジェクションマッピングが多いが、今後はより小規模な屋内イベントや店舗での利用が増えると予想される。

大規模なイベントは、観衆に強烈なインパクトを与えることができるメリットがあるが、デメリットもある。規模が大きくなるに従い、必要となるプロジェクター数が増え、少なくとも300万から数千万の費用が必要だ。超大規模なものでは1億を越えることもある。また、明るい環境では映像が見えなくなるため、屋外では昼間に実施することが難しい。

屋内であれば、少ないプロジェクターで済むためコストがかからず、照明を調節することでプロジェクションマッピングに適した環境を作り出すことができる。

国内でプロジェクションマッピングマッピング関連イベントの企画・映像制作を行っている主要企業として「株式会社NHKエンタープライズ」と「株式会社 タケナカ」あげられる。

「株式会社NHKエンタープライズ」は、プロジェクションマッピングが一般にしられるきっかけとなった国内最大級のイベント「TOKYO STATION VISION 」など、屋外大規模イベントを多数手がけている。また、2009年と早期からプロジェクションマッピングに取り組んでいる「株式会社 タケナカ」は、2万ルーメン高輝度プロジェクターを50台以上を導入しているのに加え、超高輝度プロジェクターを所持していることからも力を入れていることが分かる。

今後、プロジェクションマッピングは、上記で紹介したアパレルブランド「Trukfit」のように物理環境に縛られることなく多くの商品を展示することや、店内での商品の演出に生かされる事例が出てくるのではないだろうか。

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