斬新な着想が勢揃い!大学生のためのマーケティングコンテスト”第6回「試す」applim”

WRITER : 野田 勝

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141026_applim記事_アイキャッチ2引用:学生団体applim

10月25日に六本木で学生団体applimが主催する大学生のためのマーケティングコンテスト”第6回「試す」applim”の決勝レセプションが開催された。今大会は、特別協賛企業である株式会社TBSテレビ(以下TBSテレビ)、日本たばこ産業株式会社(以下JT)、日本マイクロソフト株式会社(以下Microsoft)に対して、大学生で構成される各チームが「ブランドに再発明を」をコンセプトとした新規事業の提案を行うというものである。決勝レセプションでは総勢約130チームの中から1次、2次予選を勝ち抜いた各部門2チームがそれぞれプレゼンテーションを行い、「アイデア性」「ブランド課題解決度」「ブランド理解度」「実現可能性」「普遍性」の5項目を基準に競った。各チーム決勝まで残っただけあり、面白い着想が揃っていたので、以下に紹介したい。

TBSテレビ部門

チーム名:壁ドンカモン
「”あわよくば欲”を蓄積し、若者のテレビ離れを解消」

141026applim記事_壁ドンカモン引用:学生団体applim

女子大生3名からなる壁ドンカモンは、人間の欲求の段階を構造化し、その中でも特に”あわよくば実現したい欲求”を”あわよくば欲求”と定義。実はテレビ番組視聴には”あわよくば欲”が溢れていることに着目した。たとえば、テレビ番組を観ていて、女優の着ている服等を”あわよくば”欲しい、と思ったことはないだろうか。その”あわよくば欲”を蓄積するサービスを作り、SNSを通じてシェアすることで、テレビに注目を集め、若者のテレビ離れを食い止めようというアイデアである。従来では、自分が欲しいと思ったものを買うにとどまっていたが、SNSを通じてその”欲”をシェアすることで第三者に購買を促すという点で面白い着眼点であると言える。

注目したいのは、彼女たち自身がテレビ離れしている”若者世代”だということだ。つまり、彼女たちの感覚、視点こそが、マーケッターが立つべき視点でもあると言える。そんな彼女たちが提唱する、”自分が良いと思ったものをシェアし、みんなに知ってもらう仕組み”を提供できるかどうかが、若者世代の視聴者を獲得する鍵となるかもしれない。

チーム名:デスモセディチ
「”休日はTBS”というブランドを屋外ビューイングで実現」

141026_applim記事_desmossedici引用:学生団体applim

デスモセディチは、歴史を遡り、本来テレビは”コミュニケーションが生まれる空間”であったとした。その上で彼らが提案したのは、テレビは家で観るものという常識を覆す、屋外での視聴体験である。テレビ離れが叫ばれる昨今であるが、彼らはカフェやバー等、家の外でふと目に入るコンテンツにはついつい見入ってしまう、という点に着目した。そこで、屋外で映像が観られる公園等を設け、そこで生まれる視聴体験に目を向けようというアイデアだ。従来のテレビのあり方に縛られない独特な着想で観客を湧かせた。

屋外の視聴体験といえば、サッカーW杯の際に、多くの人が自宅ではなく、パブリックビューイングを行っているカフェやバー等に駆けつけて観戦していたのは記憶に新しい。これこそまさに”コミュニケーションの生まれる空間”である。言い換えれば、時代は変わったが、人々は未だコミュニケーションが生まれる空間を欲しているのである。若者のテレビ離れが懸念されて久しいが、デスモセディチが言うように、”テレビは自宅で見るもの”という概念を覆し、コミュニケーションが生まれる空間としてテレビを再定義した番組づくり、もしくは視聴体験を創出していけば、視聴者はまたテレビのもとへ戻ってくるだろう。

JT部門

チーム名:センチメンタルジャーニー
「気分に合わせてたばこを変える”嗜みの再発見”」

141026_applim記事_センチメンタルジャーニー引用:学生団体applim

センチメンタルジャーニーは、たばこという製品そのものを変えずして変える、”嗜みの再発見”を提唱した。喫煙者の多くは「違う銘柄のたばこを試したいと思っている」という調査結果に基づき、気分に合わせてたばこの種類を変えるというアイデアである。アサヒ飲料が手がける缶コーヒー”ワンダモーニングショット”が”朝専用”というブランディングで成功したように、たばこも気分に合わせて選べるようなブランディングを展開すべきだというモデルを示した。他分野で成功した事例を例に出した説得力のあるプレゼンテーションであった。

彼らの提案は一種のマーケティングの手法として非常に理にかかっている。200万部超のベストセラーを連発しているノンフィクション・ライターのマルコムグラッドウェル氏は、以前 TED.comの講演 の中で、人の嗜好の多様性について語っている。彼の主張のポイントの一つに、”The mind knows not what the tongue wants.(舌が欲しいものを頭は分かっていない)” があるが、これはつまり、人は選択肢を与えられることで初めて、自分がそれを欲していたことに気づく、と言っているのだ。たばこに関しても同じことが言えて、何となく吸い慣れているから、といった理由で銘柄を選んでいる人たちに”朝専用”や”食後専用”といった新しい選択肢を与えるだけで、選ぶ喜びが生まれ、売り上げの増加が見込めるかもしれない。

チーム名:closhe
「分煙に”高さ”の概念を加えた”分層”でみんなに優しい分煙を」

141026_applim記事_closhe引用:学生団体applim

本大会で最優秀賞に輝いたclosheは、”たばこの煙は上にいく”という点に着想し、段差を設けた少し高い位置に喫煙所を設置するというアイデアを提唱した。煙は上にいく、だから高いところで吸えばいいというシンプルなアイデアと、喫煙者、非喫煙者の双方に優しいという点で高評価を得た。言われてみれば当たり前だが、気が付かなかったというコロンブスの卵的発想は、やはりイノベーションの原点である。

JTの調査によると、年々喫煙者の数は減少している。増税など様々な要因が働いていると考えられるが、ひとつには、喫煙者の”肩身のせまさ”も挙げられるだろう。そこでclosheが提案したような、喫煙者も非喫煙者も嬉しい分煙の形が提案できれば、喫煙者の肩身の狭さが緩和され、喫煙者の減少に歯止めをかけることが出来るのではないか。

Microsoft部門

チーム名:HALO-V
「”フィジカルアカウント”で仮想バーチャルフィッティングを実現」

141026_applim記事 HALO-V引用:学生団体applim

HALO-Vは、AppleアカウントやFacebookアカウント等に対して、Microsoftアカウントは有効活用されていないという問題意識を踏まえ、ユーザーの身長や腕の長さといった身体情報を管理する”フィジカルアカウント”をMicrosoftは採用すべきだと提唱した。そして、これが実現すれば、オンラインモールで衣料品を購入する際、アカウント情報に基づいて”バーチャルフィッティング(仮想試着)”が可能になるとした。身体情報を使った今までにないフィジカルアカウントという概念は、まさにアカウントのあり方の”再発見”と言えるだろう。

調査によると、オンラインで服を買うことに抵抗がない人は、2014年の時点で未だ全体の25%に満たない。しかし、仮にHALO-Vの提唱するフィジカルアカウントが普及していけば、”買ったけれどサイズが合わない”といった苦い経験は確実に減っていくだろう。そうなると今後EC(eコマース)市場が更に拡大する可能性もある。次世代Windowsのアカウントに是非搭載してほしい機能である。

チーム名:あおちょう
「Surface to face!顔認証ログインでユーザーの体調管理」

141026_applim記事あおちょう引用:学生団体applim

あおちょうは、Microsoftのタブレット端末Surfaceで、必ず行うログインという作業を顔認証で行うと同時に、その画像から得られる顔色や血中酸素等の生体内データに基づきユーザーの体調を判断。その結果に基づき、ユーザーの体調が優れない場合にはアラートを出すという機能を提唱した。仕事と健康という問題意識は、過労が社会問題となっている日本では特に重要な課題であり、それをタブレットで解決しようという着想は非常に面白い。

近年IoT(Internet of Things)市場は拡大傾向にあり、2018年までにその国内規模は21.1兆円に到達する見込みである。もしログインするだけでユーザーの体調が判断でき、そのデータをネット上で管理できるとしたら、例えば会社規模での社員の体調管理も非常に容易になる。注目のIoT市場で必ずや注目を集めることだろう。

まとめ

いかがだっただろうか。恐らくシンプルながらも、はっとさせられるアイデアがあったのではないだろうか。登壇者は全て大学生であったが、その発想を発想で終わらせることなく、是非実現してもらいたいものである。

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