アメリカで登場して6年、市場規模1000億円を突破
引用元:CARTERA
皆さんはCLOという言葉をご存知だろうか。
CLOとはCard Linked Offerの略で、クレジットカード連携型の特典サービスを指す。具体的には、会員の決済履歴を分析して、その人にあった割引クーポンなどを送り、該当する店舗においてクレジットカードで支払うと、その割引が受けられるといったサービスだ。調査会社のAite Groupによると、米国におけるクレジットカード取扱額は2015年に11兆5000億円規模になると言われており、アメリカのCLO関連市場は5800億円に登るとされている。国内外からも非常に注目を集めている業界だ。
CLOの仕組みはどうなっている?
引用元:NRI REPORT
CLOの仕組みは以下の様になっている。
基本的なサービスとしては、クレジットカード事業者が顧客の購買履歴をが分析して、個々の顧客に合ったクーポンなどを送る。顧客は実際に店舗に行って支払いをクレジットカードで行う事で、自動的に割引を受ける事ができる。顧客は購買履歴を踏まえて送られてくる自分の興味のあるクーポンだけを受け取る事ができる上に、店舗で該当するクレジットカードを使うだけで割引を受ける事ができるから手間がない。更に、ECサイトでも同じやり方で割引を受ける事ができる。
店側も、新しい設備を導入する必要がなく、より購入する見込の高い顧客に絞ってアプローチできるので効率が良い。クレジットカード事業者は、顧客一人あたりのカード利用額を増加できる上に、店側からのコミッションで収益を上げられるという寸法だ。CLOサービス会社からレポートで送られてくる顧客の利用データを元に、販促施策を改善する事も可能だ。
整理すると、CLO施策には以下の様なメリットがある。
・ターゲティング・セグメントを分けた訴求が可能
・新たな設備投資、オペレーション、トレーニングが不要
・Web、実店舗関係なくオムニチャネルでの展開が可能
・購買データを元に他の施策への展開が可能
上の説明で良く分からなかったという方はこちらの記事を確認頂きたい。
国内外CLOサービス企業の紹介
引用元:Finance Startups
Cardlytics
引用元:Cardlytics
Cardlyticsは2008年にアメリカで設立されたCLOサービス企業である。Cardlyticsはイシュアと呼ばれるカードを発行する銀行と協業してサービスを提供する形をとっており、バンク・オブ・アメリカと業務提携を行っている。他にも、400社以上の金融機関との提携を行っており、約3500万世帯へのアプローチが可能となっている。
Kanmu CLO
引用元:Kanmu CLO
株式会社カンムは2011年に設立された「決済 × アドテクノロジー」をテーマとしてかかげるスタートアップ企業だ。同社のサービスの特徴は、初期・月額費用ゼロの完全成果報酬型のサービスを展開している所だ。課金方式は売上、もしくは件数あたり課金の2パターンから選択する事ができる。これにより、実質的にノーリスクでCLOサービスを導入する事が可能になる。
同社はクレディセゾンと提携しており、クレディセゾンカードのWeb明細ページからオファーを配信している。ターゲットを性別・年齢・住所・購買履歴・地域で絞ってクーポンを配信したり、セグメントごとにインセンティブの比重を変える事も可能だ。更に、毎月オファー数、クリック数、購買数などをレポートで送ってくれるので手間なく効果測定を行う事ができる。優れたビジネスモデルを武器に、事業の拡大を狙う期待のスタートアップである。
まとめ
・アメリカのCLO市場は5800億円なると言われ、注目されている成長市場である。
・CLOとは、カードの会員属性や購買履歴を分析して顧客に合わせたオファーを配信し、カードで支払う事により、特典を受ける事ができるサービである。
・店側は新たな設備導入やトレーニング無しで、希望するターゲットにアプローチする事ができる
参考URL:
http://finance-startups.jp/2014/01/us_clo_players_map/
https://www.nri.com/~/media/PDF/jp/publicity/n_letter/2013/nl201309.pdf
http://www.forbes.com/sites/spleverage/2013/01/29/as-clo-market-booms-size-of-deals-creeps-toward-pre-credit-crisis-levels-3/