知られざるMicrosoftのリテール業者向けIoTプラットフォーム

WRITER : Editorial department

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※「Arch for Startup」より寄稿

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引用: This Week in the World of Windows

みなさんはMicrosoft(以下MS)の収益ポートフォリオをご存じであろうか。

ワシントン州シアトルに広大な拠点を構える同社はWindowsとMicrosoft Officeで売上の大半を計上していると考える読者も少なからずいるだろう。

しかし、それだけではないのだ。MSの真の強みはエンタープライズ向けビジネスにあり、エンタープライズ部門の割合は全社売上高の半分以上にものぼる。シアトル本社に所属する社員の方の話によると、2014年の2月に社長(現社長サトヤ・ナデラ氏)が交代してから特にエンタープライズ向け製品への比重が強まったという。

当記事では、MSのエンタープライズ部門がカバーする9つの産業のうちの一つであるリテールにフォーカスする。リテール部門が担うサポートは7つの柱で構成される。従業員サポート、マネジメントツール、モバイルツール、決済システム、カスタマーサービス、オムニチャネル、クラウドの提供である。今回はこの中からIoTの技術を使ったクラウド提供戦略を紹介する。

Kinectを使ったゲームでクーポンが手に入る!?

 

Kinectとは、もともとでジェスチャーや音声を認識するXbox360の付属機器だが、PCで動作させるためにオープンソースのドライバー(Software Development Kit)が開発されてからは小売に加えて医療や教育の分野で応用されるなど多様な使い方をされている。

MSはこのKinectと液晶画面を組み合わせて、面白いサービスを小売業者に提供することを計画している。2つの事例を動画で紹介しよう。

上の動画はKinectのモーションキャプチャー技術を応用したゲームで、割引クーポンをゲットできるというサービスだ(参考動画)。

下の動画は液晶画面の前に立つだけで実際に服を着ているかのような画像を見ることができるサービスだ。「色の変更!」と話しかけると服の色を変えることもでき、さらに写真撮影も可能だ。

 

Kinectの持つモーションキャプチャーという技術を使うことで、顧客が来店中に遊んだゲームの結果によって割引クーポンがもらえるのだ。 この機能が店舗に導入されることでどう変わるのか。

バーチャル試着によって、顧客の時間節約、小売店の人件費削減効果が見込める。また、クーポンがゲットできるゲームによる購買意欲向上、体を動かすゲームで覚えた楽しさはリピート率向上の効果が期待できる。 商品販売時に販売情報を記録しそれらの情報を在庫管理やマーケティング材料に用いるPOSシステムとの連動で決済という面でも注目が必要だ。

一方で、小売店のデータを一括で連動させるサービスも提供している。次章ではそれを紹介しよう。

MSが提供するIoTプラットフォーム

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引用: Microsoft Cloud platform

MSのエンタープライズ向けサービスに欠かせないものがある。クラウドプラットフォームのMicrosoft Azureだ。昨年末、MSはこのAzureにIoT分析をするMicrosoft Azure Internet of Things serviceを導入した。

このサービスでは膨大にたまったデータ(POSシステム、商品のバーコード、在庫など)を分析し機械学習によって最適化することが可能であり、小売店がこれを利用することで、コスト削減ができるようになる。また、このデータを現在もっている顧客データ、店内での顧客の動きやソーシャルメディアのデータとつなげることでインストアマーケティングやCRM(Customer Relationship Management)も可能になる。

つまり、機械学習を使うことで顧客の動きを予測し、在庫を最適化することができ、市場の動きやトレンドに素早く対応することができるのだ。

Microsoft Azureという世界トップクラスのクラウドプラットフォームがあることによって、現在店舗にあるデバイス(レジなど)をクラウド上で管理することが可能になる。長年のエンタープライズ向けビジネスのノウハウと組み合わせることで機械学習の精度も格段に上がる。

MSがやっているのは既存のデバイスをネットにつなげることだけではない。新規IoT環境開発のためのプラットフォームも提供している。オーストラリアにあるコカ・コーラAmatil社(CCA) の事例を紹介しよう。

 

上の動画ではコカ・コーラAmatil社(CCA) が開発した自動販売機のような形の冷蔵庫が写っている。一見冷蔵庫の側面に映像を流しただけに見える。

しかし実はこのデバイスも機械学習とデジタルサイネージ技術(ネットに接続した画面を使って情報発信するシステム)を使うことで出てくる映像が変わる仕組みになっているのだ。時には他社の広告、ゲームやFacebookのポストが映しだされることもある。顧客が自分の持っているスマートフォンと連動させることもでき、画面上に出てきた広告をクリックすることもできる。

このデバイスを導入した店舗では飲料の売り上げが平均12%上がり、広告を表示した企業は、顧客にユニークな手法でブランドイメージを浸透させることに成功した。 このデバイスのバックグラウンドを支えるのが、MSの提供するAzureに加えたWindows Embedded(バックグラウンドを支えるクラウドサービスの一つ)と前章で紹介したKinect for Windowsなのである。

上の説明を読めば、IoTはただの一時的なトレンドではないことが分かるだろう。さらにそれを支えるクラウドという技術の偉大さも分かるだろう。

まとめ

今やMSは売上の半分をこのクラウドで計上しているのだ。

今回はIoTを紹介したが、MSが扱うクラウドはこれだけではない。シアトルではMSとAmazon,comの本社が存在する土壌のためか、起業家の75%はMSとAmazon.com出身で、そのほとんどがクラウドを使ったBtoBビジネスを行っている。IoTの本質はクラウドにある。MSのように膨大なノウハウがある企業がクラウドを活用することは当然なのである。

※「Arch for Startup」より寄稿

Arch for Startup

10904170_709467309173264_1970155646_nクラウドコンピューティング分野で世界一と言われるシアトルを拠点にクラウド関連やスタートアップ情報を発信。

●HPアドレス: http://www.archforstartup.com/

●Facebookページ: https://www.facebook.com/arch4startup

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