株式会社三陽商会 様
会社名 株式会社三陽商会
事業内容 紳士服・婦人服及び装飾品の製造販売、全国の百貨店、専門店、直営店での製品の販売
Webサイト http://www.sanyo-shokai.co.jp/
インタビュー 第三事業本部 マッキントッシュフィロソフィービジネス部長 兼 MPストア課長 松村宇行氏
導入店舗 マッキントッシュフィロソフィー 直営店舗

導入の背景

店舗分析を直営店展開の
新たな武器に

三陽商会では、英国を代表する老舗ブランド「マッキントッシュ」のセカンドラインである「マッキントッシュフィロソフィー」の日本展開を、2007年より行っています。デビュー以来変わらないコンセプトとして、30代から40代のお客様向けに英国トラッドをベースとしたシンプルでクリーンな商品を提供し、百貨店販路では一定の成果を上げています。

ある程度順調に成長してきた中で、2017年には全社ミッションとして非百貨店販路への本格進出が決まります。これまで徐々に進めていた直営店やEコマースなどの百貨店以外の販売チャネルに注力し、販売形態をシフトチェンジすることになったのです。直営店強化という点において、市場では後発となるので、戦うための武器を持つべきだ、という議論がありました。そこで、新たな武器として採用したのがABEJA Insight for Retailだったのです。

百貨店での展開が中心だった頃は、きちんとした顧客分析を行なっていませんでした。店舗ごとにレジがないことも多く、顧客情報を取得できなかったのです。自前のレジがある店舗では、購入時にスタッフが顧客の性別や年代などを入力していましたが、全体に対し得られるデータが少なく、全ての傾向を把握するには十分ではありませんでした。さらに、レジから得られるのは、売れた商品のデータだけです。ABEJA Insight for Retailを使えば、買わなかった顧客のデータも取得できると考えました。

そうした状況下の2018年2月、ルミネ新宿店でMP STOREを6ヶ月の長期催事で展開することになりました。ルミネ新宿店は商業施設では王様的な存在、そこで成功を収めるにはこれまでのノウハウだけでは上手くいきません。そこで、いよいよABEJA Insight for Retailを導入し、顧客データを取得して店舗運営を最適化しようと考えたのです。

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活用事例

VMDを改善することで、
棚の買上率が2倍に

ルミネ新宿店では、店舗前の顧客の通行量と来店者数、性別、年代といった属性データを取得しました。日本一とも言える商業施設の顧客数はどれくらいか、その中から新参者の我々の店舗に何名くらい入店してくれるのか、ターゲットとして考えた顧客像と実際の顧客属性には、どれくらいのギャップがあるのか。それらを把握したいと考えました。

これまでデータを取っていなかったので過去データとの比較はできません。そこで、同時期の他店舗と比較するため、ルミネ新宿店以外の3店舗でも同様のデータを取得しました。データを取り始めた瞬間から、全てのデータが経験と勘に基づく推測とかけ離れていると感じました。たとえば買上率は予測よりもかなり低かったのです。

入店率も実際の数字は予測よりも低いものでした。しかし、本当に妥当かは過去データもなく判断できません。そのため、少しでも比較対象を増やしたいと社内でABEJAの営業を行い、他ブランドでもカメラを設置してもらうようにしました。その結果わかったことは、ブランドごとに出てくる数字が大きく異なることです。そこで、自分たちなりの指標を作らなければ判断できない、となりました。

MP STOREの本格的な立ち上げが始まった2018年9月以降は、全ての新規店舗で店舗前の通行量、来店者数、属性データを計測しています。新規店舗の1つに、二子玉川店がありました。ここはルミネ新宿店とは立地も形態も大きく異なります。その上で比較すると、ルミネ新宿店は二子玉川店よりも入店率は低いのですが、来店者数はほぼ同じでした。そして買上率を見ると、ルミネ新宿店の方が高い傾向がわかったのです。

この差はおそらく商品の見せ方の違いから来たものではないかと考えますが、商品の見せ方をどう変えると、買上率が変化するのかはわかりません。VMDの何を改善すれば買上率が上がるのか、それを明らかにしたい。そのためには店舗内の顧客の行動を知れば、何が原因で買上率が変化するのかがわかるはずです。そこで、ABEJA Insight for Retailの顧客の行動分析を、追加することにしたのです。

2018年9月から、ABEJAのカスタマーサクセスチームと隔週で定例ミーティングを行うようになりました。それまでは、ABEJA Insight for Retailのデータを眺めていただけでしたが、データをどう見るべきかをディスカッションし、他社の取り組みを共有してもらい、データの活用について改めて考え始めていました。我々は、ルミネ新宿店の数字はまあまあだと思っていましたが他社にはもっとすごい結果もある。数値を上げるにはどのような施策を打てば良いのか。では、施策を決めるために、どの棚の商品が顧客に見られていて、店舗内のどこで顧客が立ち止まっているのか、そういった顧客の行動を把握するべきなのではないか。そんな風に考えるようになっていました。

行動分析のアウトプットとして用いられるのは数字によるデータです。その数値データの表は、直感的には理解しにくいものです。そこで、各棚の商品状況を逐一写真に撮り、その写真と棚ごとの接触率などの数値データを突き合わせた一覧を作り、ビジュアル化しました。今は週ごとに棚の写真を撮影し、データにはめ込む作業をしています。手間はかかりますが、データをビジュアル化することで、どのディスプレイが最適なのかについて、容易に意思決定できるようになりました。今では、スタッフからフラットに、さまざまな意見が出てきます。

株式会社三陽商会 様

データから、二子玉川店で顧客が最も商品に触れる場所もわかりました。スタッフの感覚的にあまり商品との接触はないと思われていた場所でした。ところが、データによれば接触率は高い。そこで、季節を先取りした春物の新作コートを置いてみたところ、商品を手に取ってくれる率はかなり高くなりました。しかし、買上率にはなかなか結びつかない。そこで、より買いやすい商品、コートよりも軽い商品に置き換えれば買上率が上がる、と仮説を立て、商品を入れ替えました。そうすると、店舗全体の棚ごとの買上率が平均で3%程度なのに対し、この棚は6%と高い値になったのです。現状では、この棚は工夫次第で平均の3倍程度の買上率、2.3倍程度の売上にできることがわかってきました。

今後の展望

接客の「質」の部分にも、
データを使って取り組みたい

店舗奥まで回遊していないという状況も判明し、VMDを変更し顧客動線を伸ばす工夫もしています。これまで、店舗スタッフとVMD担当者は、それぞれの視点からしか見えていないようなところがあり、会話しようとしてもギャップがありました。それが今では、ABEJA Insight for Retailから得られた数値データを共通言語として会話をしているので、互いに知見を出し合えるようになっています。これは大きな変化だと思っています。

店舗でもデータを見るようになったことで、VMDの最適化について現場主導で動けるようになってきました。今後はVMDだけでなく、LOVELESSのように接客の質の向上にも取り組んでいきたいと考えています。また、今後は店舗運営だけでなく、商品計画などにもデータを反映させていきます。

これまでの取り組みの中でABEJAが素晴らしいと感じているのは、カスタマーサクセスチームがしっかりしている点です。対応してくれる人全てが、論理的に会話をし、我々では気付かない提案をしてくれます。常に論理的に説明してくれるので、我々の見識も高まり、徐々に論理的に捉えられるようになってきました。カスタマーサクセスチームのサポートを受けるようになって、データ活用が一気に進んでいます。1年の導入の遅れがなければ、我々のデータ活用レベルをもっと上げることができたのに、と思っています。

今後は、自分たちがつまずいたことを社内でも共有し、他ブランドで同じような無駄が起きないようにしたいと考えています。また、社外の人たちとの勉強会に積極的に参加し、ノウハウや知見をさらに深めたいです。現場レベルの人たちがこのような取り組みに参加し刺激を受け、ABEJAの活用を面白いと感じてくれれば、データの活用がさらに進むと思います。

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