東京シャツ株式会社 様
会社名 東京シャツ株式会社
事業内容 紳士・婦人用品の製造及び販売
Webサイト https://www.tokyo-shirt.co.jp
インタビュー 東京シャツ株式会社 経営企画室 課長 兼 E-commerce部門 デジタルマーケティング課 課長 松中秀人 氏
導入店舗 規模の異なる国内複数店舗

導入の背景

顧客満足度の向上のために、
店舗を訪れる顧客層をもっと知りたい

東京シャツは70年の歴史があるワイシャツ・カッターシャツの専門店です。創業から50年間は製造、卸のビジネスを行い、20年前より製造から小売までを一貫して行うSPAビジネスを展開しています。2015年5月には日清紡グループの傘下に入り、生地から製品まで一貫して提供できるようになりました。

形態安定加工がされノーアイロンで着られるシャツや、クールビズ対応で肌着のいらないシャツなど、他社にはない商品を扱っています。現在、日本全国に191店舗を展開し、ECも5店舗あります。リアル店舗は主にショッピングモールや駅ビル内にあり、駅ビル内の店舗はビジネス層の顧客が多いという特長があります。

商品価格は2,900円から3,900円とリーズナブルで、SPAビジネスに転換した際にはこの価格帯で競合優位性を持っていました。しかし、最近ではロードサイドでスーツを販売している企業がショッピングセンター内にも進出しているため、価格での勝負は難しくなっています。そのため、店舗を訪れる顧客の満足度をどう向上させるかが新たな課題です。

かつてのチェーンストアは、どこに行っても同じ店構えで同じ商品が買えることがメリットでした。しかし、今は「どこに行っても同じ商品」ではなかなか買ってもらえません。顧客の行動も多様化しており、それぞれの顧客に合わせた商品展開や接客方法が求められています。

とはいえ、顧客層の詳細は店舗スタッフの肌感に頼るしかありませんでした。また、店舗ごとに状況は異なるので、単に売上の増減だけを見ていたのでは店舗スタッフの公平な評価ができません。入店率や買上率を正確に把握できれば、別の評価軸を持つことができます。例えば、入店者が少ない店舗は売上高とは異なる指標で評価すべきでしょう。
ところが、これまでは、POSデータからしか数値データが取れなかったため、店舗の評価は売上の数字を予算対比で過去と比較するくらいしかできなかったのです。

東京シャツ株式会社 様

活用事例

棚のディスプレイを仮説検証。
最も効果的な方法が数字で明らかに

こうした課題を解決するために、入店者数や買上率を正確に測定できる仕組みを比較検討し、2018年9月にABEJA Insight for Retailの導入を決めました。そして、2018年11月25日に、新規に開店する「TOKYO SHIRTS ウィング新橋店」を一店舗目として導入を開始しました。

東京シャツの多くの店舗は20坪ほどの広さなのですが、ウィング新橋店は5坪とかなり小さな店舗です。しかし、立地が良いので全国でもトップクラスの来店者数を保持しています。そのような狭小店舗でどのような店舗作りの工夫ができるのか、それを検証したいと考えました。

ウィング新橋店では、入店者数と顧客の棚への手伸ばし回数、棚前での滞在時間を測定しています。残念ながら天井高が低く、店舗前の通行量は測定できませんでした。取得したデータからそれぞれの棚からの買上率を計算しています。

店舗内には4つの棚があり、まずは棚ごとにシャツの色を変え買上率の違いを見ました。新橋という場所柄、白いシャツの需要が高いことは分かっていました。そこで、顧客がアクセスしやすい入口から正面にある棚に白いシャツを置いたところ、買上率の上昇が見られました。

レジのそばに白いシャツを置いた場合も、レジ待ち客の商品への接触率が上がり売上が向上しました。このように、商品配置を変え検証を繰り返すことで売上などの効果を測定しています。他にも、色ではなくサイズごとに棚に陳列するという方法も試しました。こういった施策は、店舗スタッフからのアイデアを基に仮説を立て実施しています。

ウィング新橋店で効果が出たので、現在は4店舗で入店者数を測定しています。店舗前の通行量測定も2店舗で実施しています。店舗前の通行量を測定している店舗では、通行量の変化と入店率の関係から、どのような工夫をすれば入店率、そして買上率を上げられるかの議論も始まっています。現状のデータ活用は週ごとのデータの比較のみですが、1年分のデータを蓄積できれば、季節による違いなど、様々な条件下での違いが見えてくるでしょう。

五反田の店舗では新たな気付きがありました。複数ある入口のうち1箇所からの入店が多い傾向が分かったのですが、店舗スタッフはその入口からの入店が多いという印象は持っていませんでした。入店の多い入口前には925円のネクタイを置いていましたが、他の商品に変更した場合の検証を始めています。

亀有の店舗では、改装に合わせ入店率向上の施策を検証しました。かつて2本だった導線を3本に増やし、導線幅も合計で1.5倍に拡張しました。また、棚に混載していた店舗内のVP(ビジュアル・プレゼンテーション)も島ごとの商品陳列に変え、サイネージもタペストリーからデジタルに変更、店舗外からも目につくようにしました。これらの施策により、改装後の入店率は確実に上昇しています。店舗改装の検証は、店舗開発室のスタッフも一緒に行っています。今後もさまざまな施策を試し、入店率を上げる効果的な店舗作りの方法を明らかにしていきます。

東京シャツ株式会社 様

BRICK HOUSE by Tokyo Shirts亀有アリオモール店の改装前(左)と改装後(右)。2本だった導線が3本に

店舗内におけるスタッフの待機場所も検証しています。外から見える位置にいた方が良いのか、そうでない方が良いのか。店舗の立地や曜日など、条件によって結果は異なるでしょう。そのため、長期間のデータを取得し検証する必要があると考えています。待機場所の検証は店舗スタッフからの提案で始まった取り組みです。

ABEJA Insight for Retailで測定を始めた店舗では、現場スタッフが適宜データを見て店舗作りを考えるようになっています。ABEJA Insight for Retailの導入は、上からの命令ではなく、最初から現場スタッフを巻き込む形で始めました。新しい試みを定着させるためには、現場スタッフに率先して動いてもらう必要があると考えたからです。対象店舗では、定例会を開き情報の共有を行っています。その中で感じたことは、それぞれの役割として、現場スタッフは仮説を検証する、マネージャー層は問題解決方法を考える傾向にあるということです。このバランスをどうとっていけば良いかについては、新たな課題となりそうです。

今後の展望

データに基づいた需要予測
・在庫最適化に取り組みたい

今後は、測定する店舗数を横展開で増やすよりも、さらに深いデータ分析をしたいと考えています。そのためにも顧客属性データを新たに取得したい。顧客属性が分かれば、来店する顧客に合わせた店舗展開ができるはずです。

東京シャツはシャツが中心のビジネスであるため目的買いの顧客が多く、さまざまな商品を扱う一般的なアパレル店舗より買上率は高くなるだろうと考えていました。ところが、実際に測定してみると買上率は10%程度に留まり、一般的なアパレル店舗とあまり変わりません。買わなかった90%の顧客に合った商品があれば、買上率は上昇する筈だと考えています。それをABEJAの仕組みを用いて検証し、明らかにしていきたいです。

CRMの導入も別途進めています。CRMを導入することで、購入客の細かい属性が把握できるようになります。一方で、購入に至らなかった顧客の属性は、ABEJAの仕組みで明らかにできます。そして、この二つの差分が見えてくれば、そのギャップを埋めることで買上率を向上できるはずです。

また、各店舗への商品配分の作業は、現在はスタッフ一名で行っています。約1,000品目の商品を200近い店舗にどう配布するか、毎週試行錯誤しながら行っています。今後はCRMのデータから、どこで何が売れているかが分かります。どのような来店者がいるのかについては、ABEJAの仕組みで分かります。それらのデータをマッチングさせ、さらに店舗の位置や流通のデータなども合わせたビッグデータを分析し、商品配布の最適化ができればと考えています。

どういう商品がどこで売れるかを予測し、配送の効率も考えて商品の最適な配布を自動で行う。これができれば顧客の購買の機会損失も減り、買上率は20%を超えるのではないでしょうか。このようなデータを活用した自動化の実現についても、ABEJAに是非協力してもらいたいと思っています。

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