株式会社ビームス 様
会社名 株式会社ビームス
事業内容 紳士服、婦人服、バッグ、靴、雑貨等の販売
Webサイト https://www.beams.co.jp
インタビュー 株式会社ビームスホールディングス 取締役 ロジスティック本部 兼 情報システム本部 本部長 清水伸治氏
導入店舗 国内アウトレット店 複数店舗

導入の背景

スタッフの勘と経験頼みから、
データに基づく店舗作りへ

ビームスは国内外に約160店を展開しており、うち30店舗がアウトレット店です。一般的にアウトレット店を訪れる顧客の層はプロパー店と比べて幅広く、ファミリー層が多いという特徴があります。

多くのお客様はアウトレットモール内のいくつかの店舗を回り、気に入った商品があれば購入します。従来、そのイメージに合わせ商品の品揃えなどを行なってきましたが、本当にその品揃えで良いのかとの疑問もありました。

株式会社ビームス 様

アウトレット店は、北から南まで日本中に展開しています。観光に訪れた際に立ち寄るお客様が多い観光地にある店舗もあれば、地域に密着した店舗もあります。ビームスには会員カードの仕組みがあり、商品を購入した顧客の属性を知ることができます。とはいえ、アウトレット店はカード会員の割合が2~3割ほどしかありません。カード会員データだけでは店舗を訪れるお客様の全体像を把握できないという課題がありました。また、店舗規模も80~240坪までと店舗ごとの差が大きい。こうした点を考慮した品揃えなどの店舗運営は、本部や店舗スタッフの勘と経験に頼るしかありませんでした。

アウトレット店を訪れるお客様の属性を正確に知り、訪れる客層に合わせ最適な品揃えをしたい。そう考えていた時に出会ったのが、ABEJA Insight for Retailでした。このサービスを導入すれば、どんな人が、いつ、何人店舗を訪れたかが分かります。さらにカメラを店舗内に設置すれば、店舗の中で顧客がどのような行動をとっているのかについても知ることができます。これまで肌感でしか捉えることができなかった部分を、データによる分析で把握し施策が打てる、そう考えたのです。

活用事例

動線分析から見える、
店舗のウィークポイント

2016年から2つのアウトレット店で来店客数と年代・性別の計測を開始しました。その後、計測する対象店舗をさらに増やしています。また、2018年4月には新たなアウトレット店の開店に合わせ、店舗内での動線分析を行う仕組みの導入も行いました。

店舗内での顧客動線をデータ化して分析した結果、店舗内の「ウィークポイント」がはっきりと見えるようになりました。結果に基づいて商品配置などを変えたところ、来店客の回遊距離が伸びるとの結果も出ています。

株式会社ビームス 様

購入客と比べて、購入しないお客様は滞在時間が短く、店舗奥まで回遊していないことも分かりました。店舗奥まで行く前に、この店には自分に合う商品はないと判断するのか、店舗を出て行ってしまうのです。そういうお客様に対し、どこにどのような商品を配置すれば興味を持ち続け、店舗奥まで回遊してくれるのか。この点については新たに仮説を立て、商品配置の工夫を始めています。

たとえば、最も売れる商品をどこに置くべきかについても試行錯誤しています。入り口付近なのか奥に配置すべきなのか。売れるものを奥に置いたほうが回遊距離は伸びるという仮説を立て、店舗レイアウトの改善を試しています。また、商品を陳列する什器の違いなどで、お客様の行動がどう変わるかも仮説を立て検証しています。

株式会社ビームス 様

他にもアイキャッチになる商品を、入り口からの導線に対しどう配置すべきかの仮説を立てて検証しました。商品の向きを導線に対し正面に向け、いったんそこで受けてから左右に分け奥まで誘導するべきか。あるいは入り口からの導線と平行に配置し、なるべくスムースに奥まで誘導すべきか。結果的に後者の仮説に基づきレイアウトしたほうが、奥までお客様が誘導され回遊距離が伸びています。結果、店舗内での滞留時間も増加し、売上向上にもつながっています。

もう1つ効果があったのが、レジ待ちをする場所の近くの商品配置です。レジ待ちは男女に関係しないので、性別に依存しない商品を置いたほうが手にとってくれるという仮説を立てました。以前はレジ待ちで導線が密集するところにメンズの雑貨がありましたが、この仮説に合わせ性別に依存しないTシャツに置き換えたところ、複数購買の増加につながる結果が出たのです。

今後の展望

リピート推定の開始
―新たな顧客分析手法に
新たな活路を見出す

来店するお客様の属性を計測し属性ごとの買上率を見ていく分析は、比較的単純で打ち手も見えやすいです。しかし、店舗内の行動を分析し、そこから購買につなげていくのは難しいものがあります。実売の行動から遡りどういう行動をとったかを見ていきます。さらには、購買に至らなかったお客様の行動も分析しなければなりません。

買った理由は行動データを積み上げれば見えてきそうですが、買わなかった理由については、最終的には訊かなければ分かりません。そのため、なぜ買わなかったのかの仮説を立てるのは、難しいと感じています。このあたりについてはABEJAのサポートを受けながら、今後どう仮説を立て、そのためにどんなデータをとれば良いかを考えていきたいと思います。

1つ可能性として見えてきたのがリピート顧客の計測です。2019年2月、一度来店し再び店舗を訪れた人の検知を試験的に行ったところ、リピート顧客の買上率がそうでない人より極めて高いことが分かりました。店舗スタッフにその結果を伝えたところ、再び来店してもらえるような接客をしていきたい、との声が上がりました。リピートしてもらうような商品の品揃えではなく、お客様へのより良い挨拶や接客を行うべきだと店舗スタッフが考えてくれたのです。このようになんらかの成功体験をしてもらえれば、それがプラスのアクションにつながります。その成功体験をデータに基づいた事実として伝えられることは、極めて重要だと考えています。

アウトレット店の場合は目的買いが少ないので、接客をどこまでやるべきかの判断は難しい面もあります。とはいえ、スタッフの対応が良いに超したことはありません。商品の魅力や品揃えだけでなく、店舗作りでは接客も重要となることがデータで裏付けられたことにもなります。つまり、スタッフの意識改革にもデータは役立つのです。

ABEJAで得られるデータを店舗のスーパーバイザーなどと共有した結果、店舗側でもデータを活用しようという意識を持つ従業員が増えてきました。そのぶん本部の対応やABEJAに対する期待も大きくなっています。期待に応えるためにも、ABEJAにはITベンダーとしてではなく、課題を一緒に考え解決していくソリューション・パートナーとしてこれからも付き合っていただければと思っています。今後もこの関係性をより深めていけたらと思います。

また日々の活動の中で俯瞰で物事を見ることが難しい場合もあります。そんなときにABEJA Insight for Retailの導入企業が集うコミュニティのイベントに参加すると、他社ではこんな考え方をするのかと多くの気づきがあります。ツールの導入ありきではなく、ツールとそこから得られるデータをいかに徹底的に使いこなせるか。コミュニティの場は業種や業態が異なっても、互いにインプット、アウトプットができる良い刺激の場です。今後も積極的に参加したいと考えています。

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