【連載企画】世界の超巨大企業が取り組むディープラーニング(Deep Learning)開発

WRITER : 野田 勝

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今回は「ディープラーニングと未来」の連載第3回としてディープラーニング(Deep Learning)開発に取り組む世界の巨大企業、Facebook、Baidu、Googleの取り組みを紹介する。

第1回:【連載企画】今世界で注目を集める「ディープラーニング(Deep Learning)」とはなにか

第2回:【連載企画】やさしく分かるディープラーニング(Deep Learning)の成り立ちと歴史

第3回:【連載企画】世界の超巨大企業が取り組むディープラーニング(Deep Learning)開発

第4回:【連載企画】ディープラーニング(Deep Learning)開発を行う海外スタートアップ3選

第5回:【連載企画】AI・ディープラーニング(Deep Learning)に関する3つの未来予測

Facebookは言わずと知れた世界最大級のソーシャルメディアを運営する企業である。現在Facebookの利用者数は12億人を越え、その時価総額は2090億ドルに上る。Facebookはディープラーニング研究の権威であるニューヨーク大学のYannLeCun教授を招き、本社所在地のカリフォルニアと、ロンドン、そしてニューヨークにそれぞれ、ディープラーニングと関係が深い人工知能の研究所を設置している。

▼参照
http://investor.fb.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=842071

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ディープラーニングでタグ付け機能の精度向上

スクリーンショット 2015-02-24 11.45.14

引用:Facebook

Facebookのタグ付け機能にはディープラーニング技術が用いられている。登録された写真データベースから、友人の顔を抽出し、自動でタグ付けをリコメンドする。そして、ユーザーがタグ付けを行えば行うほど、コンピュータは顔を学習していくため、自動タグ付けの精度は向上していく。

ディープラーニングで”気まずい写真”がニュースフィードに流れるのを防ぐ

DINAH SHORE 2011

引用:Wikipedia

冒頭で述べたFacebookのYannLeCun氏は、ディープラーニングを用いて、一種のデジタルアシスタントを作リたいのだという。デジタルアシスタントがユーザーの普段の顔と泥酔時の顔を識別し、泥酔していると判断した場合は、デジタルアシスタントが「この投稿を本当にあなたの上司や母親にもシェアしますか」と問いかける。そうして気まずい写真がニュースフィードに流れてしまうのを防ぎ、ユーザー体験の向上に繋げたいのだという。

▼参照
http://www.wired.com/2014/12/fb/

ディープラーニングを用いて識別精度97.25%の「DeepFace」を開発

スクリーンショット 2015-02-24 21.27.48

引用:DeepFace

Facebookはディープラーニングを用いた顔認識技術「DeepFace」の論文を発表している。論文によると、「DeepFace」の顔識別精度は97.25%に達し、これは人間とほとんど遜色ない数字である。「DeepFace」は、角度のついた顔画像から正面の顔画像を推定して作製し、ディープラーニングにかける事でその特徴を解析する。この実験には、Facebookにアップされている4030人の計440万枚に及ぶ画像と、YouTubeの動画内の顔画像データを集めたデータベースが利用されている。

▼参照
YouTube Faces DB
DeepFace

→次ページ:中国最大の検索エンジンを運営するBaiduとディープラーニング

Baiduは、中国版Googleの呼び声も高い中国最大の検索エンジンサイトを運営する中国企業である。実はBaiduは、検索エンジンの他にも、BaiduEyeと呼ばれるウェアラブルデバイスを開発するなど、最先端技術を扱うテクノロジー企業である。そのBaiduが、GoogleやFacebookといった大企業よりもディープラーニングの研究開発において先進的であるという。

Baiduがシリコンバレーに人工知能研究室を設置

スクリーンショット 2015-02-24 14.39.51

引用:Baidu Opens Silicon Valley Lab, Appoints Andrew Ng as Head of Baidu Research

2013年の4月、BaiduはGoogleの本社が所在するシリコンバレーに人工知能開発研究センターを設置した。また、機械学習分野における世界的な権威で、米スタンフォード大学コンピュータサイエンスの教授のAndrewNg氏を招集した。同氏は元Googleでディープラーニング研究グループの立ち上げに関わるなど実積十分な人材である。

彼は、「人工知能をを発展させるのに最適な場所はBaiduだと考えている」と話している。

ディープラーニング各分野においてGoogle、Appleを凌ぐ

Deepラーニング

引用:百度人脸搜索

AndrewNg氏によると、同社における音声認識の精度は、AppleのSiriやGoogleのGoogle Speachと比べて、10%以上も精度が高く、特に騒音が大きい環境においての精度は突出しているとのことである。

また、Baiduの研究チームが開発した画像分析システムDeepImageは、現在世界で最も権威のある大規模視覚認識チャレンジのなかで、誤認率5.98%を記録し、Googleの6.66%を凌いで世界一正確な画像分析システムの称号を手にした。また、人間が画像分析を行った場合の誤認率は5.1%であり、既に人間の肉眼にほぼ匹敵する精度を誇っている。

中国の”IT業界の巨人”は、GoogleやFacebook、Appleといったアメリカの先進企業にとって脅威的な存在となっている。

▼参考
百度建立超级计算机Minwa 运行深度学习算法

→次ページ:Googleの取り組むディープラーニング研究とは

世界で初めてコンピュータが独力でイメージを獲得した「猫認識」の衝撃

ディープラーニング 猫

引用:Using large-scale brain simulations for machine learning and A.I.

Googleのディープラーニング開発は、元スタンフォード大学のAndrewNg教授から始まった。同氏は現在中国最大の検索エンジンを運営するBaiduで人工知能開発チームを率いている。Ng氏はYouTubeに投稿された様々な動画のなかから、最も特徴的なモノを抽出するプログラムを開発し、世界で初めて”コンピュータの独力で”猫という物体を認識することに成功した。

従来コンピュータがモノを認識する際には、人から定義を教わる必要があった。例えば、リンゴをコンピュータに認識させるなら、リンゴは赤い、リンゴは丸いといった具合に、いくつもの特徴をコンピュータに学習させなくてはならなかった。その点Ng氏のディープラーニングが画期的だったのは、事前に人間が猫の特徴を教えたわけでもなく、また猫というラベル付けをされた画像を読み込ませたわけでもなく、コンピュータが自力で猫を認識した点である。

Googleは立て続けにディープラーニング・人工知能開発を行うスタートアップを買収

スクリーンショット 2015-02-24 14.03.04

引用:GoogleDeepMind

Googleは2014年1月に、英国でディープラーニングの研究開発を行っていたスタートアップDeepMind社を推定5億ドルで買収し、ディープラーニング開発を加速させた。同社はDeepMind社を買収する前に、DNNresearch社という人工知能を開発するスタートアップも買収している。立て続けにディープラーニング・人工知能分野の企業を買収している事からも、Googleの同分野への関心の高さが伺える。

ディープラーニングでより詳細な画像検索が可能に

ディープラーニング Google

引用:Building a deeper understanding of images

Googleの画像検索エンジンはディープラーニングを活用しているといわれている。Googleブログの内容によると、Googleはすでに、画像の中から物体を正確にラベリングし、複数の物品のそれぞれを探し出して特定し、注釈を付けることができるようだ。例えば上の写真であれば、「大きなつばのついたぼうしを被った犬」のように、それぞれの物体を特定し、そのそれぞれをラベリングする事ができる。

▼参照
Building a deeper understanding of images

次回連載第4回は、ディープラーニング開発を行っているスタートアップ企業3社を紹介する。

第1回:【連載企画】今世界で注目を集める「ディープラーニング(Deep Learning)」とはなにか

第2回:【連載企画】やさしく分かるディープラーニング(Deep Learning)の成り立ちと歴史

第3回:【連載企画】世界の超巨大企業が取り組むディープラーニング(Deep Learning)開発

第4回:【連載企画】ディープラーニング(Deep Learning)開発を行う海外スタートアップ3選

第5回:【連載企画】AI・ディープラーニング(Deep Learning)に関する3つの未来予測

▼前回連載記事「スマートシティの未来」

第1回:【連載企画】世界の最先端ICT技術が結集!未来型都市「スマートシティ」とは?

第2回:【連載企画】シンガポール・オランダ・インドの海外事例から読み解く世界のスマートシティ動向

第3回:【連載企画】日本のスマートシティプロジェクトから持続可能な未来を考える

第4回:【連載企画】最新テクノロジーで夢のスマートシティを実現する先端企業5選

第5回:【連載企画】スマートシティの未来に関する3つの予測

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