SONYの若手チームが個人で作れるIoTキット「MESH」を開発

WRITER : 留田 紫雲

  IoT

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近年IoT市場は拡大してきている。ガートナーによると、2015年には前年の30%増となる49億個の「モノ」がインターネットよってつながり、2020年には250億個に上ると推測されている。 そこで今回は、注目のIoT市場から、ソニー株式会社(以下SONY)が2015年1月に世界最大のクラウドファンディングサイトのINDIEGOGOに出し、現在約37000ドル(約434万円)を既に集めている「MESH」を紹介し、今後どのようにして私たちの生活に影響を与えるのか解説したい。

DIYとIoTの親和性

DIYという言葉をご存知だろうか? DIYは”Do It Yourself”の略語であり、ユーザが自分たちで組み立てたり創作できるキットのことである。 サプライヤーのDIY導入のメリットは、何と言ってもコストが安く済むことである。顧客がそれぞれ自分で商品を組み立てたり、独自に創作をすることで制作費を抑えることができる。 同時に、作ることに面倒さを感じさせてしまうのが課題であるため、顧客に、創作の簡易さ、楽しさ、オリジナリティーを同時に提供できる企業はこの分野で大きな成功を収められるだろう。 そこで今回はユーザが自分で創作できるDIYのIoT事例、SONYの「MESH」をご紹介したい。

4つのタグで家庭とインターネットをつなぐ「MESH」

[su_youtube url=”https://www.youtube.com/watch?v=uGcqZCDvT_4″ width=”500″]https://www.youtube.com/watch?v=ostZlQx_30c#t=134[/su_youtube]

MESHには「Button」「LED」「Acceleration」「GPIO」の4つのタグがあり、それぞれが異なる機能を持つ。

1.「Button」タグ

何かのコントローラーにしたり、時間を計る時のボタンや、数を数える時のカウンターのように使える。

2. 「LED」タグ

「Button」や「Accelaration」から送られてきた信号の違いによって、それぞれ異なる発光をさせることができる。また、色は赤緑青の自由な組み合わせで選択することができる。

3.  「Acceleration」タグ

叩いたり振ったりといった動きに対して反応するセンサー

4. 「GPIO」

汎用入出力と訳されることが多い入出力端子の一種で、電子機器のスイッチを切り替える時によく使われる。 MESH画像1

引用:MESH: Creative DIY Kit for the Connected Life | Indiegogo

「MESH」では、これら4つのタグを使い分け、ユーザが独自にIoTシステムを構築していく。構築はいたって簡単で、専用のiPadでアプリでそれそれのタグをドラッグアンドドロップで接続するだけだ。プログラミング言語を使用する必要がないため、ITリテラシーが低い層でも人気がでそうだ。 MESH画像2 上記の画像を例にとると、毎朝座っている椅子に腰かけると「Acceleration」タグが反応する。その瞬間に、その日の天気を読み込むAPIが作動し、「LED」タグに、晴れならオレンジ、雨なら青という風に反応がでるので、傘忘れを防止してくれる。これは、椅子に「Acceleration」タグを繋げ、アプリ上で「Acceleration」タグと「LED」タグを連携させている。 MESH画像3 また上の写真では毎朝6時になると「GPIO」タグが自動で電子揚水機のスイッチを入れ、植物に水やりをしてくれる。

MESH開発からみるSONYの戦略

「MESH」を使うユーザが増えることで、SONYは何を得るのか。 1つ目は顧客の「MESH」使用に関するビッグデータである。SONYのIoTを普及させることで、デバイスを使用する全てのユーザから使用データを集めることができる。さらに、DIYキットにすることによって、ユーザ自身が好きなようにカスタマイズできるため、使用用途が広がる。それにより、従来では得られなかった種類のデータが収集される。 例えば、「MESH」を使って顧客の30%が”玄関のドアが開くと家の電気がつく”ような仕組みを作った、というデータが取得できたとする。SONYは取得したデータにより、顧客のインサイトに気づくことができ、次に売り出す商品に生かすことが出来る。 もう一つは、SONYのイメージ回復だ。7兆8000円億円もの売上を誇る組織は、わずか50000ドルのプロジェクトのために自社からではなく世界最大のクラウドファウンディングサイトINDIEGOGOで資金を募った。そして、チームメンバーはほとんどが20代であることもあり、今回のプロジェクトは多数のメディアにも取り上げられ、大きな注目を集めた。「MESH」という4つのタグには、SONYを背負う若い志士たちが、再び大きなイノベーションを起こす可能性が秘められている。

▼参考

SonyintroducesMESH–a prototypecreativetechnologyhttp://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/library/er.html http://toyokeizai.net/articles/-/48395

IoTが収集する未知のデータ

IoTデバイスの多様化により、家の中の温度や、道路を走行している車の台数といった今まで取得不可能だった定量データを収集できるようになる。 DIYとIoTの融合では、顧客の創造性を刺激することができ、まだ製品化されていないIoT製品への潜在ニーズといった価値の高いデータも取得できる。今後のユーザ体験を向上させることのできる価値の高いデータが多くとられるだろう。

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