新型iPhoneの発表があると噂される発表会まで、もう間もなくだ。2015年に出荷されたスマートフォンの約14%はiPhoneであり、新型iPhoneの発売日に熱狂的なファンが殺到して、行列ができるのはもはや恒例行事となっている。
今回は、スマートフォンを爆発的に普及させた立役者であるiPhoneの歴史を振り返ると共に、発売が予定されている新型機種の紹介、さらに今後の展望についてご紹介したい。
無印から新型までを一気に振り返り
初代iPhone:天才ジョブズが満を持して世に出した革命作
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本日、革命的な新製品を3つ発表します。
1つめ。ワイド画面、タッチ操作のiPod。2つめ。革命的携帯電話。3つめ。画期的ネット通信機器。
3つです。タッチ操作iPod、革命的携帯電話、画期的ネット通信機器。
この言葉から始まるiPhoneの紹介プレゼンテーションは人々の心を掴んで離さず、今でも伝説の名プレゼンテーションと言われている。iPhoneの出発点であり、後のスマートフォン革命の原点となった製品である。当時は日本のフィーチャーフォンに劣るスペックで、「需要がない」と否定的な意見が多数を占めていた。
初代iPhoneの主なスペック
iOS:iPhone OS 1.0 〜 iPhoneOS 3.1.3
CPU:ARM 1176JZ(F)-S 412MHz
L2キャッシュ:なし
メモリ:LPDDR SDRAM 128MB
ストレージ:4GB, 8GB, 16GB
ディスプレイ:3.5インチ(画面縦横比3:2)、163ppi
センサー:現在位置取得、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー
カメラ(背面):200万画素。動画撮影機能:なし
カメラ(正面):なし
バッテリー:1,400mAh
SIM:mini SIM
色:シルバー
iPhone3G,3GS:日本に上陸した初のiPhone
NTTドコモ、auに大きく遅れをとっていたソフトバンクの孫正義氏が、社運をかけて2008年7月に発売したのがiPhone3Gである。バッテリー寿命や処理性能の大幅な向上に加え、3G通信に対応したことで通信速度が大きく改善した。また、iPhone3GからGPSチップが搭載され、今ではお馴染みとなったGoogle Mapのような位置情報を利用したアプリが登場し始めた。
iPhpne3Gの主なスペック
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iOS:iPhone OS 2.0 〜 iOS 4.2.1
CPU:ARM 1176JZ(F)-S 412MHz。L2キャッシュなし
メモリ:LPDDR SDRAM 128MB
ストレージ:8GB, 16GB
ディスプレイ:3.5インチ(画面縦横比3:2)、163ppi
センサー:GPS、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー
カメラ(背面):200万画素。動画撮影機能無し。
カメラ(正面):なし
バッテリー:1,150mAh
SIM:mini SIM
色:ホワイト、ブラック
iPhpne3GSの主なスペック
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iOS:iPhone OS 3.0 〜 iOS 6.1.6
CPU:Samsung S5PC100 600MHz。L2キャッシュ:256KB
メモリ:LPDDR SDRAM 256MB
ストレージ:8GB, 16GB, 32GB
ディスプレイ:3.5インチ(画面縦横比3:2)、163ppi
センサー:GPS、デジタルコンパス、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー
カメラ(背面):300万画素。動画撮影:VGA-30fps
カメラ(正面):なし
バッテリー:1,219mAh
SIM: mini SIM
色:ホワイト、ブラック
iPhone4:現在のiPhoneのデザインの原型を決めた分岐路
[su_youtube url=”https://www.youtube.com/embed/3G9Sotw4aAI” width=”500″]「Beijing」[/su_youtube]
iPhone4ではその後に大きく影響を与える二つの変更がなされた。一つは形状。それまで背面が丸みを帯びたポリカーボネイト製だったものが、より長方形に近くなり、強化ガラスが採用された。
このデザイン変更は、現在でもiPhoneの高級感や操作性を表現する上で、非常に重要な要素となっている。もう一つはOSの名称だ。iPhone4以前はiPhone OS XXと名付けられていたものが、iPadやiPod Touchでも共通して使えるということで、iOSという名称に変更された。この頃から既に(あるいは遥か以前に)ジョブズの目にはデバイスに依存せず、自由にデータにアクセスするクラウド的なビジョンが見えていたのだろう。
iPhpne4の主なスペック
iOS:iOS 4 〜 iOS 7.1.2
CPU:Apple A4 800MHz
L2キャッシュ:640KB
メモリ:LPDDR SDRAM 512MB
ストレージ:8GB, 16GB, 32GB
ディスプレイ:3.5インチ(画面縦横比3:2)、326ppi
センサー:GPS、デジタルコンパス、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー、3軸ジャイロスコープ
カメラ(背面):500万画素。動画撮影:HD720p-30fps
カメラ(正面):30万画素。動画撮影:VGA-30fps
バッテリー:1,420mAh
SIM:micro SIM
色:ホワイト、ブラック
iPhone4S:Appleの父、スティーブ・ジョブズの遺作
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「スティーブは毎日が最後の日であるかのように生き、私たちの生活を変え、全産業を再定義し、私たち一人一人が世界を見る方法を変えました。世界はビジョナリーを失いました。そして、多くの人が彼の死を、彼が発明したデバイスで知ることになったということは、彼の成功への最も大きな賛辞であるかもしれません。」
これはスティーブ・ジョブズ死去の際に、米国大統領オバマ氏が送った追悼の言葉である。iPhone4sは生前のジョブズが製作に携わった遺作であり、4sを上回るスペックの機種が発売された今でもなお、最高傑作として名高い作品である。
CPUにApple5チップを搭載したことでiPhone4の約7倍のグラフィック性能を有し、音声ナビゲーション機能Siriが搭載されたのも4sからである。
iPhpne4Sの主なスペック
iOS:iOS 5 〜 未定
CPU:Apple A5 800MHz
L2キャッシュ:1MB
メモリ:LPDDR2 SDRAM 512MB
ストレージ:8GB, 16GB, 32GB, 64GB
ディスプレイ:3.5インチ(画面縦横比3:2)、326ppi
センサー:GPS、デジタルコンパス、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー、3軸ジャイロスコープ
カメラ(背面):800万画素。動画撮影:FullHD1080p-30fps
カメラ(正面):30万画素。動画撮影:VGA-30fps
バッテリー:1,420mAh
SIM:micro SIM
色:ホワイト、ブラック
iPhone5:次世代通信規格LTEに対応したiPhone
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iPhone5の大きな変更点は二つだ。一つは高速次世代通信規格であるLTEに対応したこと。もう一つは従来のDockコネクタからLightningコネクタに変更されたことである。
この二つの変更により、あくまでPCのサブ機であったスマートフォンでも、動画・音楽ストリーミングや数メガバイトのデータ送受信が容易になり、スマートデバイスの可能性を大きく押し広げた。
iPhpne5の主なスペック
iOS:iOS 6 〜 未定
CPU:Apple A6 1.3GHz
L2キャッシュ:1MB
メモリ:LPDDR2 SDRAM 1GB
ストレージ:16GB, 32GB, 64GB
ディスプレイ:4インチ(画面縦横比16:9)、326ppi
センサー:GPS、デジタルコンパス、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー、3軸ジャイロスコープ
カメラ(背面):800万画素。動画撮影:FullHD1080p-30fps
カメラ(正面):120万画素。動画撮影:HD720p-30fps
バッテリー:1,440mAh
SIM:nano SIM
色:ホワイト、ブラック
iPhone5c & S:iPhone史上初の2機種同時発売
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Apple史上初めて2機種のiPhoneが同時に発売されたのがiPhone 5s,5cからである。iPhone5sはCPU性能が大きく向上したのに加え、指紋認証センサーが搭載され、後のApple Payといった決済サービスの布石となった。
iPhone 5cは、Appleから初めて発売されたiPhoneの廉価版であり、中国等の低価格機種が席巻している市場にiPhoneが食い込む上で大きな武器となった。
iPhpne5cの主なスペック
iOS:iOS 7 〜 未定
CPU:Apple A6 1.25GHz
L2キャッシュ:1MB
メモリ:LPDDR2 SDRAM 1GB
ストレージ:8GB, 16GB, 32GB
ディスプレイ:4インチ(画面縦横比16:9)、326ppi
センサー:GPS、デジタルコンパス、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー、3軸ジャイロスコープ
カメラ(背面):800万画素。動画撮影:FullHD1080p-30fps
カメラ(正面):120万画素。動画撮影:HD720p-30fps。
バッテリー:1,510mAh
SIM:nano SIM
色:ブルー、グリーン、ピンク、イエロー、ホワイト
iPhpne5sの主なスペック
iOS:iOS 7 〜 未定
CPU:Apple A7 1.3GHz
L2キャッシュ:1MB。64bit
メモリ:LPDDR3 SDRAM 1GB
ストレージ:16GB, 32GB, 64GB
ディスプレイ:4インチ(画面縦横比16:9)、326ppi
センサー:GPS、デジタルコンパス、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー、3軸ジャイロスコープ、指紋認証(Touch ID)
カメラ(背面):800万画素。動画撮影:FullHD1080p-30fps。スローモーション:HD720p-120fps
カメラ(正面):120万画素。動画撮影:HD720p-30fps。
バッテリー:1,560mAh
SIM:nano SIM
色:スペースグレイ、シルバー、ゴールド
iPhone6 & 6Plus:大画面化に踏み切った転換期
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Android機種が大画面化して行く中で、待望されていた大画面iPhoneとして登場したのがiPhone6である。画面サイズが4インチからiPhone6は4.7インチ、iPhone6Plusは5.5インチとなり、おサイフケータイでお馴染みのNFCが搭載されたのもiPhone6からである。
iPhpne6の主なスペック
iOS:iOS 8 〜
CPU:Apple A8 1.4GHz
L2キャッシュ:1MB。64bit
メモリ:LPDDR3 SDRAM 1GB
ストレージ:16GB, 64GB, 128GB
ディスプレイ:4.7インチ(画面縦横比16:9)、326ppi
センサー:GPS、デジタルコンパス、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー、3軸ジャイロスコープ、指紋認証(Touch ID)、気圧計、NFC
カメラ(背面):800万画素。動画撮影:FullHD1080p-30fps/60fps。スローモーション:HD720p-120fps/240fps
カメラ(正面):120万画素。動画撮影:HD720p-30fps。
バッテリー:非公開
SIM:nano SIM
色:スペースグレイ、シルバー、ゴールド
iPhpne6Plusの主なスペック
iOS:iOS 8 〜
CPU:Apple A8 1.4GHz
L2キャッシュ:1MB。64bit
メモリ:LPDDR3 SDRAM 1GB
ストレージ:16GB, 64GB, 128GB
ディスプレイ:5.5インチ(画面縦横比16:9)、401ppi
センサー:GPS、デジタルコンパス、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー、3軸ジャイロスコープ、指紋認証(Touch ID)、気圧計、NFC
カメラ(背面):800万画素。動画撮影:FullHD1080p-30fps/60fps。スローモーション:HD720p-120fps/240fps。光学手ぶれ補正
カメラ(正面):120万画素。動画撮影:HD720p-30fps。
バッテリー:非公開
SIM:nano SIM
色:スペースグレイ、シルバー、ゴールド
新型iPhoneについて予想
引用:Telegraph
新型iPhoneの予想スペック
iOS:iOS 8 〜
CPU:Apple A9 1.85GHz
メモリ:LPDDR3 SDRAM 2GB
ストレージ:32GB, 64GB, 128GB
ディスプレイ:4.7インチ(1920×1080)
センサー:GPS、デジタルコンパス、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー、3軸ジャイロスコープ、指紋認証(Touch ID)、気圧計、NFC、ForceTouch
カメラ(背面):1,200万画素。動画撮影:4K解像度
カメラ(正面):500万画素
バッテリー:非公開
SIM:nano SIM
色:スペースグレイ、シルバー、ゴールド、ローズゴールド
上記以外にも、感圧操作ディスプレイ「Force Touch」と「3Dジェスチャー操作」機能が導入されるとの噂があり、操作性の更なる向上が見込まれる。また、iPhone6よりも強度が高くなり折れにくい仕様になると予想されている。
スマートデバイスのイノベーションは続く
振り返ってみると、iPhoneが登場してからまだ8年しか経過していない。しかし、毎年約2.4億台のiPhoneが出荷されており、スマートフォン市場全体の14%近くのシェアを獲得している。更に、今後、スマートフォンはIoTのハブとして機能すると言われており、その重要性は衰えるどころか益々増してくことが予想される。
具体的にはスマート家電を操作したり、身につけたウェアラブルデバイスから取得したユーザーの身体情報を確認する、といった形で活用されることが見込まれる。ジョブズが起こしたイノベーションは、今後も私達の生活に影響を与え続けるのだ。
▼参照
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