【連載企画】ファッション×テクノロジーの最先端を行く専門家が語る未来の姿

WRITER : 朴 泳虎

  iBeacon

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従来のファッション業界で最も重視されていたのは「イメージ」だった。人々が受ける印象やイメージが全てと言っても過言ではないファッションは、数字が最も重視されており、マーケティングからビジネスの目標設定まで数値を元に構築されているIT業界とは対象的であった。

この様な感覚の違いからか、ファッション業界は以前よりIT化の最も遅れている領域の一つであったが、ECの台頭やスマートフォンの普及に伴う顧客の購買行動の変化などの急激な市場環境の変化を背景に、新しいテクノロジー活用が進んでいる。

具体的な例で言えば、iBeaconや集客アプリなどの取り組みが記憶に新しいだろう。

本稿では、テクノロジーにより変化する未来のファッション業界についてご紹介したい。

ファッション業界のテクノロジー活用を推進するDecoded Fashion創設者リズ・バセラーが語るファッションとテクノロジーの未来

 Decoded Fashionとは、世界初のファッション業界におけるテクノロジー活用をテーマとしたカンファレス、及びその運営団体である。Decoded Fashionは、ファッション企業の意思決定者とテクノロジーの専門家が交流する場を通じて、ファッション業界にイノベーションを起こす事をミッションとして創設された。

創設者であるリズ・バセラーは元テクノロジー企業のPR担当であり、テクノロジー企業の経営者からファッション業界に対する新しいアイディアを聞くものの、その多くが実現することなく消えていくのを見て、テクノロジーとファッション業界が交わる場所が必要だと強く感じて、同団体を設立するに至った。

そんな彼女が提唱する、テクノロジーがファッション業界にもたらす大きな変化が以下の6つである。

ファッション1112

引用:http://www.papercutmag.com/articles/2012/05/04/decoded-fashion-2012-gets-encoded

1.テクノロジーの進化でビジネスが効率化するほど、デザイナーはより真剣にアイデンティティ確立に向き合う必要が出てくる

 ブログやSNSが出現して、ブランドの開設やPRコストが低減した事によって、大手ファッション企業が持つビジネス的な優位性は相対的に低下している。やろうと思えば、ECプラットフォームとSNSを利用してほぼノーコストでブランドを立ち上げる事が出来てしまう時代だ。ゆえに、デザイナーはより明確なブランドのアイデンティティを確率して、他社との差別化を図る必要がある。

2. 既存のルールに縛られない新しいビジネスモデルが必要

ECプラットフォームやSNSが登場した事で、今までのプロセスを経なくても優れたアイディアとビジネスパートナーがいれば、素晴らしいブランドを作ることができるようになった。ゆえに、ビジネスモデルも既存の枠組みを超えた新しいものを考える必要がある。

3.ECブランドの実店舗展開が進む

Amazonや楽天などの大手ECサイトが実店舗を出店したというニュースは記憶に新しい。この動きはファッション業界でも見られ、BonoboやWarby Parkerなど、オンライン上でのみ販売を行っていたブランドが投資を受けて実店舗をオープンするケースが見られ始めている。

ECが勢力を増しているものの、顧客体験という点では実店舗に利との見方もあるが、実店舗を展開するECブランドの動きには注目が集まる。

4.ソーシャルメディアでのマネタイズに関心が集まる

ファッションブランドはあらゆるマネタイズ方法を検討する中で、ソーシャルメディアに目を付けた。しかし、まだ成果を出している企業は多くない。Facebookでのマネタイズを検討してうまくいかなかった企業はTumblrやInstagramに移行して取り組みを継続している。

5.卸売の存在感が縮小する

ファッション業界のビジネスモデルは大きく変わりつつある。卸売業者を介する事無く、顧客に直接オンライン販売する事で低価格を実現する企業が登場している。顧客は低価格で商品を手に入れることができるし、ブランドはバイヤー(卸売業者)と交渉する時間と労力をプロダクトを作る時間にあてる事ができ、両方にメリットがある。

6.感情が顧客とのコミュニケーションのキーワードとなる

リテール企業にとって顧客の感情に訴える事はますます重要になっている。テクノロジーはそれを実現する上でますます重要になってくる。リズ・バセラー氏は具体例として
PERCH」のサービスを挙げた。

「PERCH」はテーブル型什器にインタラクティブ広告を投影するサービスを手掛けており、画像・映像・音声を駆使した全く新しい顧客体験を提供すると共に、顧客がどの商品に触れ、どのコンテンツを閲覧したかというデータを定量的に計測することができる。

テクノロジーの介在しない業界にこそイノベーションが潜んでいる

ファッション1114

ここまで、テクノロジーがもたらす未来のファッション業界の姿についてご紹介してきた。

現在、ファッション業界を始めとした「テクノロジーの介在が少なかった業界」で、テクノロジー活用が急速に広まっている。

古い慣習や仕組みが残っている業界にこそ、大きなイノベーションの可能性が潜んでいる。

引き続き、テクノロジーがビジネスにもたらす変革についてお伝えしていきたい。

 

▼参考記事
いま、ファッション業界でIT革命が起きている

話題になったファッション系テクノロジーまとめ

2015年注目の最新ファッションサービス3選

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