シスコが提唱するIoT時代のアーキテクチャ「フォグコンピューティング」

WRITER : 野田 勝

  IoT

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近年IoT市場の成長が著しい。IoTとはモノのインターネットと訳され、家電や車などありとあらゆるモノがインターネットに接続される状態のことを指す。

シスコの試算によると、2020年までに500億個のデバイスがインターネットに接続されるようになるという。そんな中、米シスコシステムズ(以下シスコ)が提唱しているIoT時代の新たなネットワークシステムをご存知だろうか。

”クラウド(雲)”とデバイスの中間に位置する”フォグ(霧)”コンピューティングと呼ばれるネットワークは、膨大な数のデバイスから収集されるデータの処理に対応する、IoT時代の次世代コンピューティングである。

▼参考

IoT時代の新たなイノベーションを加速させるフォグ コンピューティングのプラットフォームCisco IOxを発表

いよいよ本格化するInternet of Things

 

シスコが提唱するIoT時代の次世代コンピューティング

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引用:inSPire

シスコによると、膨大な数のデバイスがインターネットに接続されるIoTの時代には、従来のネットワーク構造では膨大なデータを処理しきれなかったり、データ処理のスピードが遅いといった問題が発生するという。

そこでシスコが提唱しているのが、クラウドよりデバイスに近い位置に広く分散したデータ処理装置を設置し、全体を統一のインターネットプロトコルで設計することで、より機敏で、臨機応変なサービスを提供できるネットワーク構造である。

クラウド(雲)よりデバイスからの物理的距離が近く、霧のように広く分散していることから、これを”フォグ(霧)コンピューティング”と呼ぶ。

 

IoT時代にはクラウドより前にデータ処理を行うネットワークが必要

一般的に、末端のスマートデバイスで生成された情報は、Wi-Fiや3G、4G回線を介してクラウド上のデータセンターへと送信される。

一方で、IoT時代のフォグコンピューティングのネットワークは、従来のように、ただ末端のスマートデバイスで生成された情報をクラウドへと送信するだけではなく、以下の3つの条件を満たしている必要がある。

1.クラウドに代替できるデータ処理能力を備えている

IoTサービスの中には、機敏な反応が求められるものがある。そのような場合、デバイスが収集したデータをその都度クラウドに送信していたのでは処理が間に合わない。従って、必要に応じてクラウドより前の段階のネットワークでデータ処理を行う必要がある。

2.「Coupling of Object」という機能を備えている

「Coupling of Object」とは、複数のデバイスから収集したデータを統合するハブのようなイメージである。IoTデバイスが収集するデータの中には、それ単独では意味を成さず、複数のデバイスから収集したデータを統合して初めて意味を成すものがある。

例えば、気象センサが生成するデータと、位置情報を組み合わせることで、現在地から何キロ離れた地点で現在雷雨が発生しており、あと何分で雨が降り出すのか、といった情報をユーザーに届けることができる。このように、様々なデータを収集、蓄積、及び分析する機能をクラウドより前の段階のネットワークが備えている必要がある。

末端のデバイス接続や制御の機能

冒頭で述べたように、IoTの時代には500億以上の膨大な数のデバイスがインターネットに接続される。デバイスとデバイスが協調して動作する際に、個々のデバイス同士を繋ぐネットワークを構築するよりも、各デバイスからのデータを一旦ハブへと収集し、協調動作させる方が効率が良い。従って、ネットワークは末端のデバイスと接続したり、制御する機能を備えている必要がある。

分散型コンピューティングでより素早いレスポンスが可能に

上述のように、よりデバイスに近い位置でデータの処理を行うことで、臨機応変で迅速なサービスを実現することができる。この点に関して、米シスコシステムズのバイスプレジデントIoTバーティカルビジネス担当のトニー・シャキブ氏は次のような例を挙げて説明している。

”東京のような都市で交通事故が起きた場合、救急車はなるべく早く現場に到着したいものの、渋滞に巻き込まれてなかなか前に進めないことがある。 だが、フォグコンピューティングを導入すれば、スマート信号機のビデオカメラが救急車のライトの点滅を感知すると信号が自動で変わり、救急車が空いた車線を走れるようになる。患者を搬送する際、リアルタイムで患者の状態データを病院に送信することもできる”

IoTの世界を実現するインフラネットワークの構築にも期待が高まる

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フリー画像

インターネットが登場して以来、ネットに接続されるデバイスの量は増え続け、2000年後半には既に世界の人口を上回り、2020年には500億ものデバイスがインターネットに接続されるようになるという。

最近では高機能で便利なIoTデバイスに大きな注目が集まっているが、IoT世界を根底から支えるネットワーク構築に取り組むシスコの動向にも、引き続き注目していきたい。

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