IT投資額3300億円超の中国は人工知能分野の覇者となるか?

WRITER : 朴 泳虎

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中国は現在、世界で最も大きな経済発展をしている国の一つである。世界2位、約1,109兆円のGDPを持ちながら、年率7%前後の驚異的な経済成長を続けている。その背景にあるのは安価な労働力を基軸にした工業製品の生産であったが、その様相は近年変化しつつある。

ドイツのIT団体BITKOMが2013年に発表した報告によると、世界のIT投資額 3兆5000億のうち、中国が占める割合は9.5%であり、26.8%を占める米国には依然及ばないものの、8.3%を占める日本より大きな投資が行われている。

さらに、AlibabaやBaiduといった中国IT界の巨人も国内市場から得た圧倒的な資金力を背景に技術開発を急ピッチで進めている。今回は、中国の次世代技術開発、特に人工知能の分野での現状とその行く先についてご紹介したい。

中国IT界の巨人、Alibabaの人工知能活用法

中国3

引用:VentureBeat

Alibabaのグループ会社でクラウドコンピューティングに関する研究を行っているAliyunは今月、新しく人工知能を活用したサービスを発表した。サービスはDT PAIと呼ばれ、AmazonのAWSのように企業向けにビッグデータを解析するためのインフラを提供する。DT PAIの売りは、ディープラーニング技術を活用したユーザーのクラスタリングや特徴抽出といったビッグデータ解析を、超高速(Baiduの発表によると100ペタバイトのデータを6時間で処理可能)、かつドラッグ&ドロップの簡単操作で行える点である。

DT PAIを利用することで、企業は自社でビッグデータ解析のインフラを整える必要なく、簡単・手軽に顧客行動の予測や分類といった複雑な解析を行い、レコメンド機能や需要予測システムの構築などを自社のサービスに反映させることが可能になる。

AlibabaはAliyuに対して既に10億ドルを超える投資を行っており、将来直面するAWS、MicroSoft Azureなどとのグローバル競争に備えている。

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中国検索サイト大手のBaiduが技術力でGoogleを超えた?

中国2

引用:Bloomberg

2015年5月に開催された画像認識システムの精度コンテスト(ILSVRC)において、BaiduのシステムがGoogleを破り、トップに輝いたというニュースは全世界に衝撃を与えた。同社は2014年5月にGoogleで人工知能部門のチーフを務めていた Andrew Ng氏を招聘しており、人工知能分野に注力していることで知られている。ただし、この話にはオチがある。

実際には、Baiduは認められている回数以上のテストを行うという反則行為を犯しており、大会の参加資格を凍結された。とはいえ、それを理由にBaiduの技術力がまだまだ劣っていると考えるのは早計だ。Baiduは2014年だけで研究開発に525億円を投資しており、更に3600億円を投資してIT関連企業への投資・買収を行っている。その中には動画解析といった最先端技術を保有する企業も含まれている。多額の研究開発投資と高い技術力をもつ企業の買収を繰り返すことで、Baiduの技術力は急速に高まっているのだ。

中国IT企業が世界の覇者となる為には

中国1

引用:Wall Street Journal

AlibabaやBaiduといった中国のIT企業がグローバルで覇権を握るに当たって最も大きな障壁となるのは、やはりAmazon,Googleといった米国IT界の巨人達だろう。国内では圧倒的なシェアを持つAlibabaやBaiduだが、その背景には外国企業が参入しづらい政治事情に守られてきたという側面がある。後ろ盾のない海外において、いかに米国IT企業との競争に勝つかという点が、今後グローバルな覇権を目指していくにあたっては重要な課題になってくる。

そのためには人工知能のような、革命的な技術開発競争に勝つことが重要な要素になってくる。それを理解しているが故に、中国のIT企業は莫大な額を人工知能の分野に投資しているのである。今後も彼らの動向から目が離せない。

▼参照

TechCrunch

Shanghiist

Nikkei

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