人工知能が見た悪夢?ネットで話題の「DeepDream(ディープドリーム)」とは何か

WRITER : 野田 勝

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deepdream1

引用:GoogleResearchBlog

最近Googleが発表した画像がネット上で話題となっている。上の写真はDeepDream(ディープドリーム)と呼ばれるプログラムによって出力された画像であり、その見た目の奇妙さから注目を浴び、インターネット上で広く拡散されている。

今回は、ニューラルネットワークの仕組みを解説しながら、話題のDeepDreamの画像が生成される仕組みを解説する。

▼参照

GoogleResearchBlog

How Does #DeepDream Work?|ABEJA Engineer Blog

Googleが奇妙な画像を生成するニューラルネットワーク「DeepDream」のコードを公開

スクリーンショット 2015-07-21 22.35.46

引用:Inceptionism: Going deeper into Neural Networks

犬の頭や目、足、などが映り込んでいるこの一連の奇妙な画像は、#deepdreamというハッシュタグでTwitterやバイラルメディア上で広く拡散している。これらの画像は、 膨大な数の画像を読み込み、学習したニューラルネットワークによって出力されたものである。Google Researchは現在DeepDreamのコードを公開しており、ユーザー自身が、任意の画像を一連の奇妙な画像へと変換出来るようになっている。

ニューラルネットワークが画像の特徴を抽出するプロセスを可視化

ニューラルネットワークとは、人間の脳細胞であるニューロン・シナプスの信号伝達メカニズムを元に考案された、数式で表現されたモデルである。そしてディープラーニングとは、多層から成るニューラルネットワークであり、画像認識や音声認識の分野で傑出した成果を出している。

ディープラーニングで画像を読み込む際は、各層で画像の特徴が抽出される。大量の画像データにより訓練されたネットワークに画像を読み込ませると、入力に近い低階層においては点や線といった特徴を抽出し、中間層においてはドアや葉といったパーツを、そして最終的にはそうしたパーツを統合して、建物や木といった概念を認識する。

当初、ニューラルネットワークがどのようにして画像を認識するのか、そのプロセスは謎に包まれていた。今回話題になっているDeepDreamの画像は、ニューラルネットワークが画像を認識する過程を可視化する手助けとなる。

過去に学習したことのある概念と類似しているものを認識する

deepdream4

引用:GoogleResearchBlog

このDeepDreamは、主に動物や建物の画像を大量に学習させたニューラルネットワークである。そのため、上の渓流の画像には犬や鳥は存在していないにも関わらず、水の流れや木の形状と、それまで学習してきたモノの形状に類似点を見いだして、犬や鳥を誤認識してしまっている。その誤認識した特徴を増幅した結果が右の画像である。

この現象は人間にもみられ、パレイドリアと呼ばれる。パレイドリアとは、空の雲が大入道の顔にみえたり,古壁のしみが動物に見えたりするように,対象が実際とは違って知覚されることをいう。

DeepDreamは画像認識のプロセスを理解するのに役立つ

このDeepDreamは、ニューラルネットワークがどのように画像を認識し、分類しているかを可視化し、理解する手助けとなる。

Deepdream3

引用:GoogleResearchBlog

例えば、葉っぱの画像をディープラーニングにかけて、鳥と虫という出力結果が得られたとする。従来はニューラルネットワークが葉っぱを誤認識したという結果しか得ることが出来なかったが、DeepDreamを用いれば、ニューラルネットワークがどのようにその画像を鳥と虫であると認識したのかを、人間が視覚的に理解することが出来る。その結果、何故ニューラルネットワークが誤出力してしまったのかを理解することができるので、画像認識の精度向上の最適化に繋がる。上の画像では、ひまわりの花を鳥と昆虫の胴体として認識してしまっているのが見てとれる。

画像認識の精度向上は多方面で恩恵をもたらす

画像認識技術は、高い精度で実現できれば医療やセキュリティなど様々な方面で活用が期待できる。医療の方面では、例えば皮膚癌とほくろの画像を正確に識別したり、レントゲンやCTスキャンの検査結果を機械に読み込ませることで、病気を自動検出するようなシステムの構築なども技術的には可能である。また、人の顔画像を分析して年齢を推定する技術を応用し、セキュリティサービスや店舗向けのマーケティングに生かす事例も増えてくることが予想される。

人工知能の開発は、今回紹介したGoogleだけでなく、FacebookやBaiduなど世界の巨大企業が先を争って取り組んでいる分野であるため、その動向には引き続き注目していきたい。

▼関連記事

機械学習技術が命を救う!IBMが皮膚癌の早期発見技術を開発

How Does #DeepDream Work?|ABEJA Engineer Blog

【連載企画】「ディープラーニングと未来」

第1回:【連載企画】今世界で注目を集める「ディープラーニング(Deep Learning)」とはなにか

第2回:【連載企画】やさしく分かるディープラーニング(Deep Learning)の成り立ちと歴史

第3回:【連載企画】世界の超巨大企業が取り組むディープラーニング(Deep Learning)開発

第4回:【連載企画】ディープラーニング(Deep Learning)開発を行う海外スタートアップ3選

第5回:【連載企画】AI・ディープラーニング(Deep Learning)に関する3つの未来予測

▼参照

GoogleResearchBlog

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