魔法のツール?期待はずれ?いま話題のiBeacon(アイビーコン)を徹底解明!

WRITER : 朴 泳虎

  iBeacon

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小売関係者の間ではiBeacon(アイビーコン)という言葉が「クラウド」や「ビッグデータ」のようにバズワードになりつつある。しかし、実際にiBeaconがどのようなもので、何が出来るものなのか、よく知らないという人が意外と多いのではないだろうか。

今回は、そんな人のためにそもそもiBeaconとは何なのか、何ができるのか、導入時に何が課題になるのかについて詳しくご説明したい。

話題のiBeaconとはそもそも何なのか?

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引用:Momentology

「iBeacon(アイビーコン)」とは、2013年9月からAppleのiOS7に搭載されるようになった、Bluetoothを利用した無線技術である。

手のひら大の小さなデバイスを設置することで、アプリを連携してBluetoothをオンにしているスマホ等のモバイルデバイスの正確な位置情報を把握したり、位置に合わせてプッシュ通知を送ることが可能となる。

例えば、アパレル店舗のマネキンに設置して、近づいた顧客に対してマネキンが来ている服のクーポンをプッシュ通知で送るといったことができるようになる。

海外ではコカ・コーラ社がワールドカップに向けてiBeaconを使った大掛かりな実験や、アメリカ最大の百貨店Macy`sが集客ツールとして用いて大成功したことが報道され、認知度が高まった。

iBeaconで小売店舗はどう変わる?

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引用:Event Manager Blog

小売店舗におけるiBeacon導入のメリットは大きく2つに集約される。

1つは適切なタイミングで顧客と双方向コミュニケーションが取れることである。

従来のチラシやDMなどは一方的に送るのみであったが、iBeaconは顧客の位置に合わせて情報を発信することができ、顧客がその情報に対してとった行動もデータとして蓄積して効果検証を行うことができる。

更に、個々の顧客の来店頻度や滞在時間に合わせてメッセージを送ることもできるため、個別最適化したマーケティング、オンラインで言うところのOne to One マーケティングが可能になるのだ。

もう1つは顧客の位置情報から店舗内でどのような行動をしていたかといった、顧客行動データを取得できるという点だ。

例えば、iBeaconで入店客数をカウントして売上データと結びつけることにより、購入をせずに店舗を離脱している顧客の割合が明らかになったり、顧客がどの場所にどのぐらい滞在したかを計測することによって、店舗内で人気のある場所をヒートマップのような形で可視化することもできる。

上の2つのは顧客にとっても大きな変化を意味する。今までは商品の詳しい情報を知りたければ店員に聞くか、スマホを使って自分で検索していたものが、自動的に(自分が商品に近づくのに合わせて)適切なタイミングで送られてくるようになることで手間が大きく省ける。

更に、個別の来店頻度や滞在時間などに合わせてメッセージやクーポンが送られて来ることで、特別感が演出され、より満足度の高い購買体験となる

iBeacon導入までに立ちはだかる5つの課題

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引用:Venturebeat

小売企業にとって大きな革命となりうるiBeaconだが、一方でその有効性について疑問も上がっている。

iBeaconを活用の課題は一般的に下記のものが挙げられる。

①Bluetoothを付けていない顧客が一定数いる

皆さんは普段、スマホのBluetoothをつけているだろうか?BLE (Bluetooth Low Energy)という新規格の登場により、Bluetoothの消費電力は劇的に低下したが、それでも依然としてバッテリー節約のためにオフにしているというユーザーは多い。Bluetoothをオフにしている人に対して、iBeaconは全くの無力である。

②顧客がそもそもプッシュ通知に注意を払っていない

スマホユーザーには1日に何十件ものプッシュ通知が届く。中には重要なものもあるのが、基本的には必要のない情報であまり見ずに消してしまうユーザーが多いのも事実である。プッシュ通知を送ることができても、関心をはらってもらえないのであれば徒労に終わってしまう

③顧客がアプリをダウンロードしない

ここが最も骨が折れるポイントの一つだが、iBeaconはアプリをインストールしていない顧客に対して情報を発信することはできない。しかし、洗練されたアプリが溢れかえっている現在、顧客にアプリをダウンロードしてもらうのは簡単なことではない。

④プッシュ通知が多すぎると顧客が嫌悪感を持つ

iBeaconはまだ非常に新しい取り組みだ。プッシュ通知などで過剰に干渉すれば顧客が嫌悪感を持つのは目に見えているが、どういったコンテンツではどのぐらいが適切なのかといったことを判断するには、まだ前例が少なすぎるのが現状だ。

⑤iPhone以外のユーザーも大勢いる

iBeaconはApple社製品、つまりiPadやiPhoneを持つユーザーに対して開発されたものであり、一部の他社製品に対応していない。例えば、日本のスマホユーザーの30%以上はAndroid OSを搭載したスマホを使用しているが、Androidに関してはAndroid4.3からBLEに対応し始めた為、それ以前の機種はiBeaconに対応していない。更に、日本では未だにフィーチャーフォンの人気が根強く、携帯ユーザーの約53%が未だに愛用している。もちろん、企業によってターゲット層は異なるため事情は変わってくるが、一部のユーザーに対してしかアプローチできないことを認識する必要があるのだ。

結局、iBeaconは消費者に何をもたらすのか?

ここまでiBeaconに関して説明してきたが、いかがだったろうか?iBeaconは小売店が顧客とコミュニケーションを取る上で非常に有用なツールであり、大きな可能性を秘めている。しかし、使えば何でも問題が解決する魔法のツールでは決して無い。小売担当者にとって必要なのは、その技術が何なのかを正確に理解して、何ができて・出来ないのか、自社にとってはどんなメリットがあるのか、ということを知ることだ。

また消費者にとっても、アプリをダウンロードする、Bluetoothをオンにするなどの動作が必要になっているが、現段階で得られるメリットは、店舗からクーポンが配信される程度のものがほとんどである。今後は単なるクーポン配信ではなく、個別に最適化した情報の配信を行うなど、従来では不可能だった顧客体験を演出することが重要になってくるだろう。O2Oイノベーションラボでは、今後もiBeaconに関する最新情報を皆様にお届けしていく。

▼参照

Store Beacon

日経BPコンサルティング

Hivelocity

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