【連載企画】クイズ王を破ったIBMの人工知能「ワトソン」が、今度は三ツ星シェフに?

WRITER : 朴 泳虎

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さて、皆さんは人工知能の分野が近年、急激に進化している事をご存知だろうか?今やコンピューターは我々の想像以上に、人間と同じことができる様になりつつある。外食産業×ITの連載企画第3弾となった今回は、皆さんにテクノロジーの進歩により生み出された新しい料理の可能性についてご紹介したい。

 

人工知能「ワトソン」は大量のレシピを分析して全く新しいレシピを提案する

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引用:antenna

「ワトソン」とは、IBMが構築した質問応答システムの名称である。「ワトソン」は自然言語、つまり私たちが普段話す言葉で書かれたテキストを解釈し、膨大なデータベースから瞬時に最適な答えを導き出す事ができる。正確に言うと、「ワトソン」は与えらた文章の意味を分析し、大量の文書の中から質問への解答の候補とその根拠を洗い出す。各解答の確信度を計算して、最も高い数値を得たものを返すという仕組みになっている。「ワトソン」は、米国の人気クイズ番組「Jeopardy!」に出演して人間のチャンピオンを破り勝利した事で話題となった。そんな「ワトソン」が、今度はシェフになるという。いったい、どういうことだろうか?

 

 

9000種類のプロのレシピから食材の新しい使い方を抽出する「シェフワトソン」

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引用:WIRED

 

IBMは2014年6月に料理雑誌の「Bon Appetit」と共に新アプリ「Chef Watson with Bon Appetit」をリリースした。シェフワトソンは、「Bon Appetit」誌に掲載された9,000件のレシピをクローリングして、食材の組み合わせ方、料理スタイル、料理の盛りつけ方等に関するデータをパターン学習している。3つのキーワード(料理のテーマ、調理法、その時の気分などを入れると、キーワードから連想される食材の組み合わせと調理方法を提案してくれる。キーワードを入れると、約100種類のレシピがおすすめ度順に表示される。

はたして、「シェフワトソン」の作った料理のお味は…_?

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引用:IT Media

 

ITmediaが掲載した記事によると、「ワトソン」の提案したレシピはどれも絶品だったようだ。 正確には「シェフワトソン」が提案したレシピを著名のプロの料理人が調理したのだが、調理したシェフによると「シェフワトソン」の提案したレシピは「意外性があった」そうだ。人間には普段使っているものを先に思い浮かべてしまうなど、どうしても無意識な思考の偏りがある。「シェフワトソン」は人間の様な思考の癖がない分、ゼロベースで解答を出すことができると言える。その結果、人間のシェフにとっては意外とも思えるおいしいレシピを提案する事が可能である。

 

人工知能は創造の段階へ

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引用:IT Media

日本IBM 成長戦略ワトソン担当 理事 元木剛氏いわく、人工知能(IBMは認知的コンピューティングと呼んでいる)には4つの段階があるという。

最初の段階は膨大なデータベースから情報を引き出す「アシスト」、次が現象や人物のモデルを作成して推論を行う「理解」、3番目が収集したデータに基づいて専門的な判断を下す「意思決定」。最後が、全く新しい知見を発見し、価値を創造する「発見」だ。「シェフワトソン」の全く新しいレシピを提案できる機能は非常に4番目の段階に近いものだと言ってよいだろう。人工知能の発展するスピードは我々の創造よりも早く、人間だけのものと思われた創造性までもが、コンピュータに宿ろうとしている。引き続き、進化を続けるテクノロジーについてご紹介して行きたい。

 

▼連載企画バックナンバー

第1回:テクノロジーは外食産業復活の狼煙(のろし)となるか

第2回:ITで需要予測と24時間予約が可能に!?国内外食産業×ITまとめ

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