CGの専門家が勧める映画技術に革新が起きた名作3選

WRITER : 志積 由香子

  最新テクノロジー

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特段SF好きでは無い方でも、映画館に足を運び、その映像の織りなす世界観に息を呑んだ経験はないだろうか。今回は世界で空前のブームを巻き起こした技術3つから、それらの映画が人を惹きつけてやまない理由について、テクノロジーの観点で考えてみよう。

物理学論的に正確なブラックホールを表現した『インターステラー』

まずは、2014年11月下旬に日本でも公開が始まったばかりの映画、『インターステラー』。公開最初の土日2日間で1億9,338万円を記録、週末興行ランキング1位を獲得した注目の作品だ。今まで宇宙を題材にしたSF作品が一度も成し得たなかった偉業を達成したことで注目を集めるこの作品、では何が凄いのか。端的に言えば、最新物理学理論を正しい計算式で映像表現したことだ。重力理論の権威であるキップ・ソーン氏が制作の総指揮を取り、ブラックホールやワームホールを理論上正しい姿でビジュアル化させた。だからこそ、専門知識を持つ人には胸躍る作品に仕上がり、そうでなくても、宇宙空間への想像が広がる一作品となっている。現在も引き続き公開中なので、是非映画館に足を運んでみてはいかがだろう。 [su_youtube url=”https://www.youtube.com/watch?v=huNTmixOjnM”]

▼参照
http://news.aol.jp/2014/11/26/intersteller/
http://gigazine.net/news/20141121-interstellar-review/

Visual Effectsの叡智を集結させた『ロード・オブ・ザ・リング』

VFX(Visual Effects)界の叡智を集結させ、見る人を瞬時におとぎの世界へ引き込む圧巻のスケールと映像のなめらかさに、度肝を抜かれた方多いだろう。ちなみにVFX自体が多大な影響力を持つようになったのは、1993年の『ジュラシックパーク』に遡り、「3DCG+デジタル合成」による視覚表現の方法を決定づけた。ここから時は流れ、『ロード・オブ・ザ・リング』では、「ゴラム」を役者と同じで、まさにその世界に存在するリアルな生き物として遜色ない形で表現したり、また大規模な戦闘シーンでは、兵士毎に動きを変える拘りで、よりリアルな戦場を表現することに成功した。結果、三部作全てアカデミー賞視覚効果賞を受賞し、世界興行収益では8位に君臨している。 ちなみに、この超大作を完成させたスタジオはニュージーランドのWETAFX社という、当時は無名の小さな制作会社。それが世界中から集結したクリエイターの指揮を取りながら、歴史に残る作品を夜に送り出した功績も目を見張るものである。
[su_youtube url=”https://www.youtube.com/watch?v=8lbENKOUpZA&list=PLel7nt0-TA8WfxlkfQfFk0zhbaXa4v113″]

▼参照
http://www.rm.is.ritsumei.ac.jp/~tamura/sfx/sfxv_content104.html
http://area.autodesk.jp/column/trend_tech/vfx/whats_vfx_2/

エモーション・キャプチャーで感情までCGに反映した『アバター』

1度見たら忘れられない、人間のようで異質なあの青いビジュアルの痛烈な印象を、まだ記憶に留めている方も多いのではないか。実際に映画館で待っていたのは、どこか私達人間にとって仲間意識を覚えずにはいられない、感情表現豊かなアバター達だった。これを可能にしたのは、またもや最新技術だ。まず俳優の動きを完全にCG化するために、あらゆる角度から撮影ができる球体の空間を用意し、撮影はその中で行われた。また俳優はマーカーのついたプロモーション・キャプチャー・スーツを着用して、一挙手一投足まで余す所なくCG俳優(アバター)をキャプチャーすることに成功した。加えて大きなポイントとしては、表情も常にキャプチャーできるように俳優は小型カメラのついたヘッドギアを着用し、その結果生身の人間同士で繰り広げられるようなコミュニケーションやアクションの完全再現に成功した。キャプチャーしたアクションは全て物理計算に則った形で動くため、あたかも現実世界のように、リアルな動きとなって表現される。リアルその結果、『アバター』は全世界の興行収益で堂々の1位に君臨する。

[su_youtube url=”https://www.youtube.com/watch?v=cRdxXPV9GNQ#t=124″]

▼参照
http://www.cinematoday.jp/page/N0021820
人間はビジュアリゼーションの限界を映画を通じて超えてきた。これからもまた、はっと息を呑むような作品に出会えたら、その裏側にはまた時代の寵児となるテクノロジーや、その活用を通じて歴史を塗り替えようとする制作陣の努力の結晶が隠れていることだろう。次世代映画の登場も、ますます楽しみなばかりだ。

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