引用: Holland Tech
皆様は、FinTechという言葉をご存知だろうか。FinTechとは、FinanceとTechnologyから成る造語で、金融関連のスタートアップを指す用語として近年注目を集めている。海外では、日本の数年先を行くと言われるほど市場規模が発達している。その証左として近年、5000万から1億ドル規模の大型資金調達が増えており、2014年には年間で120億ドルもの投資が行われた。今回は世界から注目を集める、海外のFinTech事例や業界のトレンドを決済・会計・銀行の領域ごとに紹介したい。
▼参照記事
Why These Silicon Valley Companies Have Venture Capitalists Swooning
決済
引用:statista.com
決済系のスタートアップでは、スマートフォンやECサイトを経由した、オンライン決済などのサービスに関する大規模なシェア争いが行われている。決済系のビジネスは、決済額の一定の割合が手数料として支払われることで成り立っている。決済系のスタートアップにおいて最大のシェアを誇るPayPalは、203の国と地域に展開しており、利用者が全世界で1億6900万人に及ぶ。そして時価総額は508億ドルにまで及んでいる。PayPalに次いでGoogle Wallet、MasterCard PayPass Wallet、Square Walletがシェアを占めている。MasterCard PayPass Wallet以下は、シェア率に大きく隔たりがあり、どの企業も熾烈なシェア争いを繰り広げていると言える。
▼参照記事
PayPal、eBayから独立後の株価は8.3%高、時価総額はeBayを超える500億ドル
会計サービス
引用:Cloud Pro
会計系サービスでは、目的別にソフトが分かれ、圧倒的な使いやすさが売りのIntuitが中小企業向けの会計ソフトで90%近いシェアを誇る。Intuitに対して、いくつかのクラウド型会計ソリューションがシェアを奪おうと試みている。その例としては、100ヶ国以上に20万人以上のユーザーを持ち、2億ドル以上の資金調達に成功したXeroが挙げられる。また、600万ドルの資金調達に成功しているExpensifyも、上記二社に次ぐ形ではあるが、存在感を表している。
銀行サービス
引用:Macstories
銀行系のツールでは、Simpleが最多の2.3億ドルの資金調達に成功している。同社は既存の銀行が行っていた送金や貯金の機能に加え、資産管理の要素を持つサービスを行い、近年話題を呼んだ。同社のサービスでは、携帯端末のアプリで資産管理の目標値や、現時点の資産を確認することができ、同社が掲げているように「毎日自動的に資産管理」することができる。というのも、The Bancorp社の銀行のシステムインフラを借りることで、金融情報にライフログの機能を加え、資産管理に楽しさを生むことに成功したからだ。Simpleに次いで、KabbageやMoneyDesktopが注目されている。
Fin Techの未来に期待が集まる
お金は我々の生活に最も身近なツールの一つであり、長い間姿を変えずに残ってきた。しかし、他の多くの分野のようにテクノロジーによる大きな変革の時期を迎えている。上で紹介したように決済・会計処理を簡易化するものや資産管理を自動で行うサービスが登場し、煩雑な作業はますます少なくなっていくだろう。また、今回の記事では(まだ厳密な意味での貨幣ではないため)言及しなかったが、BitCoinのように通貨自体を仮想化したものも登場している。我々の生活を支えるお金がどのような形で変わっていくのか、今後も目が離せない。