人間がロボットに仕事を奪われることはない〜Pepperからサービス用ロボットの未来をみる〜

WRITER : Editorial department

  ロボット

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引用:ソフトバンク

先月、ヤマダ電機、日本IBM、ソフトバンクの3社が共同で、ヤマダ電機の売り場で、人工知能Watsonを搭載したパーソナルロボットPepperを導入すると発表した。前述の3社によれば、来春より順次多店舗で導入していく見通しだという。

ロボットによる自動化の流れは、製造業から物流業、そしてついに小売業・サービス業にまで広がってきている。

2035年にはロボットの市場規模は5兆4,000億円に

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引用:Robotshop

経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によると、2035年のロボット市場全体の市場規模は9兆7,000億円に上り、特にサービス用ロボットの分野が全体の60%近くを占める5兆4000億円に達すると予測されている。

IFR によると、12年の世界のサービス用ロボット販売額は、業務用で3760億円、個人・家庭用で1340億円であるから、23年間で成長率800%という驚異的な成長が見込まれている。

▼参照

2035年に向けたロボット産業の将来市場予測の概要

 

最近では前述のように、サービス業界でPepperの導入が進みつつある。そこでまずはPepperの概要について説明する。

感情エンジンを搭載した人間型ロボットPepper

Pepperは「感情エンジン」と「クラウドAI」を搭載した世界初の感情認識ヒューマノイドロボットである。

Pepperは人を認識し、近づいてきた人に挨拶をしたり、アンケートを実施して顧客のニーズを聞き出すなど、接客ン必要な基本的な機能を備えている。

また、アプリストアからPepper向けに開発されたアプリを読み込むことで、できることが増えていく拡張性の高さも特徴の一つである。

家電量販店での導入事例

ヤマダ電機はPepperを多店舗展開することを発表

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引用:ソフトバンク

冒頭で述べたように、ヤマダ電機は、売り場での接客でPepperを活用していく方針を発表し、既にLABI新宿西口館では実証実験まで行っている。

Pepperは顧客を探して、ぶつからないようにアプローチし、表情や音声を認識することで顧客の情報を推定しながら、自ら接客プランを考えて質問を投げかけていく。

実際の売り場では、顧客の方から積極的に店員に話しかけることは少ないというヤマダ電機のノウハウを活かし、声かけから対話のはじめの方では、Pepperが積極的に会話をリードする。対話が進むにつれて、顧客側に主導権が移っていき、顧客の質問に答えるようになっていく。そして、販売が成立すれば、迅速に在庫・配送状況の確認を行う。

在庫や配送状況の確認は、人間よりもロボットの方が迅速に行うことができるため、販売成立までの接客というフェーズで、ヤマダ電機のノウハウとWatsonによる学習がどこまで融合するかが鍵となっている。

Pepper導入で販管費削減を狙う

このように、ヤマダ電機がロボット導入に踏み切った背景には、販管費の増加が挙げられる。ヤマダ電機の2015年3月期の売上高販管比率は25.1%(前年同期から3%増加)に上昇している。Pepperの導入コストは未知数ではあるが、Pepperがそれを上回る販管費の減少をもたらすことができるかに注目が集まる。

銀行での導入事例

Pepperがみずほ銀行の新入行員に

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引用;みずほ銀行

今年7月、みずほ銀行は、Pepper導入開始の発表を兼ねて、Pepperの入行式を行った。年内に5店舗に導入される予定で、導入効果を検証した後、全国の店舗への配備を検討する。

顧客を楽しませる落語から、金融商品の提案までをカバーする

機能としては、顧客の待ち時間を楽しませるための、金融商品に関連した落語家調の小噺(こばなし)。そして待ち札を利用したおみくじや子供でも楽しめるゲームの提案など様々だ。更には、顧客との一対一でコミュニケーションをとり、会話内容をベースに適切な金融商品を提案することも可能である。

進学塾での導入事例

個別指導キャンパスはPepperを特任講師として任命

近畿圏を中心に約200教室「個別指導キャンパス」の塾名で小、中、高校生を対象に個別指導を行う新教育総合研究会株式会社(大阪市北区)はPepperを特任講師として採用し任命した。

ペッパーの音声認識や発声、・ジェスチャー機能を活用し、単語学習の定着度テストを実施するなど、子供たちの学習内容の定着度を向上できるよう、専用アプリの開発や実証実験を行う予定だ。

ロボットがヒトに取って代わることはない

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引用:ソフトバンク

技術の発展を背景に、実際に人間と接する機会のある業界まで、人工知能・ロボットの実用化が進んできているが、果たしてロボットは人間の仕事を奪っていってしまうのだろうか。

米デューク大学の研究者であるキャシー・デビッドソン氏が、「米国で2011年度に入学した小学生の65%は、大学卒業時、今は存在していない職に就くだろう」と述べているように、人間が、人工知能・ロボットに仕事を「奪われる」ケースが増えてくる可能性は高い。

しかし、Pepperには、利用シーンが限られている割に高額など課題が山積みであり、プラットフォーム化に向けた環境整備が必要など、ビジネスとしてはチャレンジの要素が強い。

だが、専門家の中には、「小売においてロボットが果たす最高の役割は、小売従事者の仕事をよりよくすることだ」「ロボットによって人間は、よりコアな強みである、販売とMDに多くの時間を使えるようになる」と主張するものが多いのも事実である。

人間の仕事を人工知能・ロボットがサポートすることで、人間は販売やマーチャンダイジング(販売政策)という側面でより人間としてのクリエイティビティを発揮できるようになる近い未来に注目する必要があるだろう。

 

▼参照

ソフトバンクプレスリリース「モデルルームや住宅展示場でPepperを活用したトライアルを実施」

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