3つの要因から導かれるAmazonが実店舗を展開する狙いとは

WRITER : Editorial department

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Amazon_CEO引用:statesman.com

Amazon.comの2012年における全世界総売上高は610億9300万ドル(約6兆6000億円)と、世界最大のネット小売業者の地位を確立している。誰もが一度はAmazonを利用したことがあるだろう。即日配達をしてくれたり、実店舗ではなかなか見つからない商品までもを扱ってくれていたりなど、我々の生活をより快適にした要因の1つはAmazonであると言っても過言ではない。

そんなAmazonが、ニューヨークに実店舗をオープンしようとしているというニュースを、10月9日に米Wall Street Journalがこの件に詳しい筋の情報として報じた。ECサイト最大手のAmazonが実店舗の運営へと乗り出すその要因と、そこから浮き彫りになる同社の狙いに迫っていこう。

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Amazonが実店舗を展開する3つの理由

Amazonが実店舗を展開する理由は3つある。1つずつ見ていこう。

1.顧客は購入前に商品を試したいと考えている

顧客が購入前に商品を持ったり、着たり、動かしてみたりしたいと思うことは、全く不思議でないことで、むしろ当然だろうと誰もが納得するはずだ。

screen shot 2014-10-10 at 11.44.23 am引用:Business Insider

上図の「Trial and test」の項目を見ていただきたい。オレンジの箇所は、顧客がオンラインよりも実店舗で行うことを好んでいるということを表している。この図から読み取れることは、少なくとも70%以上の顧客が実店舗で商品を触ったり試したりしたいと考えているということだ。

2.顧客は高額な商品ほど実店舗での購入を望んでいる

顧客は、家電や家具、アクセサリーなどといった高額な商品を購入するにあたり、時間と手間を惜しまない。大きな決断は実店舗でする傾向にある。そのことは、下図から読み取れる。

screen shot 2014-10-10 at 11.39.31 am引用:Business Insider

この図は、あるジャンルの商品を「Discover(探す)」「Trial(試す)」「Purchase(購入する)」「Pickup(持ち帰る)」「Return(返品)」する際、実店舗とオンラインどちらがよいと思うかの割合を示したものだ。

ここで読み取れるものとして、オンライン上よりも実店舗での購入を好む顧客は、全ジャンル平均で70%近くおり、最も低い「Computer and electronics(コンピュータと家電)」でさえ、半数以上の人が実店舗で購入したいと考えているということだ。家具にいたっては80%近い顧客がオンラインよりも実店舗での購入を望んでいることがわかる

3.小売取引額の大部分は実店舗で行われている

2012年度第1四半期での米国における小売全体のうち、オンライン販売が占める割合は4.9%となっており、小売の大部分はまだまだ実店舗で行われている

14-10-24 20.26.57引用:Merchant Warehouse

Merchant Warehouseによれば、約65%の人がウェブルーミング(商品をオンライン上で確認し、実店舗で購入すること)を行っているという。オンラインから実店舗への流出数が少なくないのも事実だ。

3つの要因から読み取れる狙い

Amazonは顧客満足度の向上と販路の拡大を目指しているのではないか。

まず、実店舗を持つことで、返品対応にも応えやすくなる。先に挙げた画像のうちの2つからも読み取れるように、顧客は実店舗での返品を好んでいる。たとえオンラインで注文した商品が期待はずれのものであったとしても、実店舗ですぐに返品が可能になれば、今まで失敗を恐れオンラインで商品を購入してこなかった層を取り込むことができるのではないか。

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また、オンライン上では販売量の見込めなかった商品を扱えるようになったり、ウェブルーミングによって離れっていってしまう顧客を実店舗で受け止めたりすることが可能となる。オンラインで注文し、その日のうちに実店舗で受け取る、なんてこともできるだろう。

そしてなによりも、顧客が実店舗を好む傾向に合わせることができる。もちろん、オンライン購入を好む顧客に対するサポートも今まで以上に可能だ。これ以上に顧客の満足度を向上させることはないだろう

日本でも楽天が実店舗を展開している

140529rakutencafe04引用:ギズモード・ジャパン

オンラインショッピングモールの楽天市場を運営する楽天株式会社(2012年楽天国内EC流通総額:1兆4460億円)は、2014年5月29日に同社としては初めてとなる常設型の実店舗を東京・渋谷にオープンした。この店舗、「楽天カフェ」という名の通り、コーヒーを飲みながらスイーツを食べられ、店内には無料のWi-Fiもある。

この楽天カフェの狙いは、実物を見ることができないネット通販に不安を感じる人に対し、実際に手に取り、舌で味わってもらい、安心感を得てもらおうというものだった。先のAmazon同様、リアルの安心感を求める顧客に対応するために、実店舗のオープンに至っている。やはり、オンライン側からも実店舗側からも顧客を取り込めるのは強みだろう。

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オンラインで培った顧客行動分析を実店舗でも

オンラインでは、解析サービスを用いて、顧客の属性(性別や年齢等)や、どのような商品を閲覧しているのかといった行動の情報は簡単に取得可能だ。その一方で、今や実店舗でもiBeacon(アイビーコン)や画像解析といったテクノロジーを用いることで、顧客の属性や行動を分析できるようになってきている。

そしてAmazonには、オンラインで培った顧客行動分析のノウハウがある。それを活かし、今後展開するであろう実店舗でも、顧客の属性と行動を踏まえた売り場作りを展開していくのではないだろうか。世界一有名なECサイトのAmazonが手がける実店舗、どう展開していくのか。今後の動きに注目だ。

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海外企業比較!Amazonとアリババの描く経営・O2O戦略! | O2O イノベーションラボ

▼参照
元Amazon社員が明かす、”最強の捕食者“Amazonのビジネスモデルとは?
Why Amazon Should Open Stores – Business Insider
Top 3 reasons Amazon will open actual storefront
ニューヨークだより2012年6月増刊 小売業オンライン・モバイル動向
楽天売上推移・店舗数・シェア・店舗数・1店舗あたり売上高
楽天がカフェ運営の先に見据える野望 | 企業戦略 | 東洋経済オンライン

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