”コンバージョン率が全てではない” 米国コラムニストが語るデジタルマーケティング

WRITER : Editorial department

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コラムニスト、デビッド・ブース(David Booth)が述べる、マーケティング指標のデータと顧客データを結びつけることで、より良い意思決定ができる理由とは

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近年、デジタル(またはオフライン)のマーケティング戦略の価値に対する理解が非常に広がってきた。そしてピクセル情報を追跡したり、洗練された分析ツールを活用するなど、多くのマーケターは、マーケティングの投資の方向性を決めるために膨大なデータを使用するようになった。

うまくデータを活用できると、新規のリードや顧客の獲得、製品・サービスの販売、製品・サービスの販売、さらにコンバージョンに近づけるためのコストがわかる。しかしうまくいかないと、現代の多くの産業において、競争についていくのに精一杯になってしまう。

私たちは最新のツールやテクノロジーを用いて、目標を達成するために、それぞれのマーケティングチャネルがどれほど役立ち、どれほどの費用が必要か理解することができるが、多くのツールやテクノロジーには、顧客と予測という致命的に欠けている内容がある。

新規の顧客を獲得することは重要であるのはもちろんだが、適切な顧客を獲得することはさらに重要である。

幸運なことに、私たちはCardinal Pathで、データや分析テクノロジーの蓄積したリーディングカンパニーを視察、そして共に仕事をし、そして顧客データの金脈とマーケティングデータを結びつけられていないというのが共通のテーマであることがわかった。

もしこれらの要素を繋げることができるなら、次のレベルへいくことができるだろう。

全てのリードと予測は同じなのか?

もしそうならば、普段のレポートやツールは、次の重大な「すべての「コンバージョン」は同じである」という仮定の下に置かれていることになる。

その考えを示すために、例として、私たちはコーヒーショップを担当し、長期の顧客となりうる新規のリードを獲得するマーケティング戦略をたてているとしよう。

今、新規のリードを獲得するために、マルチチャネルのマーケティングプランをたて、そして全てのチャネルにおいて十分にトラッキングできていると仮定する。

私たちはそれぞれのマーケティング戦略を、リード獲得という目標に効果のある包括的なプランを実行し、そして以下のようにデータを確認できるようになった。

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似ているように見えるかもしれないが、このレベルの可視化はマーケティングのプログラムに入っている。このようなデータを用いて、各マーケティング投資の効果の比較、ROIの計算・目標リードの大きさの理解、そして様々なレベルでの分析が可能となる。

しかし、私たちは直感的に正しくないと知っていても満足してきた上の表に関するコラムがある。

全てのリードは同じではない

実際、コーヒーの購買客は様々で、ビジネスにおいてもちろん顧客価値に優劣がある。例えば、1週間のうち5日間、私たちの店に寄り、いつも同じトッピング(double-no-fat-soy-iced-mocha-infused-green-tea-latte-hold-the-whip)の緑茶ラテを注文する顧客は、月に1回50セントオフのクーポンを持ってLargeのドリップコーヒー注文する顧客より、はるかに優良顧客といえる。

また、毎日同じ時間に仕事のエネルギー補給に隣のビルからやってくる女性もまた最も価値のある顧客である。

図5

重要なのは、どんなビジネスをしていても、データベース上には幅広い生涯顧客価値が並び、最も優良な顧客を見つけるために試行錯誤を重ねてきたということだ。

比較的簡易な顧客関係管理(CRM)により得られたデータを調べることで、事業者は、顧客が購入した製品、平均販売価格、平均注文額、購入頻度、さらには顧客でなくなる頻度までをもとに生涯顧客価値を考えることができる。

もちろんこの概念は新しいものではなく、当たり前に思えるものだ。全ての顧客は異なり、獲得にかけられるコストも異なる。しかし、日々のマーケティング指標のレポートをみると、全てのリードやコンバージョンに対して同様の価値が与えられてしまっていることがわかるだろう。

優良顧客の発見・獲得

もし、結局マーケティング投資がどれだけの効果をもたらしたのかを明らかにしようとするなら、顧客価値を考慮する必要がある。そのためには長い時間をかけて実証されてきたテクニックがある。

例えば、単純に顧客価値を階層わけするのも非常に有効な手段である。顧客のデータベースを顧客ごとの売上で並べ、5つに等分する。次にそれぞれの層の顧客を合計した売上をみる。

図3

結果はおそらく当然のことで、少数の顧客が売上の大部分を占める。これにより、「誰がそれぞれの顧客に相当するのか」という疑問が論理的に導かれる。

最重要な層の顧客はどのような性質で、どのような行動を示すのか?

幸運なことに、既に持っている情報から多くの情報を手に入れることができる。もし性別、年齢、教育、ZIPコード、行動データなどのデータが顧客価値の予測となるなら、分析やモデル化は、理解の助けとなるだろう。

そしてこのデータを基にして、コンバージョンさせようとするしている新規顧客がどのようなタイプであるかを十分に理解することができる。ターゲットの発見や、顧客にするために投資をする前に、新規顧客の生涯顧客価値を予測することができるのだ。

優良顧客はどこから来て、どうやって見つけることができるのか?

いま、優良顧客がか正確に把握できたとする。次に考えるべきなのは「どこで、どうやって優良顧客を獲得するのか?」ということである。そしてこれが顧客データとマーケティングパフォーマンスのデータを結びつける必要があることの理由である。

CRMによって顧客、その行動・性質に関するあらゆるデータを手に入れたとしても、多くの組織は、オンライン・オフラインのマーケティングにおける接点とCRMの記録を依然として統合できていない。

実は、掲載されクリックされる広告、ウェブサイト上やアプリでの相互作用、社会的相互作用の全ては、豊富なカスタマーデータとなる可能性があり、将来の顧客の価値を予測するために用いることができる。

成功や失敗を測定するために用いがちなデジタルマーケティングプログラムやメトリクスを考えてみよう。その1つはコンバージョン率(あるチャネルやキャンペーンに来た人のうち、目標とするゴールへ到達した人の割合)だろう。 

コーヒーショップのケースでは、仮にこのコンバージョンイベントとして、新規の顧客に対するクーポンをダウンロードした人を追跡したとする。チャネルごとに上の表のようにパフォーマンスを比較できる。しかし、ここで問題となるのは、どのタイプの顧客をコンバートすることができたのかわからないことである。

しばしば、顧客データを加えて、顧客価値中心の分析をしたとき、コンバージョン率が最高のチャネルは、価値の低いコンバージョンであることがわかる。

それぞれのマーケティング戦略で獲得しようとする顧客のタイプを比較することで、典型的な2次元の分析に3つ目の次元を加えることが可能となる。

図4

上で視覚化されたように、どれだけのリードを獲得し、それらのリードに対してチャネルがどれほど効果的であるかだけでなく、それらのリードの価値を瞬時にみることができる。このデータにより、メディアの資金を、チャネルやキャンペーンに最適に配分することが可能となる。

顧客をそれぞれ個人として扱う

顧客データとマーケティングパフォーマンスデータのギャップを結びつけることで、真に強力な意思決定ができるようになる。見込みや顧客に対して適切な価値で評価することにより、メディアの費用がわかり、戦略の作成が容易になり、そして最適な顧客が導かれる。

終わりに、ECの草分けである1stdibsは、統合されたマーケティング・顧客データなどをひとつにまとめて包括的にみるプロジェクトを行った。

「私たちはついに、性質により異なる来店者や顧客を判別し、それぞれを比較できるようになった。究極的に、これにより、それぞれのグループが持つ問題を理解し、それに対処する、またはどのタイプの来店者がもっとも価値ある顧客となりうるかわかるようになる。」と1stdibsの分析の責任者、Jung Lee氏は述べている。

「私たちは最適な人に最適タイミングで最適なメッセージを送ることができ、マーケティング資金を効果的に利用することができる、ということだ。」Lee氏はこう付け加えた。

今や、それができることが競争優位なのだ。

 

(執筆:David Booth、翻訳:松尾周斗、画像:Marketing Land)

©David Booth / 2015 Marketing Land

▼翻訳元記事

 Why Conversion Rate Isn’t The Whole Story: Using Customer Data To Predict Value And Optimize Media Spend

 

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