機械学習技術が命を救う!IBMが皮膚癌の早期発見技術を開発

WRITER : 野田 勝

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技術革新によって、私たちの寿命はどこまで伸びていくのだろう。2014年現在の日本人の平均寿命は男性が80.21才、女性は86.61才にも達する。世界で最も国民の寿命が短い国、シエラレオネ共和国の平均寿命が46才であることを考えると驚くべき数字だ。私たちの寿命がここまで長くなった背景には、医療技術の進歩がある。特に、日本人の死因の3割を占めると言われる癌の早期発見技術は、私たちの寿命に大きな影響を及ぼす。

▼参照
http://www.asahi.com/articles/ASG703HKDG70UTFL001.html

IBMが機械学習を用いた皮膚癌の早期発見技術を開発

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今回米国のIBM Researchは、機械学習を用いた画像解析による皮膚ガンの早期発見技術を開発したと発表した。当技術を用いて3000枚の画像をスキャンしたところ、95%の精度で皮膚ガンの前段階であるメラノーマ(悪性黒色腫)を発見できたという。この95%という精度は、人間が診断を行った場合の精度75%〜84%を大きく上回る数字となっている。また、今後更に大量のメラノーマ画像を機械に取り込み学習させていくことで、診断の精度は断続的に向上していく。

 

IBMの技術は皮膚ガン患者の救世主となるか?

メラノーマ画像

画像左(a,b)がメラノーマ、画像右(c,d)は良性のシミ

引用:http://jds.umin.jp/

皮膚ガン患者は年々増加傾向にあり、日本でも毎年3000人が発症しているという。本技術が開発されたアメリカでも、年に約500万人の患者が皮膚がんの治療を受けている。皮膚ガンは身体の表面にできるため、早期発見しやすいと思われがちだが、皮膚ガンに至る前の段階であるメラノーマと、ほくろを区別するのは専門的な知識を持ち合わせていても非常に難しい。メラノーマを早期発見できずに放置した場合、患部近くのリンパ節に転移し、その後肺、肝臓、脳など重要な部位へと転移を繰り返し、治療は困難となっていく。メラノーマの段階で早期発見さえできれば、手術で腫瘍を完全に取り除くことができ、完治することが可能だ。従って、今回開発された技術が患者の生存率に与える影響は非常に大きい。

 

機械による癌の早期発見で皮膚癌ゼロの世界へ

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従来のように、人間が肉眼で診察する方法では、癌検出の精度は経験によって変動し、経験が浅い若手医師と熟練のベテラン医師では、癌検出の精度にどうしても差が出てしまう。その点機械は、主観や経験ではなく、一定の”確からしさ”に基づいて判断を下す。従って、この技術が実用化して、一般の医院に普及すれば、経験の浅い医師でも熟練のベテラン医師でも、一様に高い精度で癌を検出することができるようになる。皮膚癌は、早期発見できれば致死率は比較的低い癌である。従ってこの技術の一般化が実現すれば、皮膚癌による死亡例が0になる日もそう遠くはないだろう。

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