話題の日米O2Oサービス。カオスマップから見る世界の動き~POSレジ&データ活用編~

WRITER : 朴 泳虎

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引用元:http://finance-startups.jp/2012/08/o2o-chaosmap/

オフライン・オンラインの垣根を無くすO2Oやオムニチャネル化が進み、ショッピングのデジタル化と、店舗にかかる費用を抑えて低価格で商品を提供するECサイトに対抗し、モノ以上の顧客体験を提供する必要に迫られた小売企業の現状がある。今日はマーケティングの現場で活用される話題のO2OカオスマップPOS編のサービス事例(以前リクルートのAirレジでも紹介)を、最近注目を集めるスタートアップから定番の老舗まで新旧交えてご紹介したい。

POSデータは売上を4倍にする道標

POSとは、Point Of Saleの略称で、商品を販売した時点を指している。一般的にPOSデータというと、「どの商品を」「いつ」「いくらで」「いくつ」売ったのかといった情報を意味している。これらの情報を元に、経営者は売れ行きを観察して緻密な在庫・受発注計画を立てている。更に、複数店舗の販売動向を比較したり、天候と売り上げを参照して傾向を把握する事も出来る。東京大学博士の飯坂正弘氏の論文によると、POSを導入した結果として売上が4倍になった店舗も複数存在する。

最近では、会員カードに登録されている顧客の年齢・属性などの属性データと組み合わせる事により、属性別の売上や購入商品を分析する手法がマーチャンダイジングのフィールドで多く用いられている。他にもPOSシステムと経理システムを連動させることでクレジット決済や税額の自動計算を可能にし、一元的に情報の管理が出来るシステムもある。矢野経済研究所の調査によると、2012年度のPOSターミナル市場規模は約450億円でほぼ前年度の水準を維持している。

カオスマップから見るグローバルPOS動向

Square Register

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引用元:http://appadvice.com/appnn/tag/square-register

言わずと知れた、モバイルクレジットカード決済サービスを提供するSquareによるPOSレジ。販売した商品の名前・価格・数量・日時が分かるのは勿論のこと、Eメールでレシートを送信したり、商品カテゴリとお気に入りページの作成や、税金の設定、ディスカウントの適用なども可能だ。そして驚くべきは、これらの機能がSquareのクレジット決済サービスを利用していれば無料で利用できるという点である。クレジット決済サービス自体も決済時の手数料の3.25%以外は初期費用や月額費用が一切かからないため、実質的に無料で導入する事が出来る。アメリカとカナダで加盟店が420万を突破するなど、大人気なのも頷ける製品だ。

42

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引用元:http://techcrunch.com/2014/02/21/42-an-online-platform-bringing-big-data-to-brick-and-mortar-retailers-makes-its-debut/

42はクラウドSaaS型のPOSデータ解析サービスを提供しており、世界的に有名なVCのYCombinatorから投資を受けている(出資額は非公開)カナダ発のスタートアップ企業である。小売店舗がオンライン上のブラウザを通してPOSデータを送ると、コンサルタントが分析結果と改善施策を提案してくれるので、ビッグデータ解析の専門的なノウハウなしで使用する事が出来る。

これにより、優先度の高い顧客・商品の分析や需要予測を含む在庫管理などが可能になる。クラウドSaaS型で比較的安価に導入が可能なので、大規模な設備投資とノウハウが必要となるビッグデータ解析システムの導入を見送っていた企業には一考の価値があるサービスだ。しかし、現在のビジネスモデルではデータを解析して改善策を提案するコンサルタントの稼働が、クライアントの数に比例して多く必要になってくる点がスケール時の課題になることが懸念される。データの分析結果と改善策をある程度の傾向ごとにパッケージ化して販売することで、スムーズにビジネスを拡大できるのではないかと考えられる。

Freshbooks

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引用元:http://jurispage.com/2013/timekeeping-and-billing-software/freshbooks-review-cloud-based-billing-and-invoicing/

Freshbooksは2003年に登場したクラウド型の自動会計ソフトを提供している企業で、現時点で約500万人のユーザーを持つ。国内で1万事業者に登録されているクラウド会計ソフトfreeeと類似したサービスを提供しており、基本的な請求書作成、支払い、経費明細書作成、会計報告などを自動でしてくれる優れものだ。

例えば、オフィス用品のレシートをスマートフォンで撮影すると、自動的に帳簿の経費カテゴリーに出金を記載してくれる。また、銀行口座やクレジットカードのデータからバランスシートを作成する事も可能だ。これらの高い機能性に加え、高いユーザビリティと月額$20という低価格を理由に、海外の中小ビジネスオーナーに絶大な人気を誇っている。

Catalina Marketing

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引用元:http://bostinno.streetwise.co/channel/catalina/careers/

Catalina MarketingはPOSと連動した店頭メディア「レジ・クーポン」を活用したマーケティング支援を行う企業である。レジ横に設置した機器からクーポンを発行するサービスや、収集した顧客の購買データに基づいて個別最適化したコンテンツを、モバイル向けに配信するサービスを展開している。デジタルとアナログを組み合わせたO2Oマーケティングを得意領域としている。同社は日本にも展開しており、イオンやイトーヨーカドー等のスーパーやショッピングモールを中心として約4600店舗にサービスを導入している。

POSとPOPが連動したリアル世界のGoogleAnalyticsへの期待

現在、小売マーケティングでは店舗内プロモーションの個別最適化が注目を集めている。例えば、Beacon(ビーコン)の登場により、スマートフォンを通して店舗内の顧客の位置を追跡する事が可能になり、顧客の位置に合わせて広告やクーポンなどを配信する等の活用事例が増えてきている。これとPOSデータを連携させる事で、店の在庫状況に合わせて配信するコンテンツを変えたり、顧客の購買履歴に合わせたオファーを提示する事も可能になる。

また、購入後の購買データだけでなく、入店から購買に至るまでの(Point Of Purchase)データを連携する事により、購買に至らなかった顧客まで漏らすことなく網羅的な顧客分析が可能となる。続々と店舗内の顧客属性や行動を分析するサービスが出現し始めており、企業におけるデータのオムニチャネル化を実現するオフライン世界のGoogle Analyticsの様な存在の登場が期待されている。進化を続けるリテールテクノロジーに今後も注目していきたい。

カオスマップIn store Marketing編はこちら

参考URL:

http://e-words.jp/w/POSE382B7E382B9E38386E383A0.html

https://squareup.com/jp/sell-in-store

http://www.42debut.com/

http://www.freshbooks.com/

http://www.catmktg.co.jp/about/

http://www.catalinamarketing.com/

http://www.freee.co.jp/news/10000jigyousho-795.html

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