株式会社ICI石井スポーツ 様
会社名 株式会社ICI石井スポーツ
事業内容 スキー、登山用品の専門店
Webサイト http://www.ici-sports.com
インタビュー 株式会社ICI石井スポーツ 執行役員 経営企画室 兼
オムニ事業部 兼 店舗運営部 室長 川村尚弘氏
導入店舗 ICI石井スポーツ登山本店、ICI石井スポーツ立川店

導入の背景

スタッフの経験と勘から脱し、
店舗作りノウハウを蓄積したい

ICI石井スポーツは1964年、登山靴の製造販売からスタートしました。

現在はスキー、登山用品の専門店として全国に32店舗を展開、スキー板、スキー靴、スキー用品、登山靴、登山用具、キャンプ用品、その他一般スポーツ用品の販売を行っています。スキーや登山用品の販売だけでなく、登山学校やスキーアカデミーを開校し、ソフト面の充実で「安全で安心に楽しめるアウトドアスタイル」の啓蒙にも勤めています。

ICI石井スポーツ_店舗外観

創業当時からICI石井スポーツは「お客様の悩みやニーズにお応えする」ことを理念とし、きめ細かい接客で顧客に最高のおもてなしと役立つ情報を伝えるところに強みを持っています。

そんなICI石井スポーツでは、全国を8つのブロックにわけ、8人のブロックリーダーの裁量で地域に即した店舗作りをするのが特徴です。長い間この方法でビジネスは順調に推移してきました。とはいえ、ブロックリーダーの経験に頼っているところも多く、店舗作りのノウハウはブラックボックス化しがちです。企業としてのノウハウ蓄積もままなりませんでした。ブロックリーダーはそれぞれに成功、失敗体験を持ち、より良い店舗作りのための会議を行ってもリーダー同士なかなか議論が嚙み合いません。この状況から脱するために、とにかく数字を集めようと考えました。

つまり、各ブロックリーダーがそれぞれ推進している方法が本当に有効なのか、それを裏付ける数字を集めることにしたのです。売上げや売れ筋商品の数字は、POSデータなどからすぐに集められます。それに来店者のデータを合わせることで、購買に至る行動も見えくるはずです。ICI石井スポーツでは、既存顧客からの売り上げが高いことは分かっていました。とはいえ、再来店率や1回目の来店と2回目の来店で購買するものはどう違うかなどは見えてきません。さらには既存顧客の離脱状況もよく分かりません。

そもそも店舗に顧客が来店していないから悪いのか、あるいは来店はあるが購買に至っていないのか。来店者を増やすための責任分界点もよく分かりませんでした。既存顧客はしっかりと掴んでいて、それが売り上げにもつながっている。けれどもなかなか新規顧客が獲得できない。これは1つの課題でした。とはいえ、この状況はPOSデータだけを見ていても把握できません。

店舗には来ているのに購買に至っていない。それがなぜかを探りたい。そもそも若い世代の新規顧客が来店していないのなら、広告や宣伝が悪いことになります。これらを分析するには、来店者の数を正確に測定し、さらにはその属性も明らかにしたいと考えました。

実際の活用方法

立ち寄り率を数値化、
新規顧客につながるMDを発見

来店者を正確に数える方法を、いくつか比較検討しました。その中でコストの安さとすぐにテストが実施できるという理由で選んだのが、ABEJA Insight for Retail でした。ABEJAについては知人からも紹介があり、さらに来店者の属性把握という要件を満たしていたことも選択のポイントです。2017年1月から来店者カウントについて検討し、ABEJA Insight for Retailを導入したのが7月、1ヶ月程はカメラ位置の調整や属性識別のためのチューニングを行いました。今回は店舗内に複数のカメラを設置し、エリア分析も行っています。

まずはショップインショップのICI石井スポーツ立川店を実験店とし、属性別の買上率の分析を行いました。計測すると20代、30代の若い世代の顧客の買上率が低く、40代が高い傾向が見えました。登山本店にもABEJA Insight for Retailを導入し計測すると、年代別の買上率はほぼ同じ傾向であることが分かりました。他には、土日は若い世代の来店が増え平日は年配者が増える傾向もある等、世代ごとの来店・購買傾向を理解することができました。

また、秋口になると若い世代の来店が増えることも分かりました。これはアウトドアウェアなどを、登山などではなくタウンユースする人が増えるからと推測されました。若い世代の新規顧客を獲得するために、タウンユースのアウトドアウエアを展開すべきかどうか社内で議論が生まれたため、この商品のエリアの立ち寄り率を測定することにしました。

実験的に立川店にタウンユースコーナーを設置し、立ち寄り率を計測してみると、若い世代の来客が増えるにつれて、そのエリアへの立ち寄り率が高くなることが明らかになりました。若い世代の取り込みにタウンユースが役立つことが数値的に証明され、来年以降はタウンユースの見せ方・商品構成に生かしていきたいとしていきたいと考えています。

さらに1年以上データを集め、来店者の季節変動の傾向が掴めれば、データを基にしたMDカレンダーも作れるようになるでしょう。

来客人数 / 入店率の水位

もう1つ、立川店と登山本店では買い上げ率が15%ほど違うことも明らかになっています。これは登山本店への来店者の多くが、目的を持っているからだと予測できます。立川店はショップインショップで、立ち寄り客が多いこともこの差になっているのでしょう。立地により買い上げ率が異なることが、数字により明らかになったのです。

現在、ABEJA Insight for Retailで取得しているデータは、そのまま各店舗の店長などに公開するのではなく、一旦本社で集計しレポートの形にして各店舗に提供しています。このレポートを見ながら、各店舗とコミュニケーションをとり、店舗作りの改善に取り組んでいます。

今後の展望

来店者のデータを得られるようになり、
さらに実験し分析したいことはたくさんある

来店者の属性や店内エリアでの行動が把握できるようになり、店舗レイアウトの実験も行っています。ICI石井スポーツにはザック、靴、ウェアという3つのマグネット商品があります。これらをどう配置するかは経験則に任せてきました。かなり高い位置にも商品を展示していましたが、奥まで店内が見渡せるよう棚の高さを低くし、さらにマグネット商品を店舗の奥に配置するレイアウトを試したところ、他の商品棚も回遊しながらマグネット商品にたどり着く導線ができ、回遊時間も増えることが分かったのです。

こういう実験ができたのもABEJA Insight for Retailでタイムリーにデータを取得できるようになったからです。やりたいことはたくさんあります。たとえば、来店から接客を経て購買に至る過程を分析したい。この時、接客率が購買にどう影響するかを見てみたい。

立ち寄り顧客のうち、一定秒数以上滞在した方は接客を受けているとみなし、接客率を追っているのですが、スタッフの守備面積と接客時間を掛け合わせるとどうなるかなども分析したい。スタッフを増やせば接客率が上がり、売り上げ向上につながるとの仮説はあります。それを証明するには、さらにデータを得て分析する必要があるのです。

さまざまな分析をするには、ABEJAのデータを取得し他のデータと掛け合わせる必要があります。現在は、ABEJAのデータをファイルで受け取りスプレッドシートに読み込み、手作業で他のデータと掛け合わせています。データ取得がAPI経由で行えるようになれば、BIツールなどに直接取り込みより複雑なデータ分析が効率的に行えます。この辺りのABEJAの拡張には、期待しています。

ICI石井スポーツには、店舗の「交流の場」にしたいという構想があります。来店者の五感も刺激し、店舗をより居心地の良い空間にしていく。そのための最適な店舗作りを、これからもデータを基にして試行錯誤していきたいと考えています。

成功事例集を無料でダウンロード

導入事例一覧

事例一覧へ戻る

店舗データの取得・活用を
今すぐ始めてみませんか?